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賢者のおくりもの

"およそおくりものをする人々のうち、このふたりこそは、もっともかしこかったのです。(中略)どこに住んでいようと、かしこさにはかわりありません。彼らこそ賢者なのです。"1906年発刊の本書は、短編の名手として知られた著者の代表作の1つにして、クリスマスのギフトに最適な一冊。

個人的には【クリスマスに贈る大人向け短編】といえばこれかな?と久しぶりに検索すると美しい挿絵がついたバージョンが出ている事を知り、手にとってみました。

そんな本書は【新約聖書のエピソードを下敷きに】して、クリスマスに互いのプレゼントを買うために、自分のいちばん大切な宝物を手放してしまう若く貧しい【夫婦のすれ違いを描いた】普遍的な物語なのですが。国際アンデルセン賞1990年画家賞受賞のオーストリア人画家のリスベート・ツヴェルガーの挿絵がとても素晴らしく物語の魅力を引き上げてくれています。

また、最初に【大人向け】と書きましたが。子供への読みきかせ等には、プレゼント自体ではなく【互いを思いやる気持ちの大切さ】を説く本書は、解説を加えてあげないと、少しわかりにくいかも?とお節介に思ったりもしました。

クリスマスギフトに贈る本を探す誰かへ。80年代に流れていたシャディのTVCMを懐かしく思う誰かにもオススメ。

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