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レジェンド―伝説の闘士ジューン&デイ

"『新しい日は、新しい24時間が始まるってことだろ。新しい日は、またすべてが可能になる。その瞬間に生きてると思ったら、次の瞬間に死ぬかもしれない。だから、一日一日、着実に生きていくしかない』"2011年発刊の本書は1984年世代の著者による映像化も決定しているYA向けディストピア小説。

個人的にはSF、中でも管理社会を描くディストピア小説好きな事、また天安門事件をきっかけに移住した中国出身の若い著者に関心があって本書を手にとりました。

さて、そんな本書は地球規模の気象異常により半分水没し、またかっての"合衆国"から"共和国"とは名ばかりの独裁国家になった近未来のアメリカを舞台に、待遇を決定する能力判定テストで満点を獲得したエリート少女と、落第して家族を養うために犯罪者となった少年が【交互の視点でテンポよく物語を語りながら】騙し合い、理解し合う中で世界の真実へと近づいていくのですが。。

まったくの偶然とは言え【意図的に感染症を流行らせて国民を管理する】作品中の独裁国家の姿が新型コロナに関わる某陰謀説を予見しているようで驚かされました。

また、海外翻訳SFあるある話とは言え、本国では既に三部作で完結しているものの、おそらくはシリーズ1作目の【本書以降の出版があまり期待できない】現状。続きがとても気になる形で終了していることから、何とももったいなく感じました。(せめて映像化だけでも早く実現されないだろうか。。)

日本のライトノベルともまた違う、ティーン向け海外SFとして、またディストピア小説好きな誰かにオススメ。

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