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日本のインバウンド観光回復までの程遠い道のり

ある観光人材育成講座を受講していて、一応、航空業界や観光業界では広く知れ渡っている(と思っていた)以下の情報が、あまり知れ渡っていないことを感じ、そもそも知られていないのか?日本では知られていないのか?というかそもそも飛行機利用しなければ無関心なのか?いろいろ状況を探ってみたけれど、講座でも言われていた通り、日本の「航空旅客数の回復の遅れ」の原因が、ひとつ、人々の感染を恐れた飛行機利用離れがあるのだとすれば、世界と比較した「航空旅客数の回復の遅れ」は、そのまま国際線の回復、ワクチンパスポートの普及、インバウンドの回復等、その後も様々な場面での「遅れ」が生じるのだろうな、と半ば遠い目で物事を俯瞰していた。

『IATAは2020年10月1日に、2020年1月からこれまで、12億人の航空利用者に対して44人の感染者が確認され、感染率は2700万人に1件というレポートを公表しました(たとえ90%が未報告であったとしても、270万人に一人)』

この1年で、国際線、国内線を20回程利用し、とてつもなく低い搭乗率に驚きながら(国際線は路線や時期にもよるけれど目視で搭乗率5%以下)、上記で説明されているような空気循環や機内の構造うんぬん以前に「隣前後に全く他の乗客がいない」ソーシャルディスタンスで、何よりも航空会社の経営を心配した。

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出発前・・・とかではなく、飛行最中。「横になって寝れるわ~」とか以前なら喜んでいたはずの席も、ここまで空くと「これでよく飛ばしてくれているな・・・」と思う。で、こんだけ空いているのに、結局真面目に1席だけを使い、映画鑑賞に浸る。

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少し前の日本の成田空港。今もそんなに変わらないんじゃないかな?多いときは、この番号が書かれた椅子に座りながら、ここで書類提出を行って、その後PCR検査、アプリのダウンロードへ。なんか、暗い。明かりが、というか、空気が重い。

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空から見えた山々は、人間の状況など関係なく、ずっと長い年月この景色を見せていたんだろうな。

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たぶん、ほとんどのフライトは窓側。そして、常に機内では自然とソーシャルディスタンス(皆さん窓側)。

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月がキレイに見えたフライト。

日本のインバウンド観光業界では、航空会社やインバウンド観光の需要回復はいつかといろいろ予測を立て、計画を練り、生き延びよう、ということだけれど、この業界にいればいるほど、日本に蔓延る「何かあったらどうするんだ」問題は、とても根深く、物事が進むのが本当に遅いことを痛感する。

私にとっては、そもそも飛行機が飛ぶこと自体がまだ摩訶不思議な点が多く、いつも乗る度に「最期の言葉」を考えているくらいだけど、むしろ「何かあったらどうするんだ」とか言ってたら何もできない悔しさのほうがでかいし、もっとそのエネルギーを別のことに使ったほうが良いのではないかとさえ思う。

100%安全は無いし、いつでもやっぱり空の景色は素敵だなと思うし、移動せずに怯えてこの世界を見ずに終えること程悔しいものは無い。

ちなみに、米国LCC最大手であり、旅客客数世界ナンバーワンのサウスウエスト航空。この航空会社は、とにかく「従業員の幸福第一主義」をうたっていて、その企業理念が、柔軟な対応やユーモアなセンスを生み出し、顧客満足度にも繋がっている。コロナ禍でも急速な需要回復を経験し、第二四半期は黒字化、今月にはまた派手な機体デザインの飛行機を就航。これは創業50周年を記念したもので、Freedom Oneというネーミングもまたサウスウエスト航空らしい。

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サウスウエスト航空にも何度かお世話になって、時に宇宙空間のような機内の演出に驚かされ、長年の友人のような居心地のよい接客を行う従業員の方々に好感を持ち(ヨーロッパのいくつかのLCCとは大違い・・・あと同じアメリカでも航空会社によって雲泥の差・・・)、機内で結婚式を行ったパイロットの記事にも、非常に注目を惹く緊急事態の場合の説明等にも、この会社が人々に支えられている理由がよくわかる。

結局、何の解決にもならないような、とりとめのない内容になったけれど、国際観光需要の回復に向けて、日本はコロナ感染対策がたとえ「成功」していると見なされたとしても、「失敗」だと見なされたとしても、結局、本来の2019年ベースでの回復までには、程遠い、そんな感じがしている。

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