Ayane Matsushita

As often as I can

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無駄だが なんだか色っぽい

初めて「やあ」と顔を見せるやいなや、ひたすら抜かれ続け、時にはシェイバーで一気に刈り取られる。人によっちゃレーザーで息の根を止める人もいるみたい。こんなに無駄だ無駄だと忌み嫌われて、それでもめげずに生えてくる、わき毛。本当に無駄なのかしら? かくいう私も何の疑問も持たずに剃ってた。必要ないものだから、というよりも、あると恥ずかしいものだからって理由で。だってテレビや雑誌や広告で見かける女優さんやモデルさんのわきはつんつるてんのぴっかぴか。こうするのが大人の女性の身だしなみ。

    • my glitter finery

      2019年が始まってたった3週間のうちに、心が軽くなるような出来事があった。 連日の忘年会からの新年会で放浪癖がついてしまったのか、時間ができると外に出たくてたまらなくなっていた。何かをしないではいられない。けれど自分の中から湧いてくるものは何もない。去年アホみたいなペースで絵を描き曲を作りすぎて枯れ果ててしまったのかしらと沈む暇がまたもったいないのでとにかくゴーアウト。たまたまシンガポールのバンドsobsの来日公演があるってんで飛んでった。うそ、正確には電車に乗り、乗り換

      • 悲しくてかっこいい人

         イ・ランの『悲しくてかっこいい人』を読みました。  この人と会って話がしたい。  この本を読み終えたとき、真っ先にそう思った。海の向こう側の言葉も住む国も違う人が書いたとは思えなかった。読んでいるときは、まるで友人の話を「そうだよね、わかる」とお茶をすすりながら聞いているような感覚だった。  イ・ランを知ったのは今年の冬のこと。よく行く飲み屋さんにはレコードやCD、本が売ってあって、その日も何かないかなと棚を眺めていた。「この人の歌、好きそう」と店主に勧められ、アル

        • Rock Bottom

           類は友を呼ぶ。  “友”でなければ“類”でもないかもしれないが、生まれつきのひねくれ者のアンテナがビビッと反応した。  どうして彼にたどり着いたのか、はっきりとは覚えていないけど、Only Realを毎日のように聴いていたとき、こんなふうに渋い声で歌う人はほかにいないものかとYouTubeへ旅に出ていたとき、何気なく再生した曲に心をつかまれた。  十代でこんな曲ができるなんて、彼の人生に何があったんだと思わずにはいられなかった。「Rock Bottom=どん底」です

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          The way to "EASY"

           アーティストが自分の作品を言葉で説明するなんて格好悪いよね。  自分の作品で、自分の思いを表現しきれていないと言っているようなものだもの。  だけど、この個展を開くきっかけは、短い人生なりに、まだ未熟なりに、これまで考え、感じてきたことの結晶なのだと私は思っています。 Chapter 1. 音楽とのつきあい方  高校生のころ、家出同然に、ひとり夜行バスに乗って東京へ行った。  そのとき、私は音楽にのめり込みつつあった。というか、もう抜け出せない沼の中にいたのかもしれな

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