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PUBLIC HACK

"ある公共空間が利用者から『選ばれない』ということはあったとしても、その公共空間が利用者を『選ぶ』ということがあってはならないはずです。"2019年発刊の本書は研究者にして実践者の著者による、人の生活行為、認識により形成されるまちに着目し『公共空間の在り方』に一石を投じた、まちづくり関係者必読の一冊。

個人的には私自身、公共空間を使用したイベントを許可をとってのライブパフォーマンスから、ゲリラ的に覆面被ってソーメンを配ったりと何度も開催してきた事から、本書始めの"まちが不自由になっている"から始まる著者の一文に強く共感を抱く部分があり本書を手にとりました。

そんな本書では、窮屈でシステム化された公共空間で【サービスの受け手】に留まるのではなく、自ら実践者として公共空間を活用すべし!と前半部分では水辺ランチから流しのこたつ、芝生シアターといった実践者たちの紹介及び【具体的に一歩踏み出す為のアドバイス】を。そして後半では公民連携が抱える構造的課題を指摘した上で、こちらもアオーレ長岡、うめきた広場、羽根木プレーパークといった【各地の好事例紹介】をしてくれているわけですが。地域活性化ブームの今、個人から関係者まで、幅広く刺激を受ける一冊なのではないかと思いました。

また、公共空間を活用する際の"何となくのタブー"の多くが取り締まる側も【法的根拠なく行っていたり】誰かの正義面をした【イメージ貧しい善意からの通報】により日々形成されていっている事も本書で確認できて。こちらもイベント企画者として何度も関係者の無理解さを実感していることから、ため息をついてしまったり。

公共空間に窮屈さを感じている人へ。また公民連携の名のもとに誕生する商業施設に違和感を感じている人にもオススメ。

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