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ホテル・ピーベリー

"『このホテルには妙なルールがある』『ルール?』『そう、そのホテルに客が泊まれるのはたった一回だけ。リピーターはなしだ』2014年発刊の本書はハワイ島にある小さなホテルを舞台にした再生ミステリ。

個人的には書店で見かけて、旅に行きたい気分でもあったので手にとりました。

さて、そんな本書は"ある事情"で学校教師を辞めた木崎淳平が、バックパッカー的な生活をおくる友人の杉下に教えてもらったハワイ島にある"リピーターお断り"のルールのある小さなホテル"『ホテル・ピーベリー』を訪れるところから始まり、オーナーも日本人で気安いということで長期滞在している日本人旅行者たちと交流していくのですが。そんなある日、客の1人がプールで溺死する事件が起きて。。

と、まあ。典型的な外界との連絡が実質的に途絶えた『クローズド・サークル』的な展開となるわけですが。

元旅好きとしては【殺人事件の謎解きはさておき】またハワイ島への観光自体が目的というより何かしらの事情を抱え【自分を見つめ直すため】海外に滞在しにきた主人公の姿はどこか『わかるなー』と共感する部分がありました。

ただ、近年に邦画実写化されたオールドSFの傑作『夏への扉』を引用しながら主人公の学校を辞めた理由や心情を説明するのはSFファンとしては、わかるんだけど"ちょっと違う?"的な違和感を覚えてしまいました。

ハワイ島、バカンスを舞台にした作品が好きな方へ。気軽に読めるミステリとしてもオススメ。

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