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40歳からは自由に生きる

"40歳を過ぎたなら、生物学的にはおまけの人生なのだから、世間の常識は無視して、あるいは、なかなかそうもいかない人も、無視していないふりだけして、自由に生きたほうがいいよ。人生は短い、アホな常識と付き合っている暇はない"2022年発刊の本書は生物学者による『自分優先』生き方提言書。

個人的には私自身が40代ということもあり、興味をもって手にとりました。

さて、そんな本書は複数の大学で名誉教授をしながら悠々自適の生活をおくっている生物学者の著者が【人間の生物学的な自然寿命は38歳である】から、それ以降の人生は"おまけ"として【自分の欲望を解放しながら楽しく、面白くいきるべし】と、クマムシやハダカデバネズミ、アホウドリやライオンといった生物の多様な生や性と比較しながら世間の常識に縛られず、一方で【自分自身の規範を立てて、なるべくその規範を守って生きる】大切さを提案しているのですが。

まあ、生物学的な『寿命をとっくに超えている』と言われるとゾンビみたいで身も蓋もない気持ちになってしまいますが。しかし、まわりの40代以上を眺めるに、ますます社会的な地位や"正義"や"正解"といった『世間のしがらみ』(フィクション)を意識したり、あるいはもう若者でもないのに未だにSNSで【他者承認を得るのに必死になっている姿】も散見する気がして。この位にはっきりと断言してくれた方が良いのかなあ。とも思いました。

一方で、学者らしく。われわれは【どのように進化してきたか】と、38億年前からの生物誕生から振り返っている第3章は、丁度今年。ダーウィンやメンデルを読んでいたこともあり、知識がつながる感覚があって、著者の提唱する『構造主義的進化論』と共に興味深く読むことができました。

人生の午後世代の気軽な読み物として。また生物学好きにもオススメ。

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