時を超えるタイムトラベル系名作SF映画②[10選]
こんばんは ぷらねったです
未来と過去 そして現在をつなぐ さまざまな物語を描いた作品たち
今回は このテーマの第2弾として「未来と過去 タイムトラベルSF映画」をテーマに 素晴らしいSF映画を紹介していきます
タイムトラベル特集の第一弾はこちら↓
1.グランド・ツアー (1992年)
監督は デビッド・トゥーヒー
日本の山形テレビが製作費を全額出資した SF映画です
舞台はアメリカ オレゴン州の田舎町
愛する妻を事故でなくし 娘と二人でペンションを営む男がいました
周辺には何もないのに たびたび旅行者がペンションを訪れますが 彼らはみな 目的は観光と答えます
怪しんだ彼は 旅行者の様子を観察している内におかしなパスポートを発見し あることに気づく...というストーリーです
とある目的をもって 未来から人々が訪問してくるSF映画です
監督のデビッド・トゥーヒーは「アライバル/侵略者」や「リディック」などの作品でも知られています
本作品には"過去学"という架空の学問が関係しており こういった独自の未来設定には やはり惹かれるところがあります
未来のパスポートを使った 不思議なタイムトラベルが描かれるのです
前述したとおり この映画は日本の山形テレビが全額出資して製作された 不思議な背景をもった映画です
しかし興行的にはヒットすることなく終わり 山形テレビは負債を抱えることとなりました
また 他の新規事業も失敗が重なってしまったようで 映画公開の2年後となる1993年には フジテレビ系列から テレビ朝日系列に変えざるを得ませんでした
そんな経緯がありつつも ユニークで興味深い内容が描かれる 本作品
ぜひ今からでもDVDなどをリリースしてほしいような 傑作SF映画となっています
2.キャプテン・スーパーマーケット (1993年)
監督は サム・ライミ
とにかくおもしろい SFアクション,ホラーコメディファンタジー映画です
死霊との戦いの末に 中世にタイムスリップしてしまった スーパーマーケットの店員 アッシュ
中世では アーサー王に敵の一味と間違われてしまい 死霊の巣くう穴倉へ放り込まれます
しかし アッシュを異世界から来た勇者だと看破した賢者によって 奪われていたチェーンソーが投げ込まれ 死霊を撃退する...というストーリーです
賑やかでふざけた冒頭の演出からはじまり ワクワク感が止まらないSF映画です
DVD版などでは「死霊のはらわたIII/キャプテン・スーパーマーケット」というタイトルも付けられています
サム・ライミ監督による さすがのコメディ演出の連続に 終始笑える内容です
"きっと撮影現場も楽しかったんだろうな" と思うようなカメラワークも素晴らしく チェーンソーを装着して戦う 新たなヒーロー像がユニークです
特殊メイクや映像表現も秀逸で バリエーション豊富な とにかく楽しい演出をたくさん観ることができます
冒頭でも紹介したように 様々なジャンルをごちゃ混ぜにした内容が奇跡的なバランスで成立している 本作品
笑えるタイムトラベル映画を探している方には ぜひ観ていただきたい 傑作SF映画となっています
3.タイム・アフター・タイム (1979年)
監督は ニコラス・メイヤー
切り裂きジャックの登場する タイムトラベルSF映画です
舞台は 1983年のロンドン
多彩な才能をもつ作家である H.G・ウェルズの家に 多くの友人が集まっていました
目的は 彼が新しく発明した"タイムマシン"のお披露目ですが そんな中 警察が訪ねてきて 切り裂きジャックの捜査中ということを話します
そして お披露目会に遅れてきた友人のスティーブンソン医師の鞄の中には 血だらけの手袋
そのスティーブンソンは タイムマシンと共に姿を消していた...というストーリーです
タイムマシンを使った王道なタイムトラベルと 謎を含んだストーリーが魅力を放つ 傑作SF映画です
未来の世界を守るため 時空を超えた追跡劇が描かれ まさに「シャーロックホームズ」のような物語になっています
ユートピアを想像して未来へたどり着いたウェルズと 現実の乖離が皮肉でおもしろいのですが 中盤からロマンス映画的な展開も交えていくのが この映画の素晴らしいところです
脚本だけでなく タイムトラベルシーンの特撮も かなり見ごたえがあります
さまざまな出来事の音声が 時間を遡って流れていく演出方法は秀逸で 映像的にも「2001年宇宙の旅」からの影響をうかがわせる表現が素晴らしいです
マクドナルドを食べるシーンなど 時おり見せるユーモアも素敵です
主演のマルコム・マクダウェルは H.G・ウェルズの話す実際の音声を聞いた際 あまりに強い訛りに愕然としたそうです
そのため 意図せぬコメディ的な演出になることを避け 訛りを真似することはやめたと言います
ちなみに 1983年に発売された シンディ・ローパーの代表曲「タイム・アフター・タイム」のタイトルは 本作品を元に名づけられたそうです
後に「スタートレックⅡ カーンの逆襲」や「ザ・デイ・アフター」などの監督をつとめることになる ニコラス・メイヤー監督の 初期作品
タイムトラベルをテーマにした 70年代の傑作SF映画となっています
4.タイム・クライムス
監督は ナチョ・ビガロンド
スペインでうまれた タイムトラベルSF映画です
とある理由で謎の研究施設に迷い込んでしまった 主人公のエクトル
そこにあった無線の男の指示に従い その通りに行動します
もう一人の自分を目撃して混乱したエクトルは 事態を複雑な方向に進めてしまい
1時間前の世界にタイムトラベルしてしまうことになる ...というストーリーです
監督のナチョ・ビガロンドは「シンクロナイズドモンスター」などの監督もつとめた人物です
元々は短編映画出身で 本作品が 長編映画監督デビュー作となります
当時新人ながら 斬新な切り口のストーリーが光っています
少し天然なおじさんであるエクトルが 気の向くままに行動し 厄介ごとに巻き込まれて シリアスになっていくのがとてもおもしろいです
謎の装置と液体を使ったタイムマシンというのも この映画のユニークな点です
運命論的な行動を取る主人公に起こる 理不尽な悲劇
そして それを覆すため 主人公が必死にもがく物語は 時にはゆるい雰囲気を持ちつつ 独特の緊張感があります
ちなみに 自分が所持しているDVD版のパッケージには『デヴィッド・クローネンバーグ監督 ハリウッドリメイク決定!』と書いてありますが この話はどこへ行ったのでしょうか...
クローネンバーグが監督を予定されていたことが理解できるような要素もあるので ぜひ 今からでも実現してほしいところです
スリルと脱力感のギャップが癖になる 悲哀な運命を描いた 本作品
スペインが生み出した 傑作タイムトラベルSF映画となっています
5.ビルとテッドの大冒険 (1989年)
監督は スティーヴン・ヘレク
おバカなノリのSFコメディ映画です
ロックスターを夢見る カリフォルニアの高校生であるビルとテッドは 歴史の教師から 次回の研究発表次第で落第になることを通達されます
そんな二人の前に現れたのは ルーファスという謎の男ビルとテッドによる 電話ボックス型のタイムマシンを使った過去への旅がはじまる...というストーリーです
製作費は 1000万ドル
若かりし頃のキアヌ・リーブスが出演する とにかくふざけたノリが特徴の映画です
本作品の脚本にクレジットされている エド・ソロモンとクリス・マシソンが 大学時代に演じたスタンドアップコメディーを基にした タイムトラベルが描かれます
タイムパラドックスなど 堅い話はいっさい関係なし
電話ボックスを使ったタイムトラベルを下敷きにして 歴史のお勉強をしながら おバカなやり取りが続く91分間です
ただのおバカ映画と思いきや 意外によくできた脚本にも驚きます
当初のバージョンでは 2時間25分の長さだったそうですが...
ちなみに続編は2作あり 2020年の「ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!」では 年を取った2人の 相変わらずのやり取りを観ることができます
ナポレオンやソクラテスなど 歴史上の偉人も多数登場する本作品ですが 深く考える必要はいっさいありません
まさに ポップコーンを食べながら観るような SFコメディ映画となっています
6.劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日 (2012年)
監督は 中尾浩之
歴史修正をテーマにした タイムトラベルSF映画です
舞台は 1582年6月13日 本能寺の変が起きた京都の街
タイムスクープハンターの沢嶋は 織田家家臣である 矢島権之助の密着取材をおこなっていました
そこへ 負傷した 別の織田家家臣があらわれ 商人の島井宗叱を 博多まで無事に送り届けるよう 権之助に頼みます
商人の護衛任務を請け負った権之助に同行することになった タイムスクープハンターの沢嶋
彼らは道中で 歴史には存在しないはずの銃撃戦に遭遇し 沢嶋は歴史改変を防ぐため 歴史修復任務をおこなうことに...というストーリーです
本作品は 歴史番組「タイムスクープハンター」の劇場版として制作された 架空のドキュメンタリー風映画です
こういった映画は "mock(まがいもの)+documentary(実録)"という意味を合わせた造語として モキュメンタリーと呼ばれ 海外で言えば「クロニクル」や「トロールハンター」などでも使用されている手法です
この手法は 日本ではあまり使われていない印象で それを時代劇に盛り込むというのは 日本らしくない なかなか実験的な試みだと感じます
もちろん脚本にツッコミどころはあるのですが 本能寺の変が起きた時代へ赴き 人々へ取材するというテーマは とてもユニークな設定で おもしろいです
斬新な内容のタイムトラベル映画として なかなか楽しめる 本作品
気になる方は ぜひ観てみてください
7.タイムトラベラーズ (1964年)
監督は イブ・メルキオール
古典的なタイムトラベル映画の 代表のひとつともいえる作品です
舞台は とある大学内の研究所
スタイナー博士をはじめとする研究員が タイムマシンの実験を行なっていました
紆余曲折を経て実験を繰り返すうちに どうやらマシンが正常に動作して 彼らの前に移されたモニターに 100年後の未来を映し出すことに成功
しかし そこには自分たちが知っている地球の姿はもはやなく 荒れ果てた荒野が果てしなく続くのみでした
研究員たちは 急いで未来のデータを記録することになりますが あることに気づきます
それは そのモニターに映し出されたのは単なる映像ではなく 実際に向こう側に移動できるということだった...というストーリーです
ユニークなタイムトラベルを描く 古典的なSF映画です
日本では劇場未公開ながらも「原始怪人対未来怪人」というタイトルでテレビ放映されたことがあります
あくまで古典なので 娯楽的には難しく ツッコミどころもたくさんあるのですが 60年代初期の映画としては挑戦を感じる内容です
かなりB級な展開に終始してしまいますが 何といっても注目は エンディング直前の演出です
初めて観た時は こんなに速い映像切り替えの演出が この時代にすでにあったということに とても驚いた覚えがあります
続編として「タイム・トラベラーズ2 タイム・トラベル」が存在します
SF映画 そしてタイムトラベル映画の歴史を知りたい方に おすすめの映画となっています
8.君のためのタイムリープ (2017年)
監督は シェ・ジュンイー
タイムスリップをテーマにした 台湾のSF映画です
高校のバンドのメンバーと再会した 主人公のジョンシャン
その日は バンドのリードシンガーであり 歌手になる夢を追って日本に渡り 夢が叶わずに自ら命を絶ってしまった エンペイの葬式の日でした
彼は 彼女に夢を追うよう伝えたことを後悔しており"もし自分が夢を諦めさせていれば 彼女は今も生きていたのではないか"そんなことを考えていました
そんな彼は とある理由で学生時代へとタイムスリップすることになり エンペイの夢を阻止するために奔走する...というストーリーです
英題は「Take Me To the Moon」であり "私を月に連れて行って" という意味になります
ジャンルでいえば 青春,ロマンス,ファンタジー的な内容です
本作品には 90年代の日本文化についての描写が 多数登場します
例えば小室哲哉はストーリー上でも重要な要素であり 安室奈美恵から 漫画「将太の寿司」など 90年代当時の台湾にとって 日本文化の影響が甚大だったことを伺わせます
そんな 日本人にとっても身近な要素に タイムスリップというテーマを絡めて 台湾での高校生活が描かれるのです
また エンディングで流れるテーマソングがとても良い曲で 印象に残っています
映画のイメージが少ない台湾ですが 個性的で 良い空気感の漂う本作品
見どころの多い 台湾が生み出した タイムスリップ映画となっています
9.26世紀青年 (2006年)
監督は マイクジャッジ
笑える皮肉が満載の おバカ系SFコメディ映画です
2005年 アメリカ空軍によって 人間の冬眠実験が秘密裏に開始されます
選ばれたのは 平均的な能力をもつ 軍人のジョーと 売春婦のリタ
冬眠は1年間の予定でしたが この実験の責任者が麻薬不法所持などで逮捕され 500年もの時間忘れ去られてしまいます
500年後の未来で目覚めた彼らの前には 信じられないほど変わった社会が待ち構えていました
知能の高い者は極端に子作りを控え 知能の低い者が子どもを作り続けた結果 堕落した世界になっていたのです
平均的な能力のはずだったジョーは 未来では1番のインテリだったため 内務長官に任命され 農業の復活などを目指す...というストーリーです
実在する企業を皮肉った内容が含まれることが理由なのか 当時 大規模な劇場公開がなかったため 興行収入はわずか 49万5,000ドルでした
しかし 作品の内容が後から一部で評価され カルト映画化し なんとレンタルビデオだけで900万ドルを稼ぎ出したという経緯があります
内容的には ここまでコメディに振り切ったSFも珍しく しっかり笑える内容になっています
まじめにレビューするのであれば "商業主義と反知性主義を突きつめた結果 崩壊した社会を描いた映画"とも言えるでしょう
本作品に登場する カマーチョ大統領は ドナルド・トランプに酷似した要素を持っており "後に大統領になることをこの映画が予言していた"と 一部で話題になっていました
ちなみに 原題は「Idiocracy」となっており 「20世紀少年」とはまったく関係ありません
意外に凝った設定に 馬鹿馬鹿しいストーリーが光る 傑作SFコメディ映画となっています
10.ナビゲイター (1986年)
監督は ランダル・クレイザー
ディズニー製作の UFOをテーマにしたSFファンタジー映画です
ジュブナイル特集でも紹介させていただきましたが タイムトラベル特集でも紹介させていただきます
舞台は1978年のフロリダ州 フォートローダーデール
12歳の少年デビッド・フリーマンは 弟のジェフを迎えに行く途中 崖で足を踏みはずして気を失ってしまいます
目覚めたデビッドが家に帰ると そこには見知らぬ人々が住んでおり その後 警察によって送られた見知らぬ家では なぜか年を取った両親が出迎えました
一方その頃 謎のUFOが送電塔に激突した状態で見つかる...というストーリーです
NASAが 少年とUFOの関係性について探っていく中で 謎が解き明かされていく物語です
発見されたUFOを NASAが車に乗せて運んだりするサービス精神もあって 子どもと一緒に観てもおもしろいような ファミリーSFといえる内容かと思います
本作品のサウンドトラックは 電子音楽のみで構成された映画音楽として ハリウッド最初期のものだと知られています
果たしてUFOの正体は?
なぜ少年は 一瞬でタイムトラベルをしてしまったのか?
ぜひご覧になって その答えを確かめてみてください
11.プリデスティネーション (2014年)
監督は マイケル・スピエリッグ, ピーター・スピエリッグ
秀逸な脚本が冴えわたる オーストラリアのSF映画です
舞台は1970年 ニューヨークのとある酒場
店を訪れた青年は バーテンダーに奇妙な身の上を語り始めます
『自分は女性として生まれ 18歳の時に男と恋に落ちるも 男は失踪
子供も何者かに誘拐されたため 自身の命を守るために男になった』と話す その人物
そして 話を聞いているだけだったバーテンダーは 自身の正体を明かす...というストーリーです
一卵性双生児として知られる スピエリッグ兄弟による作品です
ロバート・A・ハインラインによる短編小説「輪廻の蛇」を原作として 制作されました
本作品の素晴らしいところは タイムトラベルを中心にした物語でありながら タイムループとしての構造も持っているところです
タイムループが脚本に含まれると 物語の構成は似通ったものになりがちだと個人的には思っているのですが 本作品はそこに収まらず オリジナリティーを確立していると思っています
冒頭の謎めいたシーンから 一気に作品の世界に引き込まれ その後 一見無関係にも思える バーを訪れた客との世間話
そこから過去回想のシーンがしばらくつづくという かなり攻めた構成です
そして 徐々に点と線が繋がり 終盤の展開へ...
ストーリーの語られ方から全体の構成まで ここまで完成されている映画はなかなか無いのでは と感じます
ラストは賛否両論あると思いますが 個人的には文句なしでした
俳優陣にも注目で 男女2役を演じた サラ・スヌークの驚くべき演技と すっかり渋くなったイーサン・ホークが素晴らしいです
思いもよらぬ秘密が明かされていく ダークな物語
2010年代の 傑作SF映画となっています
12.ラ・ジュテ (1962年)
監督は クリス・マルケル
モノクロ写真を連続で映して構成される 不思議なSF映画です
第三次世界大戦後の世界で パリは廃墟と化し 生き延びた人間は放射線を避けて地下へ逃れました
そこでは支配者と奴隷の階級が生まれ 科学者たちは欠乏する薬品や資源を過去や未来へ求め タイムトラベル能力の開発実験に取り組みます
多くの奴隷が死亡したり 廃人になる中 ある男のタイムトラベル能力が開花する...というストーリーです
「12モンキーズ」の原型にもなったこの作品は 28分というコンパクトな尺で構成されています
モノクロ写真を背景にして ナレーションとともに語られる演出は とても斬新です
始まりから終わりへと回帰するような脚本も秀逸で 29分の尺ながら とても満足感のある出来です
もちろん特撮はなく 未来的なガジェットもほとんど存在しません
そんな中で 緊張感を生みだすナレーションや 音楽も素晴らしく 独特の雰囲気を生みだしています
映像でないからこそ 想像を広げて観ることのできる 本作品
一風変わった手法で描かれる 唯一無二のSF映画となっています
13.TENET (2020年)
監督は クリストファー・ノーラン
現代を代表するSF映画監督によって描かれた SFアクション映画です
ウクライナのオペラハウスにて テロリストによる立てこもり事件が発生
しかしこれは"プルトニウム241"を奪取した CIAスパイを暗殺するための偽装工作でした
CIA特殊工作員のPROTAGONISTは ウクライナ警察に混ざってスパイ救出に成功しますが その直後 ロシア人に捕らえられてしまいます
そこで拷問を受け 薬物を飲まされたあと 見知らぬ船で目を覚ましました
そして フェイという男から ウクライナでの作戦がある種のテストだったことを明かされ 謎の集団"TENET"へとスカウトされる...というストーリーです
製作費は 2億2500万ドル
ジャンルとしてはSFアクションになりますが 緻密に構成された脚本や映像演出が 現代でなければ成し得ないクオリティーで描かれた 最新技術を駆使したSF映画です
個人的に クリストファー・ノーラン監督の映画はすべて観ているのですが「TENET」はまさに 彼の集大成的な作品だと思いました
作品タイトルと同じように回帰するストーリーは 同監督の「インターステラー」を彷彿させます
戦場の描写は「ダンケルク」
物語の構成は「インセプション」
時系列を錯乱させる手法は「メメント」...
彼のフィルモグラフィーを総括したような セルフオマージュ的ともいえる 盛りだくさんの内容です
『クリストファー・ノーランは 映画監督を辞めてしまうのではないか』そんなことを 上映後の映画館において感じたことを はっきりと覚えています
撮影期間は6か月
デンマーク, エストニア, インド, イタリア, ノルウェー, イギリス, アメリカという 7ヵ国で撮影が行われました
撮影ロケーションの影響もあったのか エストニアでは「TENET」が 史上最高の興行収入である 120万ドルを記録したそうです
音楽では「インターステラー」などに引き続き ハンス・ジマーにオファーがされましたが 2021年の映画「DUNE/砂の惑星」を優先したため ルドウィグ・ゴランソンが担当することになりました
VFXは「インセプション」,「インターステラー」,「ブレードランナー2049」,「DUNE/砂の惑星」など 数多くの作品に携わった イギリスのDNEGが担当しています
おそらく万人には刺さらないであろう 難解な内容
脚本だけでも 完成に5年掛かったと言われ アイデアについては10年以上前から検討されていたそうです
アイデアの初期分析では 「インターステラー」に引き続き 理論物理学者であるキップ・ソーンの協力があったそうですが
クリストファー・ノーラン監督は『この映画が科学的に正確かどうかを主張するつもりはない』と明かしており この辺りのスタンスが「インターステラー」とは異なるところのようです
ノーラン監督の実績や才能と 巨大資本が噛み合って成しとげられた 史上稀にみる 大作カルト映画だと思っています
運命論的な物語を打破し 新たな未来の道を作りだす為のストーリー
映画製作へのほとばしるような情熱を感じる 大傑作SF映画となっています
あとがき
今回は「未来と過去 タイムトラベルSF映画」についてのお話でした
タイムトラベルがテーマのSF映画は 傑作が多く まだまだ紹介し足りないです
第三弾の動画も制作予定なので ご期待ください
また タイムループ特集も別で制作して紹介予定ですので 楽しみにしていただければ幸いです
最後までご覧いただき ありがとうございました
個人で活動しております。 ご支援いただける方はぜひお願いいたします◎