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鬱と公園へ

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月曜の公園。

視界の右側にはベンチに座るおじいちゃん、左側には休憩中の会社員。

一斉に飛び立つ鳥、低空飛行の鳥、ベンチの背もたれにとまる鳥。
何を見ているんだろう。


振込期限まであと30分。


メンクリに電話をした。
ライフラインの電話もしている。無事に引越し完了できるのか?


近くで猫が鳴いている。姿は見えない。

頭上をカラスが2羽飛んでいった。悠々としていた。
生まれ変わったら鳥になりたいかもな。
綿毛がひらりと舞い落ちてくる。


形ないものとして吸収されていく感覚、溶けていく感覚。
静かに、消えていく。

不安定要素に心地よさを感じること、もうやめた方がいい。
抜け出した方がいい。

さすがにダサい。

もう十分。



どうやって抜け出すんだ?


あ、猫、いた。


全てが急で、混乱して、どうしようもなくなった。
未だに向き合えていない、わからないことが多い。自分のことなのに。

部屋の中で人の声を聞いていると苦しくなってきた。
声が声に聞こえなくなった。
こうやって壊していくんだと思った。
怖くなった。
逃げたくなった。
自分の輪郭が際立ってしまうことが怖くなって、自分の存在がぼやけていくような広い、仕切りのない部屋の外へ出たくなった。


振込期限まであと10分。
残り5分になったらあそこのATMに行こう。

それでパンでも買って帰ろう、好きって言っていたクロワッサンがいいかな。
渡して、それでちゃんとごめんなさいって言おう。
一緒に食べたいですって言おう。



ちゃんと言えたんだっけ。(6/25)

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