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何が変わり、何が変わらないのかを見極めること【本:WORKSHIFT】

この本が出版されたのは2012年。もう、あれから10年になるのか、と思いながら、この本が描いた2025年まであと3年。WORKSHIFT孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>by リンダ・グラットン(ロンドン・ビジネススクール教授、現在シンガポール政府のヒューマンキャピタルアドバイザリーボードメンバー)。その後、LIFE SHIFTが2016年に出版された。時が過ぎるのは、本当に一瞬だ。

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・どこで働けば、いちばん稼げるのか?未来に備えて、どういった能力を磨けばいいのか?どのようなキャリアの道筋を描けばいいのか?私たちは、誰から仕事の報酬を受け取るのか?私たちは、どこに住んでいるのか?私たちは、どのような仕事をしたいと思うのか?自分のために、そして未来の世代のために、何を必要と感じるのか?なにが原因で夜眠れないほどの不安を感じるのか?

・サバティカル:長期間仕事を離れて、学校に通ったり、ボランティア活動などをしたりして過ごす骨休め休暇

今、私の周りには各国での仕事を離れて、大学院に通っている学生が多いけれど、彼らは決まって「日本を選んだというか、大学院に選ばれた。サバティカルの感覚で来ている」と言う。それも、ありなんじゃないかと常々思う。

確かなことはわからなくても、未来がどうなるかというおおよその方向を知り、自分の志向と価値観に沿った一貫した視点を得る必要がある。未来を正しく予見できれば、落とし穴を避け、チャンスを手早くつかめる場合がある。どういう能力を身につけ、どういうコミュニティや人的ネットワークを大切にし、どういう企業や組織と深くかかわるべきかを判断する際に、その点が重要になる。
・仕事のやり方に革命的変化が起きるとき、その中核には必ずエネルギーの変化がある
・難しいのは、何が変わり、何が変わらないのかを見極めること。「未来はすでに訪れている。ただし、あらゆる場に等しく訪れているわけではない。」

・働き方の未来にとりわけ大きな影響を及ぼす5つの要因

1.テクノロジーの進化
⇒テクノロジーが飛躍的に発展(コンピュータのコストが急速に下落、比較的安価な携帯端末)
⇒世界の50億人がインターネットで結ばれる(巨大都市圏だけでなく、農村部でも進む)
⇒地球上のいたるところで「クラウド」を利用できる(グローバルなインフラ)
⇒生産性が向上し続ける(過程で重要なのはテクノロジーよりも企業文化、チームワーク等)
⇒ソーシャルな参加が活発になる(ユーザー発のコンテンツ増加、社外のアイデアや活動の取組)
⇒メガ企業とミニ起業家が台頭(世界を舞台にビジネスを行う大企業)
⇒バーチャル空間で働き、アバタ―を利用することが当たり前になる
⇒人口知能アシスタントが普及する(データ整理、課題の優先順位を判断する人口知能の普及)
⇒テクノロジーが人間の労働者に取って代わる(工場、高齢者のケア等あらゆる分野でロボット利用)

2.グローバル化の進展
⇒24時間、週7日休まないグローバルな世界が出現
⇒新興国の台頭(国際貿易の勢力図を書き換える。ブラジル、中国、インド等)
⇒中国とインドの経済が目覚ましく成長(世界の工場、世界のバックオフィス(先進国企業の業務受託))
倹約的イノベーションの道が開けた(途上国でコストをかけずにイノベーション→先進国に輸出)
⇒新たな人材輩出大国が登場(世界はインドと中国にエンジニアと科学者の人材を求め始める)
⇒世界中で都市化が進行する(メガシティで人口増加、イノベーションの集積地(クラスター)も増加)
⇒バブルの形成と崩壊が繰り返される(先進国の人々の消費減少→貯蓄を大幅に増やす必要性を感じる)
⇒世界のさまざまな地域に貧困層が出現(先進国を含めて、あらゆる場所に存在する)

3.人口構成の変化と長寿化(世代、出生率、平均寿命の三要素の影響)
国や地域によって出生率が違えば、労働職と専門技能の供給量に格差が生じ、国際的な労働者移住が活発になる。出生率の低下、平均寿命の上昇、多くの国で移民を大量に受け入れていないことが原因で、労働力人口の高齢化が急速に進んでいる
⇒Y世代(1980年~95年頃の生まれ)の影響力が拡大(ワークライフバランスを重んじる)
⇒寿命が長くなる(60歳を過ぎても働き続ける人が大幅に増える)
⇒ベビーブーム世代の一部が貧しい老後を迎える(高齢者になったベビーブーム世代のかなりの割合が職に就けず、グローバルな貧困層に仲間入りするおそれがある)
⇒国境を越えた移住が活発になる(農村から都市へ、他の国へ、あるいはケアや支援に関わる職に就く人たちが途上国から先進国に移住するケース)

4.社会の変化
⇒家族の在り方が変わる(世界中で家族の規模が小さくなる)
⇒自分を見つめ直す人が増える(何が大切なのか?どういう人生を送りたいのか?)
⇒女性の力が強くなる(企業のマネジメント層やリーダー層で女性が担う役割が大きくなる)
⇒バランス重視の生き方を選ぶ男性が増える(所得を減らしてでも、家族と過ごす時間を多く取る傾向)
⇒大企業や政府に対する不信感が強まる(企業や政府、リーダーに対する信頼感の弱まり)
⇒幸福感が弱まる(消費が拡大→人々の幸福感が減退)
⇒余暇時間が増える(作業の効率化、思考の余剰→その時間をより生産的な活動に用いる)

5.エネルギー・環境問題の深刻化(2030年頃までには、エネルギーと気候変動の問題が世界の最重要課題。石炭には大気汚染などの弊害があり、原子力発電は核燃料廃棄物を生み出す。交通手段の利用を減らすために在宅勤務が増える。化石燃料に依存しないエネルギー源(eg風力発電、太陽光発電)の開発を推し進めなくてはならない)
⇒エネルギー価格の上昇(モノの輸送や人の移動を減らす必要性が大幅に高まる)
⇒環境上の惨事が原因で住居を追われる人が現れる(温室効果ガス排出、地球温暖化、干ばつ、熱波)
⇒持続可能性を重んじる文化が形成されはじめる(贅沢な消費に歯止めがかかる)

・世界の50億人がインターネットにアクセスし、つながり合う世界が出現すれば、ゼネラリストの時代が幕を下ろすことは明らか。「専門技能の連続的習得」を通じて、自分の価値を高めていかなくてはならない。未来にどういう技能と能力が評価されるかを知り、その分野で高度な技能を磨くと同時に、状況に応じて柔軟に専門分野を変えるかを求められる。
・職業生活とキャリアを成功させる土台が個人主義と競争原理であるという常識を問い直すべき。私たちが、いつも時間に追われ、孤独を感じる傾向がさらに強まれば、人間同士の結びつき、コラボレーション、人的ネットワークの重要性がきわめて大きくなる。(コ・クリエーションとソーシャル)
・胸躍る経験
・2025年までに、世界の50億人以上が携帯端末で結びつくようになる
・働き方の未来を考えるうえでは、18世紀後半以降の第一次産業革命と、19世紀半ば以降の第二次産業革命が手掛かりになる。家族のあり方や、消費に対する姿勢など、社会の変化を深く見通すうえでは歴史を知ることが有益。

・人の移動を減らしてエネルギー消費を抑えるために進められる人間関係のバーチャル化、故郷を離れて暮らす人の増加、都市化の進行、組織に対する信頼感の低下にともなう人々の孤立と孤独
・変化におしつぶされないために私たちは3つのシフトをおこなう必要がある。
1 広く浅い知識しか持たないゼネラリストから、高度な専門技能を備えたスペシャリストへのシフト
2 孤独に競い合う生き方から、ほかの人と関わり協力し合う生き方へのシフト
3 大量消費を思考するライフスタイルから、意義と経験を重んじるバランスの取れたライフスタイルへのシフト

・時間に追われる毎日
・時間に追われるようになると、真っ先に失われるのは、ものごとに集中して取り組む時間。(長時間集中して観察を続けること)高度な専門技能を習得した人々の共通点は、技能を磨くために長期間集中して打ち込むことが苦にならないこと。
・技能を自分のものにするには、10000時間を費やせるかどうか。1日に3時間×10年はかかる。
・あまりに忙しくなると、仕事の作業の手を休めて、自分より高度な技能の持ち主の振る舞いを観察する時間もなくなる。自分の技能を高めるためには、達人たちの仕事ぶりを観察し、自分との細かな違いを知ることが不可欠だ。
忙しくなりすぎれば、遊びの要素も失われる。いつも仕事に追われてばかりになると、同僚とジョークを交わす時間が減る。魅力的だけれど成功への道筋が見えないプロジェクトに挑戦する時間が減る。遊び心を発揮し、ものごとを楽しむ時間が減る。働く喜びをかみしめる時間が減る。

・新興国:ブラジル、中国、インド、メキシコ、ロシア、韓国+エジプト、ナイジェリア、トルコ、インドネシア、マレーシア等
・ビジネスの世界で競争が激化する結果、雇用は新興国など、賃金の安い地域にますます流出する。
・新興国は人口が多く、国内に消費者と労働者を潤沢に抱えている。新興国の企業は大量生産を得意とし、新しい市場を拡大していく可能性が高い。先進国の超優良企業のなかに、すでに新興国にイノベーションと成長の源泉を求める動きがある。

・孤独にさいなまれる毎日
・一度も会ったことがない人からプログラミングの仕事を受注し、途方もなく遠い場所にある企業のために、ときにははじめて連絡を取り合う人たちとチームを組んで仕事をしている
・豊かな先進国では概して、人々の幸福感が減退している。GDPがある程度の水準に達すると、それ以降は収穫逓減の法則が作用し、所得が増えてもそれまでほど幸福感が高まらなくなる

・3つのタイプの人的ネットワーク
1.ポッセ(同じ志をもつ仲間)
2.ビッグアイデア・クラウド(大きなアイデアの源となる群衆)バーチャル空間もOK
3.自己再生のコミュニティ(リラックスできる人々)

・どこで生まれたかではなく、才能とやる気と人脈が経済的運命の決定要因になる
・一般に、格差が大きいと、人間は他人を信頼しなくなる傾向がある。信頼が減退すれば、人々はあまり協力し合わなくなり、ものごとを共有しなくなり、他人の行動に関して楽観的な考え方をしなくなる
・不安を感じさせる最大の要因はおそらく、自分が成功していないという思い。自尊心が傷ついたり、社会的地位が脅かされていると感じたりするとき、成功している人と自分の差を思い知らされれば、自尊心が傷つき、劣等感が強まる。
・どのようなコミュニティに帰属しているかは、自分自身の価値や社会的地位をどう考えるかという点以上に、その人の心理に強い影響を及ぼす。
・2025年の人々は、自分の社会的地位に不安を感じているので、謙譲の美徳を実践するより、自己アピールに余念がない
・ハイテク産業に支えられている都市圏は、アメリカのシリコンバレーだけでなく、インドのバンガロールやアイルランドのダブリン、イスラエルのテルアビブなどの新興勢力とも競い合わなくてはならない
・メガシティの下層階級は、次第に都市の周辺にスラム地区を形づくるようになる。2020年までに、世界の15億人がスラム地区で暮らすようになると予測されている。このうち、4億人がアフリカ、8億5千万人近くがアジアの住民。
・地方部の人々がどのような経済的境遇に置かれるかは、テクノロジーをどの程度利用できるかによって決まる面もある。
・業務発注者とフリーランスを結ぶ「オ―デスク」
・国内に大きな格差が存在することの弊害は見過ごせない
・平等な社会に比べて経済発展が実現しづらく、政治が不安定化し、社会システムの効率性がそこなわれやすいうえに、子どもの死亡率が高く、教育水準が低く、平均余命が短い傾向がある。
・2025年には65歳以上の人が世界の人口の10%を占めるようになる
・2025年までに、アメリカと多くのヨーロッパ諸国、日本では、ベビーブーム世代の大半が一線を退く。この世代以降は、年金だけでは老後の生活を支えられない人が増える。同じ会社に5年以上勤める人が珍しくなる。そうなれば、勤務先の会社の企業年金制度を利用して継続的に年金拠出を続ける人も減る可能性が高い。
・将来、先進国の政府の規模が縮小されて、ボランティア団体や非営利組織の役割が拡大し、65歳以上の人々は、そういった組織の職に就く可能性が広がる。
・2025年の職業生活の暗い側面
時間に追われ、腰を据えて高度な専門技能を学ぶことができない
気楽な仲間関係や家族との密接な結びつきを得られず、孤独な生活を送っている。グローバルな人材市場に加われず、先進国の住人でありながら新たなグローバル下層階級の一員となっている

・ひたすら消費を追及する人生から脱却し、創造的になにかを生み出す人生に転換すること。
・未来に価値をもつ専門技能と能力を見極めて、それを身につけ、新たに価値をもちはじめた専門分野に次々と脱皮していく心構えをもつこと。

・異なる専門技能や世界観、意見をもつ人たちがアイデアを共有し、それを発展させていくケースが増える
・1950年代に生まれたベビーブーム世代の人々は、同世代の人口が非常に多いので、他人と競争することが当然だと思って生きてきた。この世代は消費することを習慣づけられて育った世代でもある。自分の人生にとって最も重要な人物は直属の上司とその上司。出世の階段を上るために最も重要なのは、上司のご機嫌を取ること。
・インターネット利用環境を整備するうえで、経済的な豊かさ以上に重要なのが政治の意思
・自分が情熱をいだくことができ、自分の職業生活を価値あるものにできると思える分野で、専門技能を身につけるために打ち込む必要がある
・職業生活でなにを望み、それ実現するために、どのような代償を覚悟するのか?
・今の世代の、仕事での不満で多かった回答は、ベビーブーム世代の上司が過剰に管理しだがる一方で、十分なコーチングをしてくれないことが不満だというもの。
・私たちの世代は、職務内容うんぬん以上に、上司から多くのことを学べるという理由で仕事を選ぶことがけっして珍しくない。
・仕事の世界で、若い世代は大きな自由を求める。専門分野の技能に磨きをかけ、労働市場で自分の価値を向上させたいと思い、目の前の仕事だけでなくもっと大きな取り組みに参加したいと望んでいる。この世代の一番手ごわい点は、自分たちの願望を雇用主が満たさない場合に我慢する時間がきわめて短いこと。短期志向で、プロジェクト単位で働く意識が強く、少しでも不愉快なことがあればさっさと辞める。内省性が強く、自己啓発書が多くある。
・変化を加速させる要因の1つは法改正。Egノルウェーでは、2006年、取締役の40%以上を女性とすることを企業に義務づける法律が制定された。
・2025年の世界では、社会問題を解決するために市民運動に加わる人が増える。eg一部の工場で労働者が劣悪な労働環境で働かされている実態を告発すること
・新たな人材輩出大国であるインドと中国の学生が学んでいるのは理工系の学問。欧米の学生は学ぶジャンルが人文系の学問や芸術等も含めてきわめて多岐にわたる。
・人材を確保し、流出を防ぐことが大きな課題となる。
・日本は1950年代以降、数々のイノベーションを成し遂げてきた。今、研究開発とイノベーションは、一握りの先進国だけではなく、北京ではナノテクノロジーとバイオテクノロジー、ソウルではデジタルメディアと遺伝子研究、ブラジルではバイオ燃料、ポーランドでは自動車関連技術のイノベーションが極立っている。世界経済のエネルギーがアジアに移りつつある
・未来の職業生活に向けて準備するのは、刺激に満ちた経験。自分に合ったオーダーメイドのキャリアを実践するためには、主体的に選択を重ね、その選択の結果を受け入れる覚悟が必要。

・仕事の世界で必要な3種類の資本
1 知的資本の強化。広く浅い知識ではなく、いくつかの専門技能を連続的に習得していく必要がある。
2 人間関係資本。人的ネットワークの強さと幅広さ。
3 情緒的資本。自分自身について理解し、自分のおこなう選択について深く考える能力、そしてそれに加えて、勇気ある行動をとるために欠かせない強靭な精神をはぐくむ能力

1 さまざまな専門技能を次々と身につけることを意識して行動し
2 いろいろなタイプの興味深い人たちとつながり合うために善良に、精力的に振る舞い
3 所得と消費に重きを置くのではなく、情熱をいだける有意義な経験をしたいという思いに沿った働き方を選択する必要がある

・未来の仕事の世界で成功できるかどうかを左右する要因の一つは、その時代に価値を生み出せる知的資本を築けるかどうか
・専門技能の連続的習得…未来の世界でニーズが高まりそうなジャンルと職種を選び、浅い知識や技能ではなく、高度な専門知識と技能を身につける。その後も必要に応じて、ほかの分野の専門知識と技能の習得を続ける
・セルフマーケティング…自分の能力を取引相手に納得させる材料を確立する。グローバルな人材市場の一員となり、そこから脱落しないために、そういう努力が欠かせない。
・広く浅い知識しかもっていない「なんでも屋」はオフィスで隣に座っている同僚や他国籍の同じ仕事をしている人たちとだけ競えば良いのではなく、最大のライバルは浅い知識や分析結果を手軽に提供するテクノロジーの数々。
人材会社…旅行と違い、求人は企業機密にもなるので、オープンな情報ではない。機械では補えない点が多々ある。

・高い価値をもつ専門技能の3条件
1 その技能が価値を生み出すことが広く理解されていること(時代により変動する)
2 その技能の持ち主が少なく、技能に対する需要が供給を上回っていること(希少性の高さ)
Eg.世界の多くの産業では、向こう20年間に退職する技能労働者の数に比べて、新たに働きはじめる人の数が際立って少ない。航空宇宙産業はその典型。サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、プロジェクトマネジメントなどの専門職の人材が足りなくなりはじめている。
3 その技能がほかの人に模倣されにくく、機械によっても代用されにくいこと
その専門技能は、まねされにくいか?ロボットの普及により、サービス産業やケア産業の雇用が奪われる恐れがある

・未来に押しつぶされないキャリアと専門技能
1 草の根の市民活動…問題解決のためのイノベーション、有効性が実証された方法を率先して取り入れる。ボランティア活動や啓蒙活動に携わりたい人の為に充実した支援プログラムを用意。
2 社会起業家…自分のリーダーシップの技能とマネジメントの手腕を活用。社会起業家たちは、単独で活動するだけでなく、連携して社会変革を目指す。egオーストラリアでは「ヤング・ソーシャル・パイオニアズ」というプログラムが若い社会起業家向けの教育・訓練と資金援助を提供
3 ミニ起業家…会社などに雇われずに独立して働いている。大企業の中核に成り立つビジネスのエコシステムの中で働く人が多くなる。
4 専門技能(eg生命科学・健康関連、再生可能エネルギー関連、創造性・イノベーション関連、コーチングケア関連)…
生命科学:アジアで最大規模の生命科学産業の集積地は、シンガポール。日本は神戸・大阪。
再生可能エネルギー関連:風力発電、太陽光発電、波力発電
創造性・イノベーション関連:クリエイティブ・クラス。アートやデザインの要素を取り入れられる領域が拡大し、美的・知的産業が形成されつつある。ごく一握りの勝ち組に富が集中する可能性が高い。アニメーター、陶芸家、ファッション・コンサルタント、インテリア・デザイナー、牧師、ウェブサイトクリエーター等。
コーチング・ケア関連:「有償のケア」Computing, Caring, Catering, Consulting, Coaching
一人一人に合わせて受診コンテンツや広告の選別(ナローキャスティング)
この関連職は、顧客がいれば、どこにでも仕事は発生する。

・未来に向けてシフトをおこなうためには、さまざまな選択肢を深く理解し、それぞれの選択肢を選んだ場合に得るものと失うものを知っておく必要がある。
・高度な専門知識と技能を身につけるうえで「場所」がいっそう重要になる可能性が高い。学ぶべき点のある人たちのそばに身を置く必要性が高まる。どこで生活し、どういうコミュニティの一員になるかが、これまで以上に大きな意味をもつようになる。そして、同様の技能をもつ人たちから自分を差別化する必要がある。
・子供のように遊ぶ必要性。普段は接点のない要素が組み合わさる。通常の仕事上の人間関係にとどまらない人的ネットワークを築け、多様なアイデアや手法を試せる。

・頭で理屈を考えてから行動を変えるのではなく、まず行動を変えたことにより、考え方が変わった。
・昔の情熱を再発見したり、一つの思いつきをきっかけに新しい専門技能を習得したり、まったく新しい道に踏み出したり。
・新しいチャンスが目の前に現れた時、道の世界にいきなり飛び込むのではなく、新しい世界を理解するために実験をすること。自分と違うタイプの大勢の人たちと接点を持つ。本業を辞めずに、副業という形で新しい分野に乗り出すこと。「前に大きく飛躍するためには、跳ぶ前に一歩下がらなくてはならない」
・流動的なフリーエージェント型の働き方をする人は大きな充実感を味わえる反面、問題は、仕事の世界で「見えない存在」になりがちなこと。長期間にわたり同じプロジェクトに携わるケースが少なく、仕事上で関わり合う顔ぶれが頻繁に入れ替わり、一人ひとりが自分の専門技能をたえず変化させていくので、どうしてもそうなりやすい。大企業に勤めるということは、多くの人に自分の存在を認識してもらいやすい立場を手に入れるということ。自分の能力を証明する努力をほとんどしなくてよい。

・カリヨンツリー型のキャリア
・精力的に仕事に打ち込む期間と、長期休業して学業やボランティア活動に専念したり、仕事のペースを落として私生活を優先させたりする期間を交互に経験し、ジグザグ模様を描きながら仕事のエネルギーや技能を高めていく
・自分の暮らしている地域とは別の土地でボランティア活動をおこなう人が増え始めている。イギリス発祥のプロジェクトアブロードでは、16歳~75歳のボランティアたちが、25か国で教育や人権保護、ジャーナリズム等の分野で活動している。
・今後、長期休暇を奨励したりするケースが増えるのにともない、人々がそういう余暇時間を有意義に活用する機会をさまざまなボランティア団体が提供するようになる。

・ポッセのメンバーを引き付けるには、まず自分が積極的に「発信」し続けなくてはならない。その際、自分がなにを成し遂げたかではなく、どういう難題にぶつかっているかを語ることが重要だ。あなたが何に関心があり、どういう課題を抱えているかを語って、初めてほかの人たちは、どうすればあなたと共同行動が取れるかがわかる。

・普段あまり行かない道を歩くこと eg自分が普段はやらないような活動をするクラブに参加したり、専門外の分野のセミナーを受講したり、ほかの部署やよその会社の会議に飛び入りで参加したりする
・おもしろくて知的興奮を与えてくれる人と思われるようになること、そして、自分にアプローチする方法をほかの人たちにわかりやすく示すことが重要

・住む土地を選ぶ
・他の土地に比べて、住む人が幸福になれて活力を得やすい土地がある。第一に、知的興奮を味わえ、創造性が刺激されること、公園や公共のスペース、文化行事などは、創造的なエネルギーを生む。自分らしく生き、自分を自由に表現し、自分の個性をはぐくめること、そうした自己表現は、人と人との違いに寛容で、自由な雰囲気の土地ほど実現しやすい。オープンエアのカフェがたくさんあり、自動車で移動するより徒歩で移動することの多い土地は、他の人と知りあい、友達になりやすい。そして、地元に誇りを抱きやすいこと。eg 有名選手の出身地等

・イギリスの雑誌「モノクル」が毎年発表している住みやすい都市ランキング
コペンハーゲン、ミュンヘン、チューリヒ、ヘルシンキ、ウィーン、ストックホルム、モントリオール、バンクーバー、メルボルン、シドニー、福岡、京都+アメリカでは、ミシガン州アナーバー、サンフランシスコ、コロラド州ボールダー、カリフォルニア州サンタバーバラ等

・時間に追われ、他人の要求に対応することに忙殺されると、深い友情のためにつぎ込むエネルギーと意欲がすり減ってしまう
・自分の前にある選択肢の一つ一つを深く理解し、それぞれの道を選んだ場合に待っている結果を知的に分析したうえで、行動に踏み切る勇気をもつ必要がある。
・職業生活の質が仲間との関係に大きく左右されることはわかっているはずなのに、多くの企業はこの点に無関心に見える

・なぜ、私たちは働くのか? 

→このテーマの質問を世界各地の人々に聞いて周るのも良いかも


・私が働くのは、学ぶため。自分のアイデアを全て実現したいと思っている。私にとって、仕事は学習のための素晴らしい場。
・毎年一か月仕事を休んで、支援している慈善団体の活動に携わることができる。
・自分を厳しい環境に追い込み、自分の技能を向上させていると感じられるのは、素晴らしい経験だと思っている。

・職業人生を通じて、自分が興味をいだける分野で高度な専門知識と技能を習得し続けること。
・友人関係や人脈などの形で人間関係資本をはぐくむこと。
・創造的に何かを生み出し、質の高い経験を大切にする働き方に転換すること。
・先進国の若者たちは、耐え難いほど重い負担に苦しむようになる。その重荷を和らげるためには、移民労働者に門戸を開放し、技能労働者とケア関連の労働者を受け入れることが避けられない。


別の本:

『クリエイティブ都市論』byチャード・フロリダ 
デコボコな世界…クリエイティブ・クラスター(創造的人材の集積地)、巨大生産拠点、メガシティ、地方部の4つのタイプの地域に分かれるという
クリエイティブ・クラスターには、わがままにこたえる仕事に就く人たちも集まる。Egマッサージ師、美容師、料理人、旅行代理業者、コーチ、教師、小売業者等
『フラット化する世界』byトーマス・フリードマン
世界は平坦になりつつあると主張

創造の場所であるカフェ代のサポートを頂けると嬉しいです! 旅先で出会った料理、カフェ、空間、建築、熱帯植物を紹介していきます。 感性=知識×経験 மிக்க நன்றி