見出し画像

十五少年漂流記

"しかし、少年諸君は、よくおぼえていただきたい。どんなに危険な状態におちいっても、秩序と熱心と勇気とをもってすれば、きりぬけられないことはないのである"1888年発刊の本書は、当時の社会風俗を感じさせつつも、子どもから大人まで楽しめる冒険小説不朽の名作。

個人的には『ガリヴァー旅行記』しかり、子どもの時に絵本など読んだ本を大人になって再読すると【意外な新鮮さや発見がある】と感じている事、また児童文学としてー特に女の子が『空想』男の子が『冒険』とすれば、本書は後者の【ベストの一冊と思っている】事から何十年ぶりのワクワクを求めて手にとりました。

そんな本書は多くの方がご存知の通り、無人島という未知の場所で2年間も暮らさざるをえなくなってしまう15人の少年たちの【友情やチームワーク】が描かれているわけですが。本書に刺激を受けつつも、あえて、こちらは同じ状況下での【断絶や悲劇を描いた】1954年発刊の『蝿の王』も別に読んでいたので、全く対象的に終始爽やかに展開して終わる本書がベタとはいえ、期待を裏切らない。どこか安心させてくれる読後感でした。(女性や黒人の描き方に関しては違和感はやはり覚えましたが)

一方で驚かされたのは、こちらも現在では類似の状況下でのサバイバル生活を描く作品は多々ありますが(テレビ番組だとTOKIOのダッシュ島とか)それらと比較しても凄まじい【少年たちの卓越したサバイバル能力】でした。特に様々な動物たち、中でも【巨大ウミガメをさくっとひっくり返し→斧で一撃→解体処理→調理】と半ページ位で美味しくいただく流れや『撃退した』悪人たちへの【躊躇ない大砲による追加砲撃→殺害】(いわゆる?悪・即・斬)に関しては、何とも凄すぎてツッコミを通り過ぎて思わず笑ってしまいました。

子どもたち、特に男の子に安心してオススメしたい本を探す誰か、あるいは"かっての男の子"として、忘れてしまった冒険心を取り戻したい男性へオススメ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?