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転生!太宰治2 芥川賞が、ほしいのです

"あるとき、ツイッターなるものを見つけました。なんと、ごく短い文章を『つぶやく』ことができるというのです"2019年発刊の本書は現代に転生した太宰治が地下アイドルをプロデュースして芥川賞を狙う!急展開のシリーズ第二弾。

個人的には桜桃忌で太宰治を思い出し、前作が面白かったので引き続き手にとってみました。

さて、そんな本書は前作で知り合った女子高生にして、地下アイドルの長峰乃々子(ながみねののか)の小説家デビューを引き続きプロデュースしつつ、今度はTwitterを始めて、石田三成botに驚いたり、反応があった元天才作家、雪尾奈緒子(ゆきおなおこ)と新たに出会い『カメラを止めるな』を観にいきつつ。合間に(笑)心中したり。と、忙しく物語が展開していくのですが。

いや、まあ。前作ですっかり現代社会に馴染んでしまった本書の太宰治。相変わらず本人が語る、かっての太宰治、そして【文壇界隈のマメ知識的な話はためになるし】2022年現在、アニメ化で人気のパリピ孔明と似てるようで、あちらと違って【不器用なプロデューサーぶり】には笑ってしまうわけですが。

そもそもが、小説家としては著名でも【他人をプロデュースするには素人】といった姿が本書では出版社や他のプロデューサーと衝突するやりとりで描かれていて。一見すると2人の若い女性に慕われてハーレム状態に見えて、芥川賞を狙うには【暗雲が立ち込めつつある気配も?】突然の終わり方をしていることもあり、気になります。

太宰治の二次創作物好きな方、気軽に楽しめる太宰治オマージュ本としてもオススメ。

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