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揺らぐ光の美しい美術館 ー佐川美術館(滋賀県守山市)

 美術館の敷地に入ると、スケールの大きさに思わず足が止まります。

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 琵琶湖大橋のほど近くにある佐川美術館。佐川急便の創立40周年を記念して1998年に開館した私立美術館です。設計・施工は竹中工務店。

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 ぐるりと巨大な池に囲まれて、水辺に浮かんだように見える本館は、切妻造の巨大な屋根をもち、神社のような荘厳な雰囲気を感じさせます。

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 池の外側を通り、建物の周りをぐるりと回ってみると、本館の奥には。やはり水に浮かぶ茶室が。この茶室とその地下に展示室を構えるのは、2007年竣工の樂吉左衞門館。こちらは、樂氏自らが設計の創案を行ったものとのこと。

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 本館周辺の池は人為的に絶え間なくさざ波が作られていたのに対し。こちらの茶室のまわりの水面はとても静かで、静と動のコントラストがつくられているようです。(茶室の見学は事前予約制で、ガイドツアーによる案内のようです。)

 さて、本館に入っていきます。入り口までの長い長いアプローチは、建築と風景を楽しむための工夫でしょうか。

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 3棟の建物間を結ぶ通路はガラス張りになっていて、日の入り方によっては水に反射した光がゆらゆらと差し込んできます。

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 特に印象的だったのは、本館と樂吉左衞門館を結ぶ通路から樂吉左衞門館へ入っていくアプローチ。水面の反射で光に溢れた廊下から、ぐっと照明の落とされた地下の展示室に入っていくと、なんだか神聖な場所に入っていくような気分になります。

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 樂吉左衞門館は撮影NGですが、焼杉のような黒い壁面と木の床、暗い展示室の天井から、地上の池の水面で揺らいだ太陽光が入り込む幻想的な空間でした。

 私が訪れたときには、「吉左衞門X 深見陶治×十五代吉左衞門・樂直入」を開催中でした。個人的に”焼き物って難しそう…”と思っていたのですが、暗く静かな空間の中ですっと際立つ白い深見陶治の青白磁の見せ方はとても印象的でした。

吉左衞門X

 このほか、日本画家の平山郁夫氏、彫刻家の佐藤忠良氏、陶芸家の樂吉左衞門氏の3名の作品を常設展示しているのとともに、企画展も開催。
展示室も広く、充実しているので、全部ちゃんと見ていくのには3時間程度は必要そうです。

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 作品だけでなく建築も見ごたえがある美術館でした。

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■佐川美術館(滋賀県守山市)

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開館時間:9時30分~17時(最終入館は16時30分迄)
休館日:毎週月曜日(祝日に当たる場合はその翌日)・年末年始
入館料:常設展 一般 ¥1,000 高校生・大学生 ¥600
* 専門学校・専修学校は大学に準じて適用します。
* 中学生以下は無料(保護者のご同伴をお願いいたします)。
* 障害者手帳提示でご本人様と付添者1名まで無料。


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