大好きな ”極短編小説”のこと 片岡義男 先生の 【バラッド30曲で1冊】
僕の大好きな小説家 #片岡義男 先生の作品に
ものすごいコンセプトが明確な1冊があります。
いま手に入れば、ぜひにと進めたいものです。
その作品を僕は角川の文庫本で持っているのです。
残念なことに、既にカバーはなくて
なにより、この時代の先生の角川文庫はカバーもまた愛おしい作りだったから。
その作品が #バラッド30曲で1冊 というタイトル。
1冊に、 #極短編小説 30話と、それぞれに #挿絵 という風に 僕自身は呼びたい写真が添えられていて、紙質も 俗に言う光沢上質紙とでも言うのかという作りになっています。
その語句短編の一つ一つが物凄く楽しいのは、短すぎる表現の中で、読者に充分な余白を提供してくれているという、画期的なコンセプトワークにあるのです。コンセプトワークと言うよりも、読者にも本を共有する空間を与えた、おそらく僕の知る限り唯一の本ではないのかと思うのです。
先生の作品には #吹いていく風のバラッド という素敵作品も存在するのですが、そして、この作品以外にも挿絵として写真を使った作品、例えば
#一日じゅう空を見ていた がそれですが、この作品も最高なのですが、読者を共犯者に仕立てるという意味では似ていて非なるアプローチだと感じるのです。
その中で #彼女と彼1 という作品があるのですが、この極短編小説だけで、読者に託された共犯性は計り知れません。
この作品の中の彼女は彼は どんな人間であり どんな 容姿であり
どんな正確なのか 知的なのか 衝動的なのか いいや 僕は多分
この二人は適度にずる賢く 適度に愚かで痛いのだと感じたのでした
でも、委ねるのは 他人ではなく自分だということ・・
先生の作品で 1 2 とつく作品は、全く違う物語の1 と 2 なのに、違う味付け、それこそ 寿司とエスパニョーラ くらい違うのに、共犯者へのメッセージ(刺激)は色濃く共通だと感じます。
先日 ここに書いたホテルルーム という作品もそうです。
もしも、この話の意味が気になれば
読んでいただきたいと心から
#わたしの本棚