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五輪ボランティアの「選考」を海外在住者用のテレビ電話で受けた

実は応募していた五輪ボランティア。ベトナムに来ることは確定していたが、五輪ボランティアの応募サイト内の数多くの質問内容、登録ステップにめげずに、とにかく登録だけは行っていた。2018年の10月頃だっただろうか?

あれから環境ががらりと変わり、毎日過ぎていく日々の中で、特に五輪ボランティアの応募状況とか、各地で行われている選考内容とか、見ている時間もなく、五輪ボランティアのテレビ電話の日程登録を促すメールが届いた。7月中旬だ。自分が登録していた内容を約8か月ぶりに再確認する。なぜか、日本語と英語を「母国語」として登録していた上、面談希望言語も「英語」としていて、焦る。即座に変更。「テレビ電話も英語で行われたら、外資系企業のスカイプ面接と同じやん」と久しぶりの感覚を思い出す。

テレビ電話の日程は、一応希望日程をこちらで決められるようになっているのだが、ほとんど昼間の時間しか選択できる枠がなく、「予約は先着順」となっていたため時差を考慮してメールが来た日にとにかく登録。その日の予定はあとで変更した笑

さて、来たメールを読んでいると、テレビ電話の所要時間は15分~20分ほど。本人確認と、五輪ボランティアに対する想い等を聞かれるとのこと。本当は、しっかり考える時間があれば良かったものの、ベトナムで友人がホテルをオープンさせる記念の日だったので、とにかく「今」目の前で起こっていることを優先。テレビ電話は、その友人のホテルに1泊し、次の日の朝9時頃に川をボートで渡った後の時間帯だった。

テレビ電話開始10分前に、ログイン。時差を再度確認。「join the meeting」を押して、画面が表示された。日本人の女性だった。チャットで「こんにちは」と挨拶があった。お互いの声は聞こえるが、私の画像が表示されていないらしい。「意外と機械音痴やったな、自分。今思えば。」と思い出し(?)、本来最初に本人確認されるみたいだったが、自分の画像が相手に表示されないまま、「先に、面談をさせていただいてもよろしいでしょうか?」と。面談担当の方がいらっしゃるらしい。日本人女性は席を立ち、50代くらいの女性が現れた。

「こんにちは。画面が見えないですが、このまま始めさせてもらいますね」と優しい。「今は、どちらから参加して頂いているのですか?」という最初の質問。

私:「ベトナムです」
面談担当:「あらぁ~、ベトナムですか。ホーチミンですか?ハノイですか?」
私:「カントーという、ホーチミンからバスで3時間半の場所にある、メコンデルタ最大の都市にいます」
面談担当:「あらぁ!ベトナム南部ですかねぇ?暑いですか?」
私:「とにかく蒸し暑いですね。湿度は90%以上で、今は雨期なのでほぼ毎日20分ほど大雨です。」
面談担当:「それは大変ですねぇ。私もベトナムへ行ったことがありますが、とにかく暑くて。長くいらっしゃるのですか?」
私:「住んで3か月ほどですね。この暑さにも慣れましたね。ご飯もおいしくて、今まで体調も崩さずにいます」
面談担当:「それは良かったです。ベトナム料理は、すごく良く調理されていますよねぇ」

・・・という、海外在住者の特権?というか、共通の盛り上がりネタで前置きが長くなりつつも、緊張を解く配慮だなぁと思う。

その後、「今日はですね、この3つの質問の中でマミさんに1つ選んでもらって答えてもらおうと思います」と画面上に出されたパネル。

1.五輪ボランティアに応募しようと思ったきっかけ
2.五輪ボランティアで実現したいこと
3.大会の後、どんな気持ちになっていたいか

「おぉ!壮大ですね!」と、思っていることがすぐ口に出る私。「そうですね。皆さん、だいたい1を選ばれますけど、話されている間に2や3が含まれていきますよ」と教えてくれる。「確かに、すべて繋がっていますよね」と、同意する私。

五輪ボランティアの面談とは、こういうものなのか、とどこか第三者目線で自分と面談担当の方の会話を聞いている。結局、

「2を答えます。でも、1も混じると思います」と前置きしたうえで、「五輪ボランティアをきっかけに、私は日本人に日本をもっと好きになってもらいたいなと思います。それが私の実現したいことです。」と、壮大な質問には壮大に答えた笑

五輪オリンピック・パラリンピックは、世界中の人々が大注目する壮大なイベントだ。世界には、このイベントを通して、「日本」という国を知る人々もいるかもしれない。このイベントを通して、初めて来日する人々もたくさんいるはずだ。世界中が盛り上がる。でも同時に、世界が注目するのは、五輪のイベントそのものだけではなく、日本という国だ。テクノロジー、先進国、清潔、ホスピタリティー、技術、そんな洗練された国のイメージだけではなく、環境汚染、自殺、労働環境、男女平等、そういう私たちが世界規模で抱える問題に対して日本がどう対応していくのかにも注目される。全てに「関心」の目を向けられて、その上で、そのきっかけになるであろうこの一大イベントの「最高の体験」を提供できる側になれたら、それは素敵なことだろう。

「マミさん、おっしゃっていることすごく理解できます。ありがとうございました」との回答と共に、面談担当の方は時間がきたのか、本人確認へと移る。なぜか、「また会いたいと思える人だったなぁ。」と満足。いつの間にか「マミさん」と呼ばれていたが、これもさすがだ。やはり名前を呼ばれると嬉しい。

本人確認は、身分証明書を画面上で見せながら、会話しなければならないらしく、画面を何とか映そうとするがうまくいかず。一度ログアウトして試みるも、こんどは相手の声が聞こえなくなるという問題が。結局、最終手段(?)で、相手がチャット内でメッセージを送り、それを読んで私が一方的に口頭で返事をするという面白い構図となった。(はい、すみません)

今後、9月に「選考」結果の連絡があり、10月~2月頃に共通研修(海外在住者へはウェブ上で開催したり、全研修をまとめて行ったり等、日本帰国せずに対応できるようにする予定とのこと)があり、2020年3月頃に役割が決まるとのこと。

後から知ったが、今回の五輪ボランティア、ボランティア人数の目標8万人に対して20万4680人の応募があったそうだ。そして、「式典」や「競技」などのボランティアには募集人数を大きく上回る数のボランティア希望が。応募者の36%が外国人だったのだそう。

たぶん、日本にいれば、こういった五輪ボランティアのニュースや都道府県で開催されている選考をより身近に感じながら日々を過ごしているのだろうが、海外にいると面談も個別で、他のボランティアの方々に出会うこともなく、淡々と別の世界を過ごしている。それが、別に悪くもない。今、目の前のことに集中し、次回の連絡が来たら、それに応じて行動するのみだ。

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