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お寺に泊まる京都散歩

"この本の目的は、単に京都の宿坊を紹介することだけではありません。宿坊に泊まってわどんなふうに歩けば仏教とその周辺の文化を知ることができるのかという、わたしなりのゲームのテクニックをお伝えしたい。"2008年発刊の本書は寺旅研究家による京都、寺と仏像、宿坊を巡る冒険エッセイ。

個人的に京都の神社巡りは好きなのですが、お寺や宿坊はあまり詳しくないので、興味を持って手にとりました。

さて、そんな本書は雑誌編集に携わった後、充電期間中に寺と仏像の面白さを知り"日本唯一のテラタビスト"になったと自称する著者が【京都らしい気分が味わえて、経済的なお宿はないものだろうか】と試行錯誤した上で辿り着いた【『宿坊』(お寺併設の宿泊施設)の魅力】そして"お寺の宝庫"京都の仏教カルチャーを、妙心寺、萬福寺、浄蓮華院、知恩院、興正寺、妙蓮寺、智積院、円満院、比叡山延暦寺を拠点にした9つの旅、そして珠玉の宿坊6選紹介といった形でわかりやすく伝えてくれているわけですが。

まず、京都、お寺巡り初心者なりに京都市内の地図上での『お寺の現在配置』を見ながら"なぜ、この場所にあるのだろう?"と考え、薄々と気づいていた【仏教宗派の"陣取り合戦"の歴史について】著者のわかりやすい仏教解説で確認できて。わかる人しかわからないであろう【京都の歴史認識レイヤーがレベルアップしたような興奮】を覚えて、1人盛り上がってしまった。

また、本書は著者自らの経験に基づき、主に【女性京都ひとり旅】を考えている方、されている方を対象にした情報が掲載されていますが。そうでなくても、やはり『宿坊』に泊まる方は全体的にはまだまだ少ないと思うので。貴重な内容になっているように思いました。

京都旅、お寺(仏像)巡りが好きな全ての人に。また気軽な女性一人旅エッセイとしてもオススメ。

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