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ベトナム・カントー市2020年観光プロモーション映像制作と過去事例

趣味で、写真や映像を編集してムービーを作成していて、友人たちに共有したり、海外のカフェをテーマに作った映像をSNSにアップしていたら、観光局のメンバーから「マミ、2020年度のカントー市観光プロモーション映像制作をサポートして欲しい」と言われた。

「映像制作?誰に?何を?どんな映像?テーマは?構成は?ナレーションつき?ドキュメンタリー風?予算は?」何もわからなかったし、その時点での回答は「5分の1本、10分の1本」だけだったけれど、とりあえず「OK」w

全ては目的によるけれど、映像も、もちろんポスターやチラシ、雑誌への出稿等の紙媒体も含めて実践してみなければわからない。ターゲット絞ったら、そのサイクルを早く回すのみ。

こちらで何かの仕事を依頼されるとき、依頼している本人の中ですらイメージが定まっていない場合がほとんどで、実際に絵コンテ用意したり、映像撮影してみて、見てもらって、修正加えて、いろいろ方向転換して、作っていくしかない。大雑把に言われることは慣れているし、私自身も大雑把だから、とにかくまずは形に作ってみよう。何より自分自身が創作好きだから。

まず、改めて、公式「観光プロモーション動画の目的」「動画のメリット」「動画制作の最初のステップ」などを調べてみた。

観光プロモーション動画の目的
1.観光旅行を控え、リアルな情報を集めている人に対して「スポット別の情報を伝える」目的
2.その場所に行く予定のない人へプロモーションを届け、「その観光地へ行きたい!と思ってもらう(=ファンをつくる)」目的

他の観光地にはない、そこでしか味わえない何かがあること、目新しいことが重要。その差別化を明確にユーザーに伝える必要がある。その場にいない人に対して「地域の魅力をいかに伝えるか」ということ。

→「魅力を伝える」ためには、自分が持っているもの(強みや魅力)を正確に知る必要があり、その為には相手が持っているものも正確に知る必要がある。また、その地域に住んでいる人でないと知らないような観光名所を観光PR動画で取り入れてみる。

観光プロモーション映像のメリット
・汎用性の高さ
SNS、チラシ、テレビ、パンフレットなど様々な媒体に活用可能。動画をアップする際に説明文やキーワードを入力しておきSEO対策も可能。(Youtubeの場合は動画を投稿する際に説明文を5000字入力することもできる。自然検索での流入も獲得可能)

・若年層へのアピール
YoutubeやSNSのユーザー層は圧倒的に若年層であり、今までリーチできていなかった層へアピールが可能。(この点は、すでに自治体や政府行政機関の中に若年層(20代)が多々おり、ZaloやFacebook、TikTok等のSNS利用者が多いベトナムは強い。)

・言葉を超えたプロモーションが可能
動画はビジュアルで伝えることができるため、言語不要。必要であれば字幕やナレーションを追加できる。文字や画像では伝えきれない観光地の魅力を世界中に宣伝できる。

動画制作の最初のステップ:「何」を「誰」に伝えたいのか?
1.観光地の強み、「何」を伝えるのか?伝えたいのか?
 (商材:観光地、人、食)メッセージは?
2.どんなターゲットに人気が出そうか?ターゲット層
3.予算

観光プロモーション動画の事例
●ベトナム政府観光局(Vietnam Tourism Board)"Vietnam Timeless Charm" 
ベトナム政府観光局管理のFacebookページVietnam Timeless Charmで共有されていたサパの少数民族の方のナレーション付きの1分動画。英語のナレーションと字幕。まだサパに行ったことが無い人々に、Inspirationを与える映像。

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●日本政府観光局(JNTO (Japan National Tourism Board))"Enjoy my Japan"
欧州からの潜在顧客向けの2分21秒動画。ナレーション無しで、冒険心をあおる躍動感溢れる音楽とダイナミックな映像。高度なCGは使っていないので、参考にできる。

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●ペルー政府観光局(Peru Tourism Board)"Peru, the Great nation of the Unexpected"
ペルー政府観光局が、日本人に対してペルー訪問を促す3分動画。ナレーションは日本語で。映像に登場する日本人目線で旅の記録が綴られているので、見た人が旅をしている感覚を味わうことができる。メッセージは “Peru, the Great nation of the Unexpected”。この動画素材でテレビCMも行った販促の事例。ちなみに、「ちょっとくらい冒険をしてみないと、日常を忘れることはできないのかもしれない」とは、あたかも「冒険=日常を忘れること」のような、すごく日本社会を象徴しているテーマだなぁと思う。

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●Diamond Route Japan
3県(茨城、栃木、福島)と民放の合同観光プロモーション。説明は入れずに、2秒カットほどを繰り返す。特定の地域や自治体だけではなく、東京を起点として茨城~栃木~福島を結ぶ観光ルートを設定。これを「ダイヤモンドルート」と呼んで動画を作成し、インバウンド客の呼び込みを狙った映像作品。内容は「HISTORY」「OUTDOOR」「HEALTH&LIFESTYLE」「NATURE」の四種類から構成されている。具体的な観光地紹介ではなく、まずは「行きたい!」と思ってもらうことが目的の映像。

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また、別のNature & Gastoronomy: Diamond Route Japan 2019 – Fukushima, Tochigi, Ibarakiの映像も、そこに住む日本人が主人公で日本語で話している内容を英語の字幕入りで紹介。自然と食、そして人がテーマの2分50秒の映像。

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●大分県観光プロモーション
コンセプトは「日本一の温泉で、世界のみんなを沸かせたい」。他にもありそうで無い、ここにしかないものを紹介。そして、一度に大勢の人々に見てもらうために、いかに話題性をつかめるかどうか?が重要。

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・宮崎県 特定非営利活動法人まちづくりGIFT
クラウドファンディングにて出資を募り、映像制作会社Move Emotionsとの共同制作。宮崎県の魅力を「人」「食」「文化」と定義し、メッセージを「台湾へのありがとう」としているらしい。目的がはっきりしている映像で、説明なくとも見ている人にも伝わりやすい。映像の中に日常風景が多いので身近に感じる。

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ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2019
【第8回 観光映像大賞】
https://compe.japandesign.ne.jp/short-short-kankou-2019/

●OKINAWA Secret is Out
日本人にとっては一大リゾート地の沖縄も、外国人観光客の大半が台湾や韓国などの東アジア地域から訪れており、その他の地域からの観光客を呼び込む目的の映像。その一環として話題を呼んだのが、「OKINAWA: The Secret is Out」というキャンペーン。事前に応募し選考に通ったシンガポール、フランスなど六ヵ国の人物が登場し、それぞれのストーリーが沖縄を舞台に紹介されている。

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・・・とまぁ、観光プロモーション映像は見出したらキリが無いので、とにかく「誰に何を伝えたいのか」が大事なんだろうな。

The Top Seven Online Travel Planning Activities
旅行計画時のオンライン活用TOP7

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2012年(が、検索した中では最新)のGoogleとIposos Media CT調査:旅行を検討中の約4割の人々が旅行に関係する動画を視聴している。旅行前、計画中、旅行中、などでWeb動画を用いるケース増加。

どのようにして消費者は旅行を決めるのか?

・41%の旅行者はスマホまたはタブレットで旅行を検索する 
・55%の旅行者は旅行検索はモバイルだが予約はデスクトップまたはラップトップで行うのを好む
・25-34歳がモバイルの利用に一番アクティブで、38%がモバイルで予約を行っている

・消費者はどこにいつ旅行に行くかを決める前に、徐々にオンライン検索を始める (65%レジャー、69%ビジネス)
・「旅行へのインスピレーション」に関して、友人、家族そして同僚(62%)はオンラインの情報源(65%)ほどの影響がある
検索エンジン(83%)とソーシャル・ネットワーク(83%)が「旅行へのインスピレーション」の最大の源になっている。
5人に3人のレジャー旅行者はYouTubeも利用

以上を全てまとめた上で、職場へ共有し、今後の映像制作に関して企画の段階から関わることになった。(→2020年4月現在、1本はほぼ完成。あとはカントーのホームステイや果樹園、エコビレッジ等、「緑」「癒し」をテーマに撮影したい)

日本政府観光局の方に教えて頂いたTrueView広告
https://wacul-ai.com/blog/internet-ad/internet-ad-type/youtube-trueview/


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