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freeeの全社員が集まるミーティング "WeeklyAekyoHour" のつくりかた

はじめまして、freeeでエンジニアをやっているplantです。普段はfreee申告freee会計の開発を行っています。ついさっきOculus Quest 2が届いたので早く遊びたいです。しかし今回は、プロダクト作りの話でもVRの話でもなく、会社のカルチャー作りについての記事です。

freeeの全社員が集まる月2~3回のミーティング「Weekly Aekyo Hour」 (以下WAH) についての取り組みについて、今回は共有したいと思います。

なぜエンジニアの僕がカルチャー作りについての記事を書いているのかというと、2020/08~2021/06 の1年弱、 WAHの司会・運営を務めていたからです。miriaさんという方と二人で司会をやっていたので、社内では二人合わせて「みりぷら」と呼ばれていました。今はもう新司会に交代したのですが、1年弱やってみて様々な学びがあったのでアウトプットすべく筆を執っています📝

全社員が集う Weekly Aekyo Hour とは

"WAH" はfreeeの社員500人強が一斉に集う、月に2~3回の全社ミーティングです。コロナ前はオフラインでasobibaというオープンスペースにみんなで集まって開催していたのですが、現在はオンラインで実施しています。

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WAHの目的は以下のように言語化されています。

freeeはマジ価値*を届けきることにコミットする集団として、ムーブメント型組織*づくりを追求している。その一環として、freeeで起きているビジネスや開発の動きをライブで感じられる場所、どんな人が、何を考え、どう動いているかを知る場所として、全社員参加必須の Weekly Aekyo Hour を設定している。
一般的なトップダウン型の“全社集会“とは異なり、あくまでもfreee全体での一体感を持ったトップダウンとボトムアップの調和を重視しており、そこに参加することでfreee内部で起きたHackやInnovation、新しいムーブメントなど、freeeらしい動きが全社に広がっていくことによって、参加者に刺激を与え、新しい発想へのヒントとしてもらいたい。その為にWAH運営委員会は、常に現状に甘んじずWAHを進化させ続けることにコミットする。

マジ価値:ユーザーにとって本質的な価値があると自信を持って言えること
ムーブメント型組織:自律的なアクションによって熱狂を伝播させ、相乗効果を生み出す集団

キーワードとしては「トップダウンとボトムアップの調和」「一体感」「参加者に刺激を与える」などが挙げられます。

「入社した直後で社内にどんな人がいるのかもよく分かっていなかったけど、freeeにはこんな人もいるんだ」
「あ、こういう取り組み面白いな。自分のチームでも取り入れてみよう」
「リモートでも同じミッションに向かってみんなで進んでいるんだな〜」

と感じられるような時間にすべく、日々改善を続けています💪

ポイントは、単なる情報共有の場ではなく、参加者に刺激を与えるという点です。こちらは後述します。

具体的な進行内容については、毎回5~6人が登壇者となり、スライドを使いながらそれぞれが持ち寄ったトピックについて話してもらい、それをみんなでワイワイ観るという感じです。

ただ、500人も同時に通話には入れないため、StreamYardというライブ配信サービスと社内コミュニケーションツールのWorkplaceを組み合わせてライブ配信を行なって、そこにみんなでコメントしてもらうような形になっています。

(20新卒きむが一年を振り返る真面目な雰囲気)

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(QAのスーパーマサキさんが自分の冠レースに申し込んだのをみんなでわいわい眺めたり)

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このように、トピックの内容は本当に様々です。
登壇者は社内公募制になっていて、毎回変わります。

・プロダクトの進化を肌で感じる5分間 (通称 プシン肌感)
・チームでの成果共有
・新入社員の紹介
・社内イベントの告知
・CEO佐々木が最近考えていること(通称 DSひとこと)

ちなみに Weekly Aekyo Hour という名前は、freeeの行動指針の一つである「あえて、共有する」からきています。あえ共です。あえ共。

WAHを設計する上で大事にしていること

WAHの時間をどう使うかは運営チームに任せられています。ここでは、僕たち運営チームが、何を考えてWAHの時間を設計していたのかを書いていこうと思います。

特に重要視していたのは、前述のキーワードにも挙げた「一体感」です。

freeeはムーブメントという考えを重要視しています。これは一人のちょっとしたアイデアや熱量が他の人に伝播し、結果的に周囲を巻き込みながら大きいインパクトに変わっていく事象を指しています。

受け手となる視聴者に刺激を与えて、それが誰かの行動に変わり、次第にムーブメントとなっていく。情報共有の場でありつつも、これがWAHの最大の目的だと僕は考えています。

しかし、どれだけ登壇者のコンテンツが良くても、登壇者と視聴者の距離、社員と社員の距離が離れていると、ムーブメントには繋がりにくいと思います。ムーブメントというものは1人で起こせるものではなく、2人目・3人目というフォロワーが必要不可欠だからです。

こちらのTEDトークではムーブメントの起こし方について3分弱で分かりやすく説明されています。ピンとこない方はぜひご覧ください。

組織としての一体感がないと、価値に繋がりそうなアイデアを呟いている人がいても、「それいいね!やりましょう!」とフォロワーになるのは心理的負荷が大きいです。よって、誰かが思いついたアイデアの芽を育てるためには、一体感の醸成が重要だという考えに至るわけです。

どうやって一体感を醸成するか

リモート上での開催でfreee全体での一体感をどうやって醸成するかは、司会を交代する最後の最後までずっと悩んでいました。今も答えは出ていません。

コロナ前は、物理的に一箇所に集まることで会社としての一体感が生まれていました。また、発表時の拍手やヤジ、質問など、発表してる側が視聴者側のリアクションを強く感じることができるインタラクティブ性もまた、一体感の創出に寄与していました。

リモート開催となるとそれが一気に難しくなります。参加者は自宅だったりオフィスだったり様々なところから一人で観る形になり、物理的な一体感は失われてしまいます。他の人がどんなテンションで、どんな表情で参加しているかなんてもちろん分からないですし、登壇者としても発表をどのように受け取ってもらえているのかは分かりません。

視聴者が取れる唯一のリアクションは、ライブ配信に対してのテキストでのコメントです。なので、インタラクティブ性を上げるために、発表の最後にはQ&Aタイムを設け、発表中の視聴者がコメントしてくれた質問や感想をその場で登壇者に伝えるということを行っています。

また、人によってはコメントという行為に心理的ハードルがある人もいると思うので、コメントせずとも参加感を出す方法を模索したりもしました。リアルタイムで投票・集計ができるアンケートアプリを作ってみたりしたのですが、WAHのコンテンツ自体とうまくマッチさせる方法が見つからず、あまり活用できませんでした。使い所によっては結構反応が良かったので、ここは探究しがいがありそうです。

(投票によってリアルタイムに動くアンケート、freee MAJIKACHI Dayという社内イベントの告知の時に利用したもの)

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また、視聴者がコメントしやすい雰囲気を創り出すアイスブレイク的な役割として、ゲストを呼んでトークコーナー(通称 みりぷらの部屋)を冒頭に開催したりもしていました。物理出社時代の立ち話くらいのゆるさで、その人の過去や今やっている業務、パーソナリティなどを深掘りするコーナーです。「自身を一言で表すと?」「あなたにとってfreeeで働くとは?」などの恒例の質問もあり、ゲストそれぞれの人となりが見えて面白かったです。

リモートワークの長期化によって、業務以外での新しい人と人との繋がりというものが減ってきている課題感もあったので、ここで話したネタをきっかけに声をかけてみたり、色々な新しい繋がりが生まれると良いなという思いもありました。

(みりぷらの部屋の1シーン、こういう面白そうな人がfreeeにはたくさんいます)

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終わりに

このように、freeeの全社員が集まるWAHは、情報共有だけではなく、受け手からのムーブメントの創出も目標として設計しています。

会社全体で一体感を醸成するために、そしてムーブメントを創出するために色々な取り組みをここ1年弱でしてきました。ただ、これらの指標は定量的に測定できないため、どの施策が効いているか・WAHがムーブメントに繋がっているかは、簡単には分かり得ません。

しかし、視聴者の反応というものは面白いもので、良いアウトプット・アウトプットの場を用意するとみんなガンガンコメントしてくれますが、逆も然りです。視聴者側の温度は画面越しではありますが、確実に伝わってきます。

正解が分からないからこそ、考え続け、走り続け、変わり続けることが大切だと僕は思います。freeeの行動指針でいうところの理想ドリブン(理想から考え、現在のリソースやスキルにとらわれず挑戦しつづける)ですね。

最近は、新司会の二人が Weekly Aekyo Hour Podcast という社内ポッドキャストを始めたりしていて、新たな風にワクワクしています。

この記事が、どこかの会社の小さなきっかけになり、それがやがてムーブメントになることを願っています。

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freeeでは「あえ共freee」というマガジンで日々の社内での取り組みを共有しています。ぜひこちらもご覧ください!


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