2021年日本全国の気になる展覧会＆アートトピック

2021年1月4日 20:11

2021年に新しく開館する美術館や、開催される芸術祭、注目の展覧会など、日本全国のアート関連のトピックをまとめました。（各トピックごとに、開催順に記載しています。）今年1年の遠征計画などのご参考にどうぞ。

※ 今年も、感染状況の拡大などによっては変更・中止となる可能性があります。できるだけ情報は補完していきます。

(※ topの写真は、2016年にYCAMで行われた「Rhizomatiks Research × ELEVENPLAY - border」。今年、「border2021」として2/13-14に、5年ぶりにスパイラル＆web上で再演され、また、3/20からは、東京都現代美術館でRhizomatiksの美術館における初の大規模個展も開催されます。)

＜新規開館・リニューアル　(2館)＞

- 長野県立美術館

開館日：2021年4月10日
現在改築工事のため休館していた長野県信濃美術館が「長野県立美術館」としてリニューアルオープン。中谷芙二子さんによる「霧の彫刻」が常設展示されます。

- 八戸市新美術館

開館日：2021年夏秋頃
八戸市美術館がリニューアル。市民やアーティスト、スタッフなど、様々な人たちが活動を展開する姿が可視化される「ジャイアントルーム」という空間を持つことを特徴とする新美術館美術館になる様子です。

＜芸術祭　(8展)＞

-房総里山芸術祭いちはらアート×ミックス2020+ (千葉県)

会期：2021年3月20日(土・祝)〜5月16日(日)
市原市の里山や閉校した学校、小湊鉄道の駅舎などを舞台に、世界各国のアーティストによるアート作品を展開する芸術祭。2020年の開催予定から延期されたもの。
総合ディレクター：北川フラム（アートディレクター）

- 北九州未来創造芸術祭 ART for SDGs (福岡県)

会期：2021年4月29日〜5月9日
今回が初めての開催となる芸術祭。廃材を使ったアート、自然や医療につながるアート、多様性社会を表現するアート、最先端のテクノロジーを用いたアートなど、これまでにない独自の芸術祭を構成します。
ディレクター：南條史生

- 東京ビエンナーレ 2020/2021 (東京都)

会期：2021年7月～9月　※会期は変更になる場合があります。
東京・北東エリアを舞台に展開する今回が初開催となる国際芸術祭。2020年開催予定だったものが延期されたもの。都内約100ヶ所が会場となる予定。
総合ディレクター：中村政人、小池一子

- 大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2021（新潟県）

会期：2021年7月下旬～2021年9月中旬
3年に一度開催される世界最大級のアートフェスティバル。アーティスト、地域住民、サポーターが協働で制作するアート作品が、空家やかつての校舎、里山の自然の中に展開されます。
総合ディレクター：北川フラム

- 北アルプス国際芸術祭 2020-2021（長野県）

会期： 2021年8月21日(土)～10月10日(日)
2020年から延期となった第2回展を2021年に開催予定。アジア、ヨーロッパの国々に加え、中南米やアフリカなどから14の国と地域から41組のアーティストを、またビジュアルディレクターに皆川明さんをお迎えし、北アルプスの水と人間の営みを明らかにします。
総合ディレクター：北川フラム（アートディレクター）

- 奥能登国際芸術祭2020+（石川県）

会期：2021年9月4日(土)－10月24日(日) 51日間　
2020年9月に予定されていた芸術祭を1年延期。
「大蔵ざらえ」プロジェクトでは、家の蔵に眠った「地域の宝」を使い手の記憶や思い出とともに市内一円から集め、物を主役にした収蔵とアートが共存する、かつてない劇場型博物館が海を見渡せる丘に建つ「旧西部小学校」に誕生します。
総合ディレクター：北川フラム（アートディレクター）

- 中之条ビエンナーレ2021 (群馬県)

会期：2021年9月11日(土)-10月11日(月)
特色のある文化をもつ群馬県中之条町で開催される国際芸術祭です。雄大な山々に囲まれた地形やラムサール条約湿原、温泉郷、養蚕天蚕文化、伝統が受け継がれる民俗行事や祭事など、変化に富んだ地形や気候が美しい里山文化を織りなしています。
総合ディレクター：山重徹夫

- 紀南アートウィーク2021 ─籠もる牟婁ひらく紀南─ (和歌山県）

会期：2021年11月18日～11月28日
総合プロデューサー：藪本雄登
アーティスティック・ディレクター：宮津大輔

＜特に気になる展覧会　(10展)＞

- フランシス・ベーコン　バリー・ジュール・コレクションによる @神奈川県立近代美術館葉山　展示室2-4（神奈川県）

会期：2021年1月9日〜4月11日
ベーコンが生前けっして世に出すことのなかった「秘密」 ―死の直前までこの巨匠がひそかに手元に残した初期絵画作品や素描、資料など約130点を日本で初公開します。
なお、今年は松濤美術館でも「フランシス・ベーコン・ドローイング展」(2021年 4月～ 6月(予定))を予定。

- 平成美術：うたかたと瓦礫デブリ 1989–2019　＠京都市京セラ美術館・新館東山キューブ（京都府）【予約優先】

会期：2021年1月23日（土）～4月11日（日）
美術評論家の椹木野衣を企画・監修に迎え、独自の視点で選定したアーティストたちによる集合的活動にフォーカスした平成年間（1989–2019年）の美術を振り返る展覧会を開催します。

- 3.11とアーティスト：10年目の想像 @水戸芸術館（茨城県）

会期：2021年2月20日（土）～5月9日（日）
2021年3月、東日本大震災から10年目を迎えます。本展では「想像力の喚起」という芸術の本質に改めて着目し、東日本大震災がもはや「過去」となりつつある今、あの厄災と私たちをつなぎ直し、あのとき幼かった世代へ、10年目の私たちへ、そして後世へと語り継ごうとする作品群を紹介します。

- ライゾマティクス_マルティプレックス @東京都現代美術館（東京都）

会期：2021年3月20日（土・祝）－ 6月20日（日）
本展では、美術館における初の大規模個展として、彼らが展開してきた領域横断的なクリエイションを展望するとともに、「現在」とクリティカルにシンクロする新作プロジェクトが展示されます。

- 生誕150年記念モンドリアン展純粋な絵画をもとめて @ＳＯＭＰＯ美術館（東京都）

会期：2021年3月23日（火）- 6月6日（日）
モンドリアン（1872-1944）の生誕150年を記念し、オランダのハーグ市立美術館所蔵の作品50点、及び国内外美術館から借用する作品と関連作家作品約20点を展示します。日本では23年ぶりの開催です。

- 隈研吾展　新しい公共性をつくるためのネコの5原則 @東京国立近代美術館（※ 高知・長崎・東京を巡回予定）

会期：2021年6月18日(金)〜9月26日(日)
本展は、隈研吾の建築を「孔」「粒子」「やわらかい」「斜め」「時間」という5原則に分類した上で、模型や写真、そして隈自身による解説で紹介します。また、瀧本幹也や藤井光など国内外のアーティストによる、隈建築の魅力をさまざまな角度からとらえた映像作品も制作。

- 加藤翼個展　＠東京オペラシティアートギャラリー（東京都）

会期：2021年7月17日〜9月20日
人々が知恵を出し合い、ロープと人力だけで巨大な構造体を引き倒したり、引き起こす〈Pull and Raise〉シリーズで知られる加藤翼（1984- ）。
自然災害、都市開発、環境破壊などで地域のコミュニティが解体の危機に瀕するなか、人々が自発的に参画し、一体となって何かを実践することの意義を提示します。

- Chim↑Pom展（仮題） @森美術館（東京都）

会期：2021年10月21日（木）～ 2022年1月30日（日）
本展は、Chim↑Pomの初期から近年までの代表作と本展のための新作を一堂に集めて紹介し、結成16周年を迎える彼らの活動の全貌を展覧会という形式で検証する世界初の試みとなります。

- ミニマル／コンセプチュアルコンラート・フィッシャーと1960-70年代美術（仮称）　＠DIC川村記念美術館（千葉県）

会期：2021年秋開催予定
本展ではフィッシャー夫妻のコレクションを所蔵するノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館の全面的な協力を得て、1960年代から70年代のアメリカ及びヨーロッパのミニマル・アート、コンセプチュアル・アートを中心に、国内初公開作品を含む約100点の作品や資料を展覧します。

- 福田美蘭展（仮）　＠千葉市美術館（千葉県）