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なにが「ミレニアル世代」を駆り立てるのか

シンガポールの、同じく「ミレニアル世代」の友人がFacebookで共有していて、膨大な量の文章や情報の中でも、なぜかずっと心に残っている記事。これは2015年、もはや3年前に書かれた記事なので、情報社会の中で「古い」と思われがちだけど、デロイトの統計と共に非常に示唆に富んだ内容だった。

正式な日本語訳があるのかは知らないけど、タイトルを訳すと「ミレニアル世代は親世代が考える『出世の道』を捨てて転職を選び取ろう(大事にしよう)」。これは、あくまでも考え方、マインドセットであって、決して「転職しよう」とか「出世は不要」といった内容ではない。

筆者は元連邦政府勤務という「安定の道」を進んできた28歳の頃、高年俸、名声を捨て、ライターの道を歩んだ方。帯状疱疹にかかり、自分の価値観に沿った人生を改めて考える時期があったという。

仕事を辞めてから、同じミレニアル世代の人々に向けて、「若い人々の価値観に沿った仕事の追求の仕方」について書いたりプレゼンしたりするようになり、今の若い世代は「お金ではモチベーションが上がらない」こと、より「思いやりがあり、革新的で、持続可能な世界を創造する一員」になることに鼓舞されると学んだ。

Mind the gaps: The 2015 Deloitte Millennial Survey 

引用されていたデロイトのミレニアル世代向けの統計は、2015年のものだが、75%の人々が自社は各社アジェンダ業務をこなすのに必死で、社会改善に対してインパクトを与えていないと感じている。ちなみに、統計が取られたのは全世界の「先進国」と「新興国」と言われる数十カ国。日本ももちろん含まれている。

“We (Millennials) are less concerned with traditional metrics of success, like savings and home ownership, and more concerned with creating lives defined by meaning, community, and shared value. “
ミレニアル世代は貯蓄や家の所有という「成功」ではなく、より意味づけられた人生、コミュニティ、そして共有の価値の創造を大切にしている。

これは、むしろ私たちから見たら、当たり前すぎて、かつ人生の本質だからこそ、改めて言語化することに価値を感じた。そして、「キャリア」というものをアップデートしていく必要があるという内容だ。正解が無い、不確実な世の中では、とにかく「意味付け」「ビジョン」「ストーリー」が大事になる。その為には、継続的に、自問していかなければならない。「今の仕事は自分をエキサイトさせているのか?」「社会にとって価値あるものを生み出しているのか?貢献しているのか?」。

どんな仕事でも、どんな経験でも、どんな旅先でも、自分自身を、自分の好きな事と嫌いな事と、何が得意で、どんな人々の周りに自分を置きたいのか、一緒にいたいのか、そしてどんなインパクトを社会に与えたいのか等、を知るきっかけになる。

そして、会社も同様、変わらない価値を提供する為にも、時には変わらなければならない。ビジョンやストーリー。言うのは簡単だけど、正直、私は日本の企業でこれだけ突き抜けたビジョンを継続的に伝え続けられている企業は少ないと思う。社会インパクトにしても、CSR(企業の社会的責任)の一環で行っていることが多い。このこと自体、本来、会社の存在意義自体が連続したCSRであるはずがあるのではないか。日本はよく、他国と比較して「働き方改革」「ノー残業デー」「男女平等」等の制度を確立してきた。もちろん、文化や歴史的背景を研究し目標設定を行う必要はあるけど、最近の若い世代、とりわけ多言語を話し国境を越えることに何も抵抗が無い世代にとっては、国単位や会社単位ではなく、より大きな社会やコミュニティに対しての貢献度、人生の意義、会社というひとつの人の集まりがどう世界を良くしているのか、そんなことを考えながら「会社」や「仕事」をひとつのツールとして捉えている。

2018 Deloitte Millennial Survey 

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