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手記


とある演劇プロジェクトのために書いた手記

言葉にしてしまった途端、私の心にあるものがちっちゃくてちゃっちいものになってしまうことに、一生もやもやしてる。

くそ。


真夜中、言葉の尊さと限界を想う。


なんとなく、愛してるって言いたくなった。



あほくさ。








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手記



どこか遠い国のDNAを感じる、鏡の中の女の子

マリー、会ったこともない遠い親戚の名前を何故か継承することになった不思議な子

2004年9月30日、東京生まれ

あーやだなあ、もうすぐティーンの化粧が剥がれ落ちる

正直アル中になって薬物依存症になって早死にすればいいと思ってる

でも1回くらいは好きな人に抱かれてから死にたい気もする

愛の家を作ってから死にゆくのが本望だけど、あんまり期待してないよ。



私の話は大体暗い。
実際の性格はわりと明るいんだけどね。

私の文章を読んだら、たぶんみんな疲れると思う。
だいぶエネルギーを消費するだろう


別に誰かにわかってほしいとは思ってない

ただ、こんな私があなたと同じ世界に、今のところ存在している、ということ。

とある人生の提示、です




特に何の主張もないし、憎しみや怒りは何ひとつ善なるものを生み出さないと知っている。

ビッグマウスは高校と同時に卒業した

世界を変えることは私にはできない

というか世界の変化のスピードが異常に速くて今どのフェーズに来てんのかわかんなくて、1秒前まで考えてたことが気づいたら時代遅れかもしれなくて

もういい

私も頑張ってるから地球も頑張って。

いやでも、正直もう自転すんのやめてくれていいよ。
地球が廻ってるから生きづらいんだろ
そろそろ察してくれよ、ここが人間にとって生きやすい場所だったことなんて一度もないの知ってんだろ




大人のふりして諦めて思考も信念も一瞬でポイ捨て。





















モノローグ 「私が逃れられない、いくつかのことについて」




夢を見た。

そこでは私は、幸せだった。

私は幼くて、隣には私を守ってくれる男の人が、優しい眼差しで私を見つめていた。

私は彼の小指を、強く握りしめていた。




離さないでね
私が大人になるまでは
その目を私から、離さないでいてね





夢から覚めた。

一瞬の放心状態ののち、私はいつものように
声をあげて布団に顔を突っ伏して泣いた。





パパ、パパ、どうして消えてしまったの?

ねえ、パパ、どうして離してしまったの?


どうしてあなたは、こんなにも私を傷つけるの

パパ、あなたこそが私を愛して守ってくれる人ではなかったの





もう二度と触れることのない彼の小指
今頃それは、どこかの幼い子供が握っている。





私たちはもう、親子ではない。

私はもう、彼の娘ではない。

彼はもう、私を必要としていない。

私たちの視線は、もう二度と交わることはない。

彼の声が思い出せない。

彼が私に、I love youと言ってくれた記憶がない。


でもね、

You’re my princessって言ってくれたのは、覚えてるよ。

あなたは覚えてないと思うけどね、元パパ。




彼が今、生きていても死んでいても、どちらにしても私は苦しい。


もう、あの頃には戻れないから。






私は一生あなたを許さないけど、でも、悔しいけど、私が死ぬ時にはたぶん心の中で、愛を込めて「ばかやろう」って呟くんだと思う。


ほんとに、ばかみたいだわ。

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