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「アフリカの真珠」と呼ばれる国を訪れて |ウガンダ出張レポート

こんにちは、事務局長の小島です。
2月から3週間ほどウガンダに出張で滞在しています。
実は、ウガンダを訪れるのは7年ぶり(!)で、出発前は久しぶりの現地出張にドキドキわくわくしていました。

そして、今回は13歳の息子を連れて、PLASで初めてとなる子連れ出張でした。
もちろん、息子の渡航に関わるすべての費用と責任は私が持ちますが、親子でアフリカに行くことが感慨深かったです。

この記事では、久しぶりのウガンダ出張で感じたこと、息子の姿を通した現地の様子をお伝えします。

初めてのアフリカにすっと馴染んていった息子


お母さんたちのしなやかなレジリエンス


PLASの活動の主軸は、シングルマザー家庭の生計向上支援と親子へのライフプランニング支援。
これらのプログラムを通して、「取り残された子どもたちが前向きに生きられる社会」を目指しています。

今回の出張のミッションはこちら。

  • 野菜の栽培・販売による生計向上支援の研修を実施

  • プロジェクト前後の変化を測る調査

  • プロジェクトの進捗をチェックするモニタリング

  • 水タンクや農機具を届ける

場所は、首都カンパラから車で3時間ほど離れた農村です。
2年間のプログラムを卒業するお母さんたちと、新たにこれから参加するお母さんたちの計40名と過ごしました。

動画は新たな農機具を手にしたお母さんたちの様子。みんな、満面の笑みです。
みなさんの多くが、夫やパートナーを死別や離別でなくし、ひとりで子育てをしています。
そして、彼女たちはHIVと共に生きています。薬を飲みながら、ときには体調不良を受け入れながら。

そんな状況を想像すると、過酷な日々のようですが、一緒に過ごすなかで感じたのは彼女たちのレジリエンスでした。
レジリエンスとは、辛い経験を経た人が、自ら回復していく力を指します。

PLASとパートナー団体の事業に参加したことで、あるお母さんはこんなことを話してくれました。

「事業に参加する前は、貯金もなくご飯は一日1食か2食でした。HIV陽性というだけで周りから蔑まされて辛かったけれど、事業に参加して、収入と農業・栄養の知識、そして同じ境遇を生きる仲間を得ることができました。いま、わたしは自分に誇りをもっています」

彼女は、子どもたちの学費もまかなうことができるようになったとのこと。

事業がきっかけとなり、自分に誇りを持ち、自信を取り戻していくたくさんの姿を出張を通して目のあたりにし、こうしたお母さんたちの変化が、子どもたちの未来につながるのだと感じました。

事業を卒業するお母さんのひとり。代表のジョイさん(右)と一緒に


パートナー型で事業を行う意義

PLASは現地の人たちが立ち上げたNGOやCBO(Community Based Organization:コミュニティに根ざした自助組織など)と協働で事業を行っています。

そのため、事業の立案から実施、評価までをともに行うことが多々あります。
言葉も価値観も異なる団体が二人三脚で行うのだから、なかなか大変です。
PLASが単体で事業をつくり、現地スタッフを雇用してディレクションを行ったほうがスムーズに活動が進むかもしれません。

農業や栄養の研修を通して、知識を得て実践していく


それでも、あえて現地のパートナー団体と事業を行うのには、理由があります。

  • 現地の智慧と経験、リソースを活かすため

  • 現地にノウハウが定着し、持続可能な活動をともにつくるため


今回の出張では、新たに協働をするパートナー団体「GIBEH(ギバー)」も訪問しました。
設立から数年の若い団体ですが、それぞれのメンバーが脆弱な立場に置かれた女の子たちの支援活動に取り組んでいて、地域の行政やコミュニティリーダーたちと関係を築き、女の子たちの目線に立った活動を続けています。

パートナー団体が持つ現地への深い理解と、PLASが持つ事業づくりの戦略的なノウハウが合わさることで、より効果的でサステナブルな事業がつくられると考えています。

ToC: Theory of Changeの考え方に基づいて中期ビジョンをGIBEHと作る


息子が見つめたウガンダ

息子と一緒にウガンダに飛ぶことになり、「食事は食べられるかな、体調を壊さないかな、英語ぜんぜん話せないけど馴染めるかな・・」とたくさんの不安がありました。

けれども、ふたを開けてみると、あっという間に現地の暮らしに溶け込み、こちらがびっくり。

宿から毎朝、活動場所の農村まで連れて行ってくれるボダボダ(バイクタクシー)のお兄さんと仲良くなり、最終日は折り紙で金メダルを作ってプレゼントしていたり。
農村ではパートナー団体のみなさんに「孫ができたわ!」と大歓迎され、
現地語を覚えては、道行く人たちにあいさつをしては喜ばれたり。


毎朝、赤土の道を風を切って走りました

あるとき、息子が「なんかさ、みんなウガンダ人って感じがしないんだよな」と。
よーく聞いてみると、言葉や見た目は違うけど、それは決定的な違いではなく、何か通じ合うものがあるとのこと。

村を離れるお別れの日、涙をこらえていた息子の姿をみて、言葉や生まれ育った場所の違いをひょいと乗り越えて、誰かを好きになれる感性に胸がちょっぴり熱くなりました。

「アフリカの真珠」と呼ばれるウガンダで出会った人たちは、たくさんの宝物を息子に手渡してくれた気がします。

18年前、私がはじめてウガンダを訪れた日のことを、ひさしぶりに思い出した出張となりました。


最終日。首都カンパラにて


最後に

こうして出張に行くことができるのも、日頃からご支援・応援くださるみなさんがいてこそです。
いつも温かいエールをありがとうございます!

これからもPLASは、取り残された子どもたちが前向きに生きられる社会をみなさんと一緒につくっていきます。

豊かな水をたたえたビクトリア湖と、溢れるばかりの緑に包まれたウガンダ。子どもたちの未来に、真珠の光のような希望が満ちてほしい


最後までお読みいただきありがとうございます。
2024年のPLASは「アフリカのママと子ども992人の未来」を支えることを目標に活動を行ってまいります。
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