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お弁当も、家紋も、回転寿司も…?!身近にある「デザイン」を体感! ーデザインあ展 in TOYAMA @富山県美術館

 「デザインあ」という番組、ご存知ですか?

 Eテレで土曜日の朝7時から放送されている、こども向けの15分間のデザイン番組ですが、さまざまなアーティストやデザイナーがコーナーを担当していて、大人がみても引き込まれる番組なんです!

 その「デザインあ」の展覧会が5年ぶりに開催されるということで、東京の巡回展まで待てず、富山展に行ってきました!
(一部をのぞき撮影可能でした。会場で確認したところ、動画も撮影可能でした。)

 デザインあ展 in TOYAMA @富山県美術館

 展覧会は3つの「部屋」から構成されています。

■観察の部屋

 まずはじめにあるのは、身近なモノを扱った《観察の部屋》

 お弁当や、容器、マークなど、日常に目にするものを扱っているので親しみやすく、でも、普段とは違った見え方になるのが面白い展示室です。

 例えば、plaplax + パンタグラフの「いれもの二十面相」は、醤油差しや目薬といった身近な入れ物をつかったゾートロープ。同じ機能の容器なのに、色や形がちょっとずつ違う。そんな違いがパラパラ漫画のように目の前で変化していくのが面白いです。

(「いれもの二十面相」 / plaplax + パンタグラフ)

 パーフェクトロンの「つめられたもの」は、幕内弁当やますのすしなど、4つのお弁当の食材と、それがどんな風に詰められているのかが比較されています。幕内弁当の豪華さと、ますのすしのシンプルさの差がすごい!お弁当の形や素材も中身も、目的によって全然変わってくるし、それぞれに違った魅力があるのにも気づきます。

(「つめられたもの」 / パーフェクトロン)

 番組内のコーナーの体験型展示も。
「デッサンあ」は、ななみちゃんのぬいぐるみをぐるりと取り囲み、みんなでデッサン。描いた絵はスキャンして、プロジェクターで映し出されます。同じものを見ても、観る角度が違ったり、違う人が描いたりすると、目につくものが変わりますね。

(「デッサンあ」 / 阿部洋介
「富山の薬売り」の格好のななみちゃんも可愛い!)

 そして今回とても楽しかった体験展示が、こちらの「もんどころ」

 ワークシートを使って、梅・瓢・三つ巴・雁金の4つの「もん」を描く体験ができちゃいます。この「もん」、自然の中の生き物や文様をすべてコンパスで描いてしまうので、番組で見てても、すごい…!って思うのですが、実際自分で書いてみると、「この円をこの部分に使っていたのか!」とか「こんな細かいパーツも弧で描いているのか!」とか、実感できます。

(「もんどころ」 / 佐藤卓デザイン事務所+NHKエデュケーショナル)

■体感の部屋

 「デザインあ」の中のコーネリアスによる番組オリジナルソングが”体感”できるのがこの《体感の部屋》

 「「あ」のテーマ」「解散!」「森羅万象」「ガマンぎりぎりライン」の4つのうたと、そのうたにあわせた360度の映像プロジェクションで、素敵な曲と映像に包まれます!(幸せ!!)

 「森羅万象」という歌は、先ほどの「もんどころ」で描いたような「もん」を扱った歌なのですが、ひとつの「もん」を描くための大量の円が、自分で体験したあとだと余計に圧倒されます…

 中村勇吾さんの「「あ」のテーマ」。ユニークな動きの「あ」の映像が魅力的です。

 岡崎智弘さんの「解散」は、通常の番組以上に”解散”しています!!

■概念の部屋

 最後は、「時間」や「空間」、「仕組み」といった、形のない”概念のデザイン”(?!)を扱った《概念の部屋》

 パーフェクトロン「しくみの観察」は、例えば「料理をする」と「創作する」という違った作業の中にも、同じ動きが含まれているのを、美しい映像で見せてくれる作品です。

(「しくみの観察」 / パーフェクトロン)

 また、パーフェクトロン+柴田大平「しくみ寿司」は、「回転寿し」のほか、「偶然寿し」「信号寿し」「歯車寿し」「分岐寿し」と、ほかの”しくみ”でお寿司屋さんをやってみると…というアニメーション。本来はうまく区回っている”しくみ”でも、お寿司屋さんに当てはめて見るとなんだかおかしなことに!ツッコミをいれてしまうのと同時に、「ここを少し変えれば、新しいお寿司屋さんとして成立するかな?」なんてことにも思いを巡らせてしまいます。

(「しくみ寿司」 /  パーフェクトロン+柴田大平)

 展覧会の最後には、「あ」にもなれるコーナーもありますよ〜

 5年前に21_21DESIGN SIGHTで開催された「デザインあ展」よりも大幅に拡大し、充実の展示でした!

(5年前の展示作品の一部も!)

 番組の中のコーナーそのもの展示は少なく、でもその世界観にどっぷりと浸かれ、大人もこどもも楽しめる展示でした!

 「デザインあ展 in TOYAMA」は、2018年5月20日(日)まで。
そのあと、「デザインあ展 in TOKYO」は、お台場の日本科学未来館で2018年7月19日(木)からはじまります。混雑必至なので、ぜひお早めに。

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■デザインあ展 in TOYAMA @富山県美術館

会期:2018年3月21日(水・祝)~5月20日(日)
時間:9:30~18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:水曜(ただし3月22日、4月30日、5月2日、5月4日、5月6日、5月9日は開館)
料金:一般1,300円 大学生950円

■デザインあ展 in TOKYO @日本科学未来館

会期:2018年7月19日(木)~10月18日(木)
時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:火曜(ただし7月、8月は開館)
料金:大人1,600円 小学生~18歳以下1,000円 3歳~小学生未満500円

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