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アメリカで人生初の家を買う!オファーレター+@から学んだ、人とのつながり

アメリカで暮らし始めて1年。ついにマイホームを買う決断をした。


1.なぜ家を買うのか

借家は気軽に引っ越しができるが、住むにもお金がかかるし、何の資産にもならない。私たちは母国が日本とドイツで、現在は仕事のためにアメリカにいるので、将来アメリカに永住するかはまだ決めていない。それに加えてこのパンデミック、色々なリスクも含めて話し合った結果、今後しばらくは確実にアメリカに住む予定になるだろうということで家を買うことにした。

人気の家は、インターネットに情報が公開されて、すぐに見に行っても、数日で即売することもある。一刻も早くいい物件を探したい我々だったが、家を買うためのプロセスは山のようにあるし、売り手、買い手のエージェント、ローンを組む銀行など多くの人が関わる。

こんな時に、なぜ家探しなんかしようとしているんだ…と仕事後に家を回る生活にヘロヘロになる日もあったが、ありがたいことにほとんど全てデジタル署名で済むので、少なくともこれがある時代に生まれたことに、感謝である。

「日本よりもアメリカで家を買う方が安い!」

と聞いてはいたが、それは本当にピンキリ。世界中で都市部の土地が地方よりも高いように、シリコンバレーの家は本当に高い。中心部の小さめの2、3ベットルームの家と、同じカリフォルニア州でも中心部から少し離れた郊外ではプール付きの5ベッドルームの大豪邸が同じ値段なのである!!


2.初めてのオファーレター

プロセスの中で、一番私を驚かせたのは「オファーレター+@」だ。

特に人気のある治安のいい地域や住みやすい物件には、当然たくさんの買い手が集まる。(実際に15分置きくらいに内見予約がある家もあった。家の周りには車が何台も止まっている状態!WOW!)

買いたい家が見つかったら、その意思を伝えるためにオファーレターを出す。これは基本的に今後ローンが払えるのかなどを証明する書類などを付けるのだが、人気の家はもちろんたくさんのオファー(金額を上乗せする人もたくさんいる!)を受け取ることになる。そこで大切になるのが「+@」!

売り手の感情にアピールするため、たくさんのオファーが集まっている物件に対しては、「家のどこがどう気に入ったのか」と「自己紹介・家族の紹介」を書いた手紙をオファーに添付して提出するのは効果的だ。

その殺到したオファーの中から、売り手が提示してきた金額や「オファーレター+@」を決め手に、最も「自分たちの思い出のある家の良さを理解していて、売りたいと思える人」を決めるというのだ。

もちろん、残念ながら金額が何より大事という人も少なからずいるため、このオファーレターの内容が全てを左右するわけではないが、買い手の人柄を重視して選考する人がとても多いそうだ。


3.私たちが気に入った家

家を買おうと決めて、たまたま通りかかった家に「SALE」の看板があった。インターネットに情報公開される前に、偶然見つけた物件である。すぐにエージェントと連絡を取り、翌日さっそく内見した私たち夫婦は、あろうことか人生で一番最初に内見したこの家に、恐ろしいくらいに惹き付けられてしまった。いつでも感覚で生きる私は、フロントヤードにある大きな木に一目惚れしてしまったし、超ロジカルで冷静な夫も間取りの良さや立地の良さ、古いわりに手入れをしたら生き返りそうな家のポテンシャルにかなり惹かれて、内見のあとは2人でニヤニヤしていた。

何か決断すると、いつも物凄いスピードで動く私たち夫婦だが、さすがに1つだけの内見で人生最大の買い物の決断を下すのは早すぎると思った。その後も毎日インターネットで家を探し、15件くらいは家を見に行った。外観だけ見に行った家も入れると100件くらいにはなると思う。(外から見て、ときめきを感じない家は内見も行かないという謎のこだわり)

何件見に行っても、結局「やっぱり最初の家がいいよね。」という結果になるので、3週間ほど悩んだ末、最初の家にオファーレターを出すことにした。もちろん+@も忘れずに。

その家がどれだけ素敵な家であるか、是非私たちの最初の家にしたいと思っていること、写真も付けて、自己紹介を書いて送った。

結果!他にも高額でオファーをしている人が多数いたそうだが、最終的に私たちに決まった。ということで、来月引っ越しすることになった。やった!

とんとん拍子に物事が進む時は、きっといい方向に進んでいる証拠だと思うので、忙しくなるであろう引っ越しも、2人で好きな空間を作っていく作業も、ワクワク楽しみたいと思う。


4.最後の決め手は人柄

ちなみに、職場のボスや同僚に家を買う話をしたら

「私たち夫婦は、最初の家を買うときに赤ちゃんがお腹にいたから、エコーの写真も付けたよ。”ファーストホーム”や”ここで子どもを育てたいです”というのは好印象になることが多いからね。」

「実際に家を売った時は、たくさんもらったオファーレターの中から+@をかなり重視したよ。思い出のある大事な家を、変な人に売りたくないからね。」

と教えてくれた。最初は「エコーの写真?!プライベートが過ぎるのでは?」と思ったが、最先端のTech企業が集まり、色々な場面でデジタル化が進むこのシリコンバレーの地でも、最後の決め手は人柄だと言われたような気がして、機械や数字だけでは測れない、その人の生き方人とのつながりの大切さを実感して、すごく嬉しくなった。


余談だが、実は最初にこの家の「SALE」の看板を見つけた時に、たまたま散歩中だったお隣さんとお喋りするチャンスがあった。とてもチャーミングな夫婦で、この地域がどれだけ住みやすいか私たちに教えてくれた。私たちがシンガポールから引っ越してきたことや、お互いの仕事についても話して盛り上がった。その後、私たちは「明日にでもこの家の内見をして、気に入ったらオファーレターを出すかも!」と言って、彼らと別れた。

その夫婦、その後も私たちのことを覚えていてくれて、なんと売り手に「あの2人、すごく素敵な夫婦だったよ。あの夫婦のオファーは来た?そのオファー受けるの?」と聞いてくれていたそうな!!あの時に、偶然会ってお隣さんと話せたのもきっと何かのご縁だし、そうやって言ってくれたから、売り手も私たちに決めてくれたのかもしれない。

そう考えると、人生どんなご縁で物事が進んでいくか分からないから、新しい家のお隣さんと出会えたことに感謝して、ご近所さんたちとのつながりも大切にしていけたらいいなと思っている。毎日、学び・気付きの連続だからこそ、小さなことでも心に残ったら忘れずに記録に残しておきたい。

さて、新生活に向けて、断捨離でもするか!

(※最初の写真は旅先で見つけた素敵なお家で、我が家ではありません。)






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