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【大学探訪シリーズ】芝浦工業大学 建築学部建築学科、システム理工学部環境システム学科 卒業設計展『Archi Festa 2024』

こんにちは。Mr.SYです。
今回は【大学探訪シリーズ】の第3回として、2024年2月に行われた芝浦工業大学の建築学部建築学科、システム理工学部環境システム学科 卒業設計展 『Archi Festa 2024』のレポートをお送りいたします。


芝浦工業大学の建築学部建築学科、システム 理工学部環境システム学科とは?

芝浦工業大学 建築学部 建築学科(WEBリンク)
芝浦工業大学 システム理工学部 環境システム学科(WEBリンク) 

芝浦工業大学では、建築系の学部が大きく2つに分かれています。
1つは建築学部建築学科です。
以前は工学部の中に建築学科と建築工学科がありましたが、現在は建築学部として独立した学部となりました。
AP (先進的プロジェクトデザインコース)、SA  (空間・建築デザインコース)、UA (都市 ・ 建築デザインコース) の3つのコースがあり、豊洲キャンパスで学んでいます。
そして、もう1つがシステム理工学部の環境システム学科で、こちらは大宮キャンパスで学んでいます。

この2つの学部の建築系学生が集い、学部4年間の集大成として年に一度行われるのが、この卒業設計展『Archi Festa』です!
そしてこの『Archi Festa』は、卒業前の学部4年生自身が企画・運営を行っているのが大きな特徴です。

豊洲キャンパスについて

有楽町線豊洲駅から本展示の会場となる豊洲キャンパスへ向かいます。
豊洲はここ10年程で様々な開発が行われ、街の活気が増しています。
豊洲キャンパスには、既存の研究棟の正面に2022年から本部棟が新設されています。ユニット化されたルーバーを基調とした綺麗な校舎です。

芝浦工業大学豊洲キャンパス本部棟

研究棟の大階段にはフラワーガーデンやキッズパークがあり、中庭にはバスケットボールのゴールが複数ありました。
キャンパス内で小中学生位の子どもたちがバスケットボールで遊んでおり、地域の公園のようになっていたのが印象的でした。

左:研究棟フラワーガーデン、右:研究棟シバウラキッズパーク

本部棟、研究棟、製図室棟は(株)日建設計の設計です。
構内には建築家の坂茂氏設計のカフェ、レストランもあり、建築が好きな方には一般利用部分だけでも刺激になるのではないでしょうか。

本部棟吹抜け
カフェ、レストラン

いざ『Archi Festa 2024』へ 

建築設計を学ぶ学生の有志による出展ですが、総勢60名以上の学生の模型、パネルの展示があり、見応えがあります!

展示会場の様子

受付には、学生達がデザインした展示会ポスターや名刺、投票用紙、投票箱までデザインしており、デザインに統一感があります。

右からポスターデザイン、名刺、投票用紙、投票箱

展示作品紹介

ここからは、印象的だった展示作品をいくつか紹介します!

『form from flow』/松野 真翔さん

人口縮小する地方都市の統合小学校を題材に、地域木材のストックを行いながら、木材のストック量に応じて変化する建築の提案。
建築を流通の中のプロセスとして位置付けている点と、木造の解体が出来るようディテールまで構築し全体の空間が形成されている点が魅力的でした。

『免疫の丘 地域を育てる都市型牛舎』/峰松 誠さん

地域を育てる都市型牛舎の提案。人と牛の関わり方だけではなく、そこで育まれる植栽など生物多様性に着目しており、ランドスケープの要素も含めた提案でした。
(模型には牛まで表現されていました!)

『反転された都市』/飯泉 哉流さん

既存建物街区の隙間に、ブリッジ状の架構からヴォリュームを吊り下げ、
新たに波状の人工地盤を形成して、街区の未消化容積率を活用しながら
“都市”を形成する提案。

余談ですが、上記作品のようにレーザーカッターで作られている模型が数多くありました。
建築学部のレーザーカッター機は、提出までの1か月間、24時間フル稼働で卒業設計の学生の予約で一杯だったそうです。

『伝統工芸の逆再生シアター』/菊地 瑛人さん

伝統工芸集積の地、浅草を舞台に、伝統工芸の技や工房特有の視えを、工芸シークエンスを“逆再生”させて魅せる提案。
シミュレーションで可視領域を分析し、視野角を表現したコンセプト模型の表現が魅力的でした。

卒業設計展だと、以前は都市計画やインフラ、建築空間に関する提案など、新築で大規模なスケールを扱った提案が多かった印象でしたが、近年の卒業設計展の特徴は、新築より改修の提案が多くなっているとの事。
こうした既存ストックの活用の他に以下のような提案が多かった印象です。

・木材活用、土壌改善、生物多様性などの、環境対策や持続可能性に関する提案
・マイノリティへの助けとなるような、コミュニティの場の提案
・モビリティとの関わりなど新たな交通手段と建築の在り方の提案
・建築による災害対応の在り方の提案

このあたり、学生の皆さんは昨今の社会課題や、求められている需要を敏感に肌で感じ取って、作品に落とし込んでいる作品が多く感じられました。

おわりに

ご協力頂いた芝浦工業大学のみなさまありがとうございました!
これからも学生達の卒業設計・研究などの提案を通じて、改めてこれからの建築の在り方を考えるきっかけになればと思います。
今後も色々な大学の訪問記事を予定していますので、どうぞご期待下さい!
ではまた次回!

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