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京都、オトナの修学旅行

"日本美術を見るには、オトナであることが必要だと思う(中略)物に対する感覚的な経験がどうしても必要なのである(中略)とにかく京都修学旅行は、ぜったいにオトナになってからがおすすめである"2001年発刊の本書は単なるブランドではない『京都の眺め方・楽しみ方の勘どころ』を教えてくれる良書。

個人的には移住を機に、あらためて京都のお寺や旧跡巡りを楽しんでいる事から本書についても手にとってみました。

さて、そんな本書は誌面で展開されていた、日本美術史研究者と、職業"赤瀬川原平"の2人による『日本美術史応援団』が前作の『日本美術応援団』に続く第二弾として、今度は修学旅行の定番になっているような、金閣から始まる誰もが知る京都の観光名所をあらためて歩いて【なかなか気づかないような面白さを発見】紹介してくれているわけですが。

まず"まえがき"で赤瀬川原平が書いているように、率直に言って私も修学旅行時はもちろん、せっかく大学時代も京都で過ごしながらお寺や襖絵、仏像には【古さ以外は全く感じてこなかった】のですが。人生も後半戦、また多少は美術を齧ったり、移住した事でようやく味わいに気づき?俄然として観光名所を再訪【味わいつつ学び直している】進行形的なタイミングだったので、本書は兎角面白かった。

一方で、本書内で本人たちは謙遜しつつ【応援団として好き勝手に発言している】様に言ってますが、そこは日本美術史の専門家・大学教授、そして"もと"前衛芸術家にして芥川作家の2人。注釈や補足なしで語られている内容は【ある程度は日本史や美術史をかじってないと】人によっては多少わかりにくいかもしれませんが。そんな事もさておいて【おっさん2人の楽しげな様子が伝わってくる】のが気持ちいいんですね。これが。

金閣に銀閣、清水寺に平等院などなど。あまりにも有名な場所を【ちゃんと眺め直したい】オトナな方へ。また京都への旅のお供の一冊としてオススメ。

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