見出し画像

プログラミングと法律の相違点 _ 演算子(2) ORを表現したい

条文上ORを表現したいときどうするのか

前回で条文の"または"は基本的にXORで解釈OKということを記載しました。
そこで次に出てくる疑問がじゃあ純粋にORを表現したいときにどうするの?
ということです。結論から言うと
各号
を使う。です。

各号とは

予備校では最初に条文構造がどうなってるか教えてくれます。
ルートに相当するのが条、次に項、次に…という具合になっています。
最後に出てきたを列挙していくとそれらは"OR"の関係になる。という理解をしました。これだけだと何言ってるかわからないと思うので事例を2つ示して説明します。

事例1 - 不動産登記法

第74条
所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。
 表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人
 所有権を有することが確定判決によって確認された者
 収用(土地収用法 (昭和26年法律第119号)その他の法律の規定による収用をいう。第118条第1項及び第3項から第5項までにおいて同じ。)によって所有権を取得した者

司法書士試験を勉強し始めると不動産登記法というものが範囲に含まれてます。そこでこの74条が出てくるのですが、ここの漢数字の一、二、三です。各号などとも言います。
中身はわからなくていいのでここでのポイントはこの各号はORなのでたとえ
一号、二号、三号が全て真でも全体としては偽ではなく真のままですよ。ということです。(この事例だとほとんどありえないのかな。とは思いますが)

事例2 - 会社法

会社法という法律も試験範囲に含まれています。次に示す条文は過去問でも頻出で、自分が各号はORの解釈でいいんだと理解した条文です。

第33条
(中略)
10. 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。
(略)
(略)
(略)

検査役というひとたちの面倒くさいチェックをしなくていい条件が列挙されてると思ってください。(適用しない。とあるのが検査の適用対象外ということです。)
各号なのでこれらの関係はORです。
各号のいずれか一つだけでも真であれば、あとの各号がたとえ偽でも
全体としては真となる。というまさにORの関係です。
だから一号の時点で条件を満たしていればもはや二号以下は見る必要がありません。つまり短絡評価しちゃってOKなのです。

過去問を解くと試験委員の方はこれが好きみたいで一号が真だけど二号が偽の場合は全体として偽だから検査は必要である。とか聞いてきます。
もちろんORなんだから全体としては常に真でしょ!だから×だな。という感じでどうひねられても答えらえれるようになります。

if( !( isCompany33_10_1() || isCompany33_10_2() ||isCompany33_10_3() ) ){
    なんだかとても面倒な検査役による調査処理();
}

サンプルコードは上記のようなかんじになるでしょう。

終わりに

法律の感覚とプログラマの感覚はズレがあるけど面白い!と思います。
ORXORの考えが私の最初のターニングポイントでした。
法律をプログラミング的解釈で読んでみる。というのは楽しいものだとワクワクしたのを覚えています。
次回の記事では"and"について書いていこうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?