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🌌星空を見上げたくなるカレンダー 2022.10 アンドロメダ銀河/夜半の明星

季節の写真と、これからの星空の見どころ情報を、毎月お届けします☆

今回は、2022年10月版

秋が深まるこの季節。
夜が涼しくなってきて喜んでいたら、いつのまにか、もう寒さを心配した方がいいかも、と思えてくる日々、でしょうか。

晴天率が高く星空観察に向いた好天に恵まれるチャンスも増える時期。
明るい星がほとんどなく、控えめな印象の秋の星空も、今年は明るい惑星たちがとびきりの輝きを添えて、なんだかにぎやかな印象です。

🔷10月の写真「アンドロメダ銀河 」

ある秋晴れの日。
太陽が沈んで、空がだんだん暗くなっていく。この調子だと、きっと満天の星が期待できそうだ。

よし、今夜は望遠レンズでアンドロメダを狙ってみよう。

肉眼でも、光がぼんやりと広がっているようにみえる場所へカメラを向けてみる。


カメラのファインダー越しには、視野いっぱいに星が溢れている。

快晴の夜は、どの方向を見ても無数の星が目に飛び込んでくるのが、なんとも愉しい。

あ、見つけた!

アンドロメダ銀河は、大きな天体だ。

見た目でいっても、満月よりも大きい。
そして、実際の天体のサイズはというと、その直径およそ20万光年以上

そもそも、ひとつひとつの星が、自分の感覚ではとても捉えきれないくらいはるか遠くにあるというのに、それらよりさらにずっと遠くに、ずっとずっと大きな天体が見えていて…しかもその中には一兆個もの星が含まれている…。

実感できない距離や大きさを、少しでも自分の感覚で感じようと、必死に淡い光の天体を見つめ続けた。


🌠 星空の見どころ

●[10月8日]後の月/十三夜(旧暦9月13日)

旧暦8月15日は、よく知られた十五夜のお月見の日。
そして、その十五夜に継ぐ名月の日といわれるのが、約一ヶ月後となる旧暦9月13日の後の月。

と、そんなふうに説明されることが多いのですが、なぜこの十三夜月が十五夜に継ぐ名月、なんでしょうね? しかも、一節には、日本には十五夜をいわう風習が伝わる前から十三夜の月を愛でる風習があった、とも。

十三夜の起源や背景、諸説ありますが、知った顔でそれを説明するよりも、自分なりに色々考えて推理を楽しむ、ということのほうが、私自身はしっくりきます。

満月前の、ちょっと欠けた形をあえて月見の日として選ぶのは不自然だから、おそらく元々は、なにか月見とは別の目的で選ばれた日取りだったんじゃないかな。

それなりに定着したのは、昔ながらの文化的・民族的な背景よりも、もっと近代あたりの、なにかビジネスとかが関わっている可能性が高いだろうなぁ。


●「10月22日」オリオン座流星群が極大

ハレー彗星を母天体に持つことで知られる、オリオン座流星群。
今年は、かなり良い条件でピークを迎えます。

上の図が、今年のオリオン座流星群がピークを迎えることとなる日時の星図です。

東の空から冬のダイヤモンドが昇ってきていますが、その真ん中あたり Orionidsと書いてある場所が、流れ星の放射点
つまりダイヤモンドの真ん中から外に向かって流れ星が流れて見えることになりますね。

満月直前で月明かりの心配がほとんど、かなり夜空の条件が恵まれている・・・とはいっても、現実的には、そこまで気軽に満喫できるわけではなさそうですね。

今年に限らず、オリオン群はほどほどに期待をすることは悪くないものの、あまり期待をしすぎないのが正直オススメです。

なぜかというと、

  • 放射点があるオリオン座は、遅い時間帯にならないと空高くにやってこない。(つまり、夜の早い時間帯には、あまり流星は期待できない)

  • ピークの時間帯(午前3時頃!)は、そもそも単純に起きているのがしんどい。

また、仮にピークの時間帯に起きていることができたとしても

  • 10月後半は、夜明け前はかなり冷え込む。屋外で流星観測をするなら、万全の防寒装備が欠かせない。

  • 以前(15年前頃まで)は、3大流星群にも負けないほどの流れ星が見られていたことがあったが、最近はオリオン座流星群の流星は数が少なめ。

そうはいっても、いつだって流星は見られたらすごく愉しいものです。
極大の日に限らず、10月後半頃の深夜~夜明け前の夜空では、流れ星に要注目、ですね。

● 明るい惑星 と 赤い三角形

抜群に明るい木星のほか、土星や火星も夜空で観察できる時期です。
それぞれ個性豊かな惑星の姿を捉えてみるのも良いですね。

10月中旬 23時頃 の 星空

冬の星座のあたりで火星が観察しやすくなってきました。
12月1日に、地球との最接近を迎えることもあって、いま地球との距離が近づいている真っ最中であり、明るさもぐんぐん増していきます。

9月は0等星ほどだったのが、10月末にはマイナス1等級ほど。だんだんシリウス(マイナス1.4等)に迫るほどの明るさを誇るようになってきます。


火星の近くは、赤い色が特徴的な一等星がふたつありますね。
おうし座のアルデバラン と オリオン座のリゲル。

10月には、これらの赤い2つの恒星の近くを火星が通っていきます。
つまり・・・火星・アルデバラン・ベテルギウスの赤い三角形 が、日ごとに形を変えていくようすが見られるのです^^


ちなみに、火星の動きがだんだんゆっくりになってるようにみえるのは、地球がだんだん火星に追いついてきているから、です。

言葉だとよくわからないですね。
でも太陽系を俯瞰する目線で見てみると、よくわかります!


火星が地球にもっとも近づくのは、12月1日。
その最接近の日に向かって、ことしの10月・11月は、火星がぐんぐんと明るさを増していく様子を見ることができます。

位置だけでなく、明るさの変化も感じられると、星空を眺めることが、ますます楽しくなってきそうですね☆

🔵関連リンク

◎星空のみどころ情報[不定期配信]

https://note.com/planetarian_t/m/mfde300317f28



◎2022年1月~12月<1年分まとめて>

https://note.com/planetarian_t/n/nd0f7097d81b7

◎写真抜粋

https://note.com/planetarian_t/n/na8390b806a8c


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