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2020年 日本全国の 気になる展覧会 & アートトピック

 2020年に新しく開館する美術館や、開催される芸術祭、注目の展覧会など、日本全国のアート関連のトピックをまとめました。(各トピックごとに、開催順に記載しています。)今年1年の遠征計画などのご参考にどうぞ。

(※ topの写真は、今年東京都現代美術館で個展が開催される、オラファー・エリアソンの《Green light―アーティスティック・ワークショップ》。写真は3年前のヨコハマトリエンナーレ2017のときの様子です。ヨコハマトリエンナーレ2020も今年開催されます。)

※ 2020.6.3 緊急事態宣言が明けたので、会期など修正しました。
※ 2020.7.26 延期・中止などの情報を更新しました。

<新規開館・リニューアル (5館)> 

アーティゾン美術館(旧ブリジストン美術館) 

 2015年から休館していた旧ブリジストン美術館が、「アーティゾン美術館」としてリニューアルオープン。オープニング展示は「見えてくる光景 コレクションの現在地」(会期:2020年1月18日(土) — 3月31日(火))。古代から21世紀までにわたる約2,800点のコレクションから、206点を展示予定。入館は日時指定制

京都市京セラ美術館(旧京都市美術館)

 旧京都市美術館が、京都市京セラ美術館としてリニューアル。現存する日本の公立美術館の中でもっとも古い建築であった帝冠様式の本館は、建築家青木淳氏・西澤徹夫氏により大規模リノベーション。新館長も青木淳氏となる。オープニング展示は「杉本博司 瑠璃の浄土」(会期:2020年3月21日-2020年6月14日)。このほか、「鬼頭健吾スペシャル・インスタレーション」(2020年3月21日-2020年5月31日)も行われる。 ※会期変更

※ 5月26日(火)より、京都府民限定・事前予約・定員制にて開館。6月19日からは来館者限定を解除予定。

弘前れんが倉庫美術館

 明治・大正期に建設され、近代産業遺産として弘前の風景を形作ってきた吉野町煉瓦倉庫を改修し、美術館として再生。設計デザインは建築家・田根剛氏。オープニング展示は「Thank You Memory – 醸造から創造へ –(仮)」(会期:2020年4月11日(土) – 8月31日(月))
(参加作家:イン・シウジェン、ジャン=ミシェル・オトニエル、笹本晃、畠山直哉、藤井光、奈良美智、ナウィン・ラワンチャイクン、潘逸舟[弘前エクスチェンジ])

 ※ 6月1日(月)より、市民限定・事前予約制でオープン。6/17からは、対象を青森県民に拡大。

SOMPO美術館(旧東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館)

 日本初の高層階美術館として、1976年に開館した東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館が、損保ジャパン日本興亜本社ビル敷地内に建築中の新たな美術館棟に移転し、「SOMPO美術館」としてリニューアル。オープニング展示は、「開館記念展I 珠玉のコレクション一いのちの輝き・つくる喜び」(会期:2020.07.10(金)- 09.04(金))
※当初予定は5月開館予定でしたが延期となりました。

国立工芸館(東京国立近代美術館工芸館)

 国立近代美術館工芸館が東京から金沢に移転し、国立工芸館としてオープン予定。国の登録有形文化財である旧陸軍の第九師団司令部庁舎と金沢偕行社の移築・活用を予定している。作品の展示や収蔵に必要な環境を整えるための準備期間を経て、2020年の東京オリンピック開催前のオープンを目指している。

※2020年10月25日より一般公開スタート予定(2020.08.05更新)

 このほか、東京都立川市の複合文化施設「PLAY! 」tupera tupera「かおてん」(会期:2020年4月〜9月))のオープンや、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(リニューアルオープンは2020年4月18日12時)、サントリー美術館(2020年5月13日オープン予定)、千葉市美術館(2020年7月オープン予定)
のリニューアルオープンなどが予定されている。

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<閉館 (1館)>

原美術館 ※閉館は2021 年 1 月に延期となりました。

建物の老朽化等を理由に2021 年 1 月「原美術館」を閉館(当初予定の2020年12月から延期)閉館後は、「ハラ ミュージアム アーク」の館名を「原美術館 ARC(アーク)」と改め、「原美術館 ARC」 を唯一無二の拠点とする。ラストとなる展覧会は、コレクションによる「光―呼吸 時をすくう 5 人」(会期:2020年9月19日[土]―2021 年1月11日[月祝] )を予定。

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<芸術祭 (5展)> 

- 北アルプス国際芸術祭2020  ※会期延期、延期後の会期は未定※

会期:2020年5月31日(日)〜7月19日(日) ※会期延期予定※
 2017年に初開催され、今回2回目の開催となる「北アルプス国際芸術祭」。総合ディレクターは北川 フラム、ビジュアル・ディレクターは皆川 明。目、淺井裕介、宮永愛子ら35組が参加。

- ヨコハマトリエンナーレ2020「Afterglow―光の破片をつかまえる」

会期:2020年7月17日(金)~10月11日(日) ※会期変更 開幕決定! 
 2001年にスタートし、まもなく20年の節目を迎える芸術祭。7回目を迎える今回は、インドのニューデリーを拠点とするアーティスト3名によるラクス・メディア・コレクティヴをアーティスティック・ディレクターに迎え、「テーマ」から展覧会を構想するのではなく、オープンな複数の「ソース」を出発点とする方法で展示を構成する。

- ひろしまトリエンナーレ2020 in BINGO ※ 中止が決定しました 4/10 ※

会期:2020年9月12日(土)〜11月15日(日) ※ 中止が決定しました ※
 三原市・尾道市・福山市の3エリアを会場に、今年初めて開催される芸術祭。総合ディレクターはアート・マネジメント・しまなみ代表でアートコレクターとしても知られる中尾浩治。

- 札幌国際芸術祭2020 「Of Roots and Clouds:ここで生きようとする」 ※中止が決定しました 7/22※

会期:2020年12月19日(土)~2021年2月14日(日)
 2014年に初開催し、今年で3回目となる芸術祭。今年は初めて冬季に開催。ディレクターは、企画ディレクター(現代アート担当)/統括ディレクター・天野 太郎、企画ディレクター(メディアアート担当)・アグニエシュカ・クビツカ=ジェドシェツカ、コミュニケーションデザインディレクター・田村 かのこの3名。

- 東京ビエンナーレ ※名称を名称を「東京ビエンナーレ2020/2021」に変更。コア会期を2021年夏に延期※

 今年初開催を予定している芸術祭。総合ディレクターは中村政人と小池一子。芸術祭。東京大学安田講堂、泰明小学校、湯島天満宮、ワテラス、学士会館、毎日新聞社、日枝神社、コレド日本橋など都内約100ヶ所が会場となる予定。
※2021年夏に延期予定※

 このほか、2020年には、さいたま国際芸術祭2020 「 花 / flower 」(会期:2020年3月14日(土)-5月17日(日) ※開催延期・会期未定)、房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020 「房総の里山から世界を覗く」(会期:※ 2021年3月20日(土)~5月16日(日)に延期決定)、清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2020(会期:2020年6月2日(火)~7月5日(日)に会期変更)、BIWAKOビエンナーレ2020 “森羅万象~COSMIC DANCE”(会期:2020年9月12日(土)~ 2020年11月8日(日)) なども開催予定。

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<気になる展覧会 (現代アート・10展)> 

- 開かれた可能性——ノンリニアな未来の想像と創造 @ICC

会期:2020年1月11日(土)—3月1日(日)
 日本と東南アジア各国のアーティストによる、デジタル・テクノロジーを用いたメディア・アートをはじめとした多様な表現を紹介する展覧会。シンガポールと東京を巡回する。東京展では、特別展示としてインドネシア出身であり、同地を代表するアーティストの一人であるヘリ・ドノによるICCコレクション作品《ガムラン・オブ・飲むニケーション》が修復・再展示される。

- 森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私 @原美術館

当初予定会期:2020年1月25日[土]‐4月12日[日]
※2020年7月12日〔日〕まで会期を延長

 名画や映画の登場人物あるいは歴史上の人物に自らが扮するセルフポートレイト作品で知られる森村泰昌による個展。本展では、自らが脚本を手がけ自演する映像作品「エゴオブスクラ」と、この映像を用いて会期中開催される作家自身によるレクチャーパフォーマンスを通じて、作家は日本近現代史、文化史に言及します。

- ピーター・ドイグ展 @東京国立近代美術館

当初予定会期:2020年2月26日(水)~6月14日(日)
※2020年6月12日[金]再開。10月25日[日]まで会期延長!

 イギリスを代表するアーティストであり、世界的に活躍するピーター・ドイグの初期作から最新作までを紹介する日本初個展。会期中には、ピータ・ドイグが来日。作家本人による貴重なトークイベントも開催されます。

- オラファー・エリアソン @東京都現代美術館

当初予定会期:2020年03月14日(土)〜6月14日(日)
※6月9日(火)再開予定。9月27日(日)まで会期延長!

 光や水、霧などの自然現象を自在に変容させ、見る者に新しい知覚体験を与える作品で世界的に高く評価されているオラファー・エリアソンの個展。本展では「エコロジー」をテーマに、自然を再構築したインスタレーションや彼のルーツであるアイスランドの風景写真から近年の建築やデザインのプロジェクトまで、環境や社会に対するアートの多面的な可能性を探求し続けるエリアソンの試みを紹介。

- バンクシー展 天才か反逆者か @横浜アソビル 

会期:2020年3月15日(日)〜9月27日(日) 
※5/30(土)から再開!

- BANKSY展(仮称) @寺田倉庫 G1ビル ※2021年夏に延期※

※2021年夏に延期することが決定しました。
(当初予定会期:2020年8月29日(土)~12月6日(日))
 イギリスを拠点に活動する匿名の芸術家・バンクシーの個展。いずれの展示もバンクシー本人のwebサイトにて「FAKE」とされた展示の巡回展のようで 非公認の様子だが、コレクター所有作品を借り受けた展示の様子。

- 第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 Cosmo-Eggs | 宇宙の卵 @アーティゾン美術館

当初予定会期:2020年4月18 日 (土)~6月21日 (日)
※ 6月23日[火] 再開予定。 10月25日[日]まで会期延長!

 2019年に開催された第58回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展の日本館の帰国展。日本館では、キュレーター服部浩之のもと下道基行(美術家)、安野太郎(作曲家)、石倉敏明(人類学者)、能作文徳(建築家)という異なる専門分野で活躍する4名のアーティストによる作品展示が行われた。この展示を再構成して展示する。

- アーツトワダ10周年記念展「インター + プレイ」 @十和田市現代美術

※会期が変更になりました:2020年7月23日(木) - 2021年8月29日(日)
(当初予定会期:2020年4月18日(土) - 2021年5月30日(日))
 十和田市のシンボルロードである官庁街通りをひとつまるごと「美術館」に見立てた“アーツトワダ”が、完成から10周年を迎えることを記念しての展示。アーツトワダの姿勢を体現するものとして、一年を通し3期に分けて内容を変えつつ開催される。
 アーティスト:鈴木 康広、目【Mé】、津田 道子、evala、松原 慈、水尻 自子、青木 千絵、野村 誠(問題行動トリオ)、佐久間 新(問題行動トリオ)、砂連尾 理(問題行動トリオ)

- STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ @森美術館

※会期が変更になりました:2020年7月31日(金)~ 2021年1月3日(日)
(当初予定会期:2020年4月23日(木)~9月6日(日))
 日本という枠を越えて広く国際的に活躍し、今日、多様な地域や世代から高い評価を得るアーティスト6名の軌跡を初期作品と最新作を中心に紹介。また、1950年代から今日まで、海外で開催された主要な日本現代美術展に関する資料も展示し、それぞれの時代の評価軸や系譜を検証する。
 出展アーティスト:草間彌生、李禹煥(リ・ウファン)、宮島達男、村上 隆、奈良美智、杉本博司

- メルセデス・ベンツ アート・スコープ 2018-2020 @原美術館

※会期が変更になりました:2020年7月23日[木祝]-9月6日[日]
(当初予定会期:2020年6月 - 9月(予定))
 日本とドイツの間でアーティストを派遣・招聘し、アーティスト・イン・レジデンス活動を通じて交流を図る「メルセデス・ベンツ アート・スコープ」。今回は、久門剛史(2018年にベルリンに滞在)、ハリス・エパミノンダ(2019年にが東京に滞在)の2名に加え、過去の「アート・スコープ」参加作家のなかから、小泉明郎(2010年にベルリンに滞在)を迎えた3名の展示を行う。

- Nissan Art Award 2020 @ニッサン パビリオン

※会期が変更になりました:2020年8月1日(土)~ 9月22日(火・祝)
(当初予定会期:2020年7月~)
 才能ある日本のアーティストをグローバルな視点で選抜し、海外のアートシーンでプレゼンスを高めることを後押しすると共に、日本現代美術の軌跡を後世に残し、人々がアートに親しむ社会作りを目的に開催される現代美術のアワード。
 2020年のファイナリストは潘 逸舟、風間 サチコ、三原 聡一郎、土屋 信子、和田 永の5名。2020年7月に開催される展覧会では、各ファイナリストの新作を含む作品が展示される。


<気になる展覧会 (追記)> 

 年始にこのnoteを書いた際に気づいていなかったけれど、面白そうな展示があったので追記していきます。

久門 剛史 − らせんの練習 @豊田市美術館

当初予定会期:2020年3月20日〜2020年6月21日
*会期終了を9/22[火・祝]に延長しました。ただし、6/22[月]-7/17[金]は全館休館します。

 「メルセデス・ベンツ アート・スコープ2018-2020」での展示も予定されている久門 剛史による国内初の大規模な個展。豊田市美術館の4つの展示室からなる延べ約1,000㎡の個性的な空間を使い、それぞれの場に呼応する新作インスタレーションを展開する。

太田の美術vol.3「2020年のさざえ堂——現代の螺旋と100枚の絵」 @太田市美術館・図書館

当初予定会期:2020年2月6日(木)~5月10日(日)
江戸時代後期、関東以北で建てられ、現在では数少ない事例として群馬県太田市・曹源寺に現存する螺旋構造の仏堂——通称「さざえ堂」。螺旋構造の美術館内で展開する、「さざえ堂」と「螺旋」を現代の視点からとらえ直す、絵画・音+映像・インスタレーション。
出品作家:高橋大輔、蓮沼執太、三瀬夏之介、持田敦子

エキソニモ UN-DEAD-LINK アン・デッド・リンク @東京都写真美術館

会期:2020年8月18日(火)~10月11日(日)
1990年代から一般に普及し始めたインターネットをいち早く素材として扱い、ユーモアのある切り口と新しい視点を備えた作品で、ネットアートを軸足に、メディアアートの領域を牽引してきたエキソニモ(千房けん輔と赤岩やえ)。本展ではニューヨークを拠点に活動する、エキソニモの初期から現在までの代表作を含む作品を再構成し、東京都写真美術館所蔵のコレクションを含み、新たな切り口からエキソニモの魅力に迫ります。

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気になる展示は見つかりましたか?
2020年も素敵な作品と出会えますように。

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