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[10/16更新]新型コロナウイルスの感染拡大に伴う事業の影響に関して

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が拡大していることを受けて、PLASでは、4月より<新型コロナウイルス>アフリカ緊急支援 「生きる」ために食糧と手洗いを届けたいを始めました。多くの方にご支援頂き、ウガンダ・ケニアにいる子どもとその家族に食糧と石鹸を届けることができました。ありがとうございます。

世界的に新型コロナウィルス感染が拡大する中で、アフリカにおいても感染が拡大し、多くの人の生活に影響が出ています。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う事業の影響に関して最新の情報をご報告いたします。

新型コロナウイルスの感染状況と生活への影響
感染状況
ケニアの感染数:42,541名、死亡数:797名(2020年10月16日時点、WHO発表)
https://www.who.int/countries/ken/

ウガンダの感染数:10,069名、死亡数:95名(2020年10月16日時点、WHO発表)
https://www.who.int/countries/uga/

新型コロナウイルスの生活への影響
2020年7月上旬から、徐々に東アフリカ各国で規制緩和が行われました。ケニアでは首都・ナイロビを中心とした一部ロックダウンが解除され、ウガンダでも交通機関(ミニバスやバイクタクシー)を使った移動できるようになり、夜間外出禁止は続いていますが、ロックダウンの時間は短くなっています。

また、これらの規制緩和にともない、ウガンダ・ケニアでは新型コロナウイルス感染症の感染者数の増加が確認されていますが、陽性率については下がってきています。

子どもたちの就学の状況については、わたしたちが支援する子どもたちの通う学校も含めて、すべての学校が3月以降閉鎖されていました。しかし、10月に入り学校を再開するための準備が始まっています。

ロックダウンや規制緩和はされたものの、生活の影響は依然として以下のようなものがあります。

小売りの仕事が出来ず、収入がなくなる
食糧の値段高騰(野菜が1.5倍~2倍になっているものも)
交通手段の値段高騰(搭乗数に制限があり、倍額)
子どもが学校に通えない
新型コロナウイルス感染症に対する正しい知識が得られない


現地パートナーNGOと行う事業実施にも一部影響が出ており、事業が中断、遅延しています。現在、海外事業マネージャーは日本に帰国しており、PLAS職員は現地におりません。

事業の中断や遅れは、わたしたちPLASにとっても、そして何より受益者の方々にとっても苦しく悔しいことです。ですが、受益者や現地団体スタッフ、そして活動している地域社会の安全と安心を最優先し、事業を臨機応変に継続していきます。

現時点での各事業の状況と、同事業の受益者への緊急支援の実施状況は下記のようになっています。

ウガンダ事業への影響
HIV陽性者のアドヒアランス向上支援(PATH+事業)
<事業の状況>

遅延していた事業開始ですが、2020年7月より開始することができました。8月には事業の対象であるHIV陽性者グループのメンバーに農業研修を行いました。また、ヘルスセンターが講師を呼び、街の中心街から離れた村々に住むHIV陽性者150名超に、COVID-19予防対策について啓発を行いました。

<緊急支援の状況>

6月、HIV陽性者4グループ140名に食糧と石鹸の配布。

10月、HIV陽性者4グループ140名に食糧と石鹸の配布。

HIV陽性シングルマザーのカフェ収入向上を通じたエイズ孤児支援事業(CAFE事業)
<事業の状況>

HIV陽性のシングルマザーにより運営されるカフェは飲食店であり、ロックダウン中も、政府からの営業停止命令は出ていないため、営業していましたが、カフェへの客足が途絶えていました。9月ころから少しずつ売上が戻ってきています。

<緊急支援の状況>

5月、カフェを運営しているシングルマザー14世帯に食糧と石鹸を配布。

8月、カフェを運営しているシングルマザー14世帯に食糧と石鹸を配布。

また緊急支援の一環として、緊急支援食糧パッケージにこちらのカフェのドーナツを入れています。カフェの経営するシングルマザーに生産してもらったドーナッツをPLASが買い上げ、緊急支援食糧として配布しています。こちらで得た利益で、通常ビジネスで必要な材料を購入できるようになっています。

HIV陽性ユースに対する生活向上のための技術訓練事業(BRIGHT事業)
<事業の状況>

HIV陽性ユースはグループでヘアドレッシングとスナック販売を中心としたビジネスを始めていましたが、政府からの営業停止命令により、3月末から7月上旬まで店舗を開くことができませんでした。7月上旬より、主なビジネスであるヘアドレッシングのサービスが提供が許可されたため、ビジネスを再開しています。10サイトあるうちの3,4サイトは安定した売上を取り戻していますが、経済停滞により、客足が途絶えているサイトもあります。

<緊急支援の状況>

5月、HIV陽性ユース33世帯に食糧と石鹸を配布。

8月、HIV陽性ユース33世帯に食糧と石鹸を配布。

HIV陽性者家庭の生計向上・栄養改善のための在来種野菜栽培支援(SHINE事業)
<事業の状況>

HIV陽性グループによる農業活動は、全5サイトで実施できるようになりました。8月に水タンクを購入し、設置しました。水道や井戸のない地域であるため、雨水を水タンクに貯めることにより、生活水・農業水を得ることができるようになりました。

<緊急支援の状況>

6月、HIV陽性者50世帯に食糧と石鹸を配布。

10月、HIV陽性者50世帯に食糧と石鹸を配布予定。

ケニア事業への影響
持続可能な生計のためのシングル家庭の農業強化事業(FRESH事業)
<事業の状況>

政府の規制緩和により集会が開けるようになったため、感染予防策を取りながら、9月に家畜研修を行いました。予定通り本事業については9月で終了いたしました。

<緊急支援の状況>

4月、脆弱な環境にある90家庭に食糧と石鹸を配布。また、14箇所の村長事務所に手洗い場を設置し、啓発活動を実施。

8月、脆弱な環境にある90家庭に食糧と石鹸を配布。

エイズ孤児を抱える貧困家庭の生計向上とキャリアプランニング支援事業(JICA草の根技術協力事業)
海外事業マネージャーが現地へ渡航できないため、事業により支援をする人たちの選定を延期しています。日本と現地でそれぞれに、カウンセラー育成研修マニュアル調査やカウンセラーモジュールの見直し作業、受益者選定の基準設定ワークショップの準備をすすめています。10月はCOVID-19対策活動を追加で行う予定となっており、学校やヘルスセンターに手洗い場の設置とマスクや体温計の配布、予防啓発活動を行う予定です。

新型コロナウイルスの感染拡大により混乱が起きていますが、いち早く収束して、安心できる生活を取り戻せることを願っています。

ご支援、応援くださっているみなさんには、心より感謝申し上げます。現在の状況をご理解いただき、引き続き応援いただけますと幸いです。

また、アフリカ緊急支援を必要としている人がまだまだたくさんいらっしゃいます。ぜひ、緊急支援にご支援、ご協力の程どうぞよろしくお願いいたします。


いただいたご支援(サポート)は、PLASの活動を通じてケニアとウガンダのエイズ孤児支援のために使わせていただきます。