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四季報写経、2037年のしし座流星群 / 投資家の日常は、いとをかし。 #11 2024年6月 前編 テキスト版

以下はこちらのポッドキャストをテキスト化したものです。



renny:ポッドキャスト「投資家の日常は、いとをかし」2024年6月のエピソードをお届けします。このポッドキャストは僕、投資信託をベースに投資をしてきたrennyと、お相手は個別の会社の株式をベースに当初20年以上投資を続けられている吉田さんです。

親知らず問題

renny:収録日の今日は6月28日。今月は株主総会もあるので後半の方がいいかな、という一方で、吉田さんが親知らずを抜かれるということで、予定調整してたんですけど、もうちょっと先らしいですね。

吉田:結局7月中旬になっちゃったんですよ。

renny:それは抜かなきゃ相当まずいと歯医者さんに言われたような感じなんですかね。

吉田:そこまではいってないけど、ここから先は危ないから抜きましょう、みたいな感じですね。

renny:僕も同じように親知らずがまだあって、ちょっとずつその歯茎が落ちてきてるせいか、何て言うんすかね、親知らずがちょっとずつ顔を出し始めていて、ポケットみたいなものができてるっぽいような感じで。何とか抜かずにこらえたいなと思うんすけど、吉田さんはどれぐらい持ちこたえられたんですか?

吉田:もう10年前ぐらいから抜いた方がいいって言われいて、ただ、まだ虫歯になる恐れはないからどっちでもいいよ、みたいな感じで言われてたのが、そろそろやばいかもって言われたんです。

renny:今まで親知らずに限らず、歯医者で歯を抜かれたことってあります?

吉田:たぶん小学生で歯が生え変わるときに1回抜いたとかそれぐらいなんで。

renny:僕は歯を抜いた経験がないんで、無理やりでも先延ばしにしたいなと日々考えています。7月の半ばに抜かれるっていうことで、次回のポッドキャストではそのお話をお聞きできるかもしれない。無事に終わることをお祈りしています。

NTTを狙っている

renny:最近また円安がかなり進行してる感じで、6月は日経平均もS&P500もちょっと上がってるみたいですけども、株式市場をご覧になっていて、何か感じることはありましたか?

吉田:全体的には特に何もないですが、NISAでNTTを買いたいな、というか買い戻したいなと思い始めています。

renny:株価が結構下がってるとかっていう話を聞きますね。

吉田:新NISAでみんなが書いたがって、ちょっと言い方が悪いですけど、おもちゃにされてた影響で、株価が上がりすぎた気がしたので、今年の初めにすべて売却して、株価が下がってくるのを待っていたんです。

renny:僕が持ってるスパークスさんの厳選投資っていうファンドでも確かNTTに投資しているんですよ。だから間接的に、投資信託を経由して僕も保有してるんですけれども、あんまり株価を見てなくてですね。株式分割して最低投資金額が結構ちっちゃくなったんですよね。

吉田:今は1万円台で投資できますね。

renny:上場直後のことを知ってる人間としては、そんな金額で買えるなんて、なんかすごいですよね。ちなみにNTTの証券コードって何番でしたっけ?:今日は四季報の話もしようと思って、手元に四季報を持ってるもんですから。

吉田:9432番ですね

四季報写経と四季報の思い出

renny:先週の土曜日に四季報を写経するということを、若い人がやってらっしゃることを知って、土曜日に100人近く集まってたのかな。四季報を写経するっていうイベントに潜り込んできたんです。

https://note.com/renny/n/n153027d0d66f

renny:僕も投資先の会社の有価証券報告書とか決算短信の数字を拾い集めて書き写す、ってある種の写経みたいなことをやってたんですが、四季報を写経するのはなるほどなと。要は有報とか決算短信はフォーマットは決まっているけど、ページをあっちこっち行かなきゃいけなかったりで、時間かかるなと思ってましたが、四季報の場合、情報量は当然、有報や決算短信に比べて少ない一方で、四季報は定性情報をわざわざ調べなくても、記者の方が調べてくださって記事になってて、これはなかなかいいのかな、と思って始めてみようかなと。写経のイベントを主催されてた若い女性の四季報ウーマンさんは、すでに1400社写経されたらしいんで、とてつもないことをやってらっしゃるなっていうような感じでした。

renny:9432日本電信電話、見つけました。問題は四季報の通常版を買うと、老眼できつくてですね…吉田さんはどのあたりに注目されてるんですか?

吉田:今後期待できそうな日本発の技術って結構も減ってきちゃっているなかで、一番大きい話がNTTのIOWNで、インターネットとかに使う電力を思いっきり削減できるような技術なんで。エネルギー問題の解決に繋がるかなって。あと最近言われ出してきたのが、AIの稼働に電力がこれまで以上に必要になってきて、あれをどうするかはかなりの課題なんで、そういうところにも関わってくる技術かなと思うんで、NTTは持っていたいなとは思ってるんですよね。

renny:なるほどね。過去にNTTって保有されてたんですか。

吉田:その技術の話が出た何年か前に1回投資して持っていて、去年、株式分割した後ぐらいかな。どんどん株価が上がっていっちゃって、ちょっとペースが早すぎるかなと思ったんで、今年に入っていったん手放していたんです。

renny:なるほど。四季報の方に話を持っていきたいと思いますが、吉田さんが会社四季報との初めての接点は覚えてらっしゃいます。

吉田:投資を始めて、すぐに買いましたね。だから2000年の春号とかかな。

renny:それはやっぱりある程度というか上場会社を網羅的にどんなのがあるのかな、って知るにはこれが一番と思われたってことですか?

吉田:そうですね。あとは何で当時、四季報が重要だったのかなって思い出すと、昔はインターネットが常時接続じゃなくて。若い人は分からないかもしれないですが、インターネット接続には電話回線に繋ぐ必要がっ会って、電話代が何分いくらとかでどんどん上がっていく仕組みだったんです。

renny:電話代にプラスしてプロバイダ料金の両方がダブルでかかってたんですよね。

吉田:そうなんですよね。だからインターネットで時間を気にせずのんびり調べ物をする時代じゃなかったんで、紙で企業の情報がドーンと読めたので重宝したというのはありますね。

renny:紙以外にCD-ROMとかも出てたじゃないですか。何年か前にCD-ROMで1回だけ買ったんすよ。最近はもうCDもなくなってて、基本的にオンラインですが、いつCD-ROMなくなったのかなって調べてみたら、2021年までCDも出てたらしいんですよ。最近は四季報を買ったりすることってありますか?

吉田:ネット証券のサービスにくっついてくるようになってから買わなくなりましたね。

renny:なるほどね。四季報の思い出というか、四季報でこの投資先を見つけたとか、そういうようなことってありましたか?

吉田:結局なかったんじゃないかな。四季報を読んでると、みんなが注目してない企業を自分だけが見つけた!みたいな感覚になることがあるんですけど、実際に投資してみると、そうじゃないっていうことが結構あったりして。

renny:なるほど。四季報で改めて面白いなと思ったのは、紙のバージョンでさっきNTTを調べると、見開き1ページに四つの会社が出てるじゃないですか。NTTの場合はすぐ下がKDDIで、隣がソフトバンクで、ここまでは別に驚きはないですが、左下にあるのが光通信。ちょっと他の3社とは毛色が違う会社がポコッと出てくるので、こんな会社あったんだ、みたいなことがあるのかなと。昔ながらの会社は証券コードで似たような会社が集中してるんで、周り見ても面白みはないかもしれないですが、サービス業や小売業のように最近の会社のところを開くと、なんじゃこりゃ?みたいなことがあるのかなって思ったりしするんですよね。

renny:あと写経してみて、写経って言い方がいいのか分からないですけど、キーボードを打っていると何か手が覚えてるっていうような感覚があるんです。昔の受験勉強とか思い出しても、ノートを作ったりしてたのは、記憶を定着させるためにやってました。だから、記憶力が衰えたとはいえ、何かの拍子にふと思い出すことが起きたりするんじゃないかな、ボケ防止にいいのかな、そういう観点でも四季報写経は面白いかもしれない。

renny:僕自身は子供の頃から祖父が株式投資をしていたんで、裏面に証券会社の名前が入った四季報が家に結構転がってたんですよね。当時はそんな眺めることなかったですけども。会社入っても証券会社の人が置いていく四季報が会社の本棚みたいなところ置いてあって、でもちゃんと見ることなかったんですよね。でも、会社の特色のところとかを打ち込んでいると、こういう事業があるんだとか、利益率とかそういうのを見てて、定量と定性の情報のバランスみたいなものがあって、これを毎号やっていくと、時間の流れと他社との比較とかができるという意味ではよくできた出版物だったんだろうなと。個人的にCAPMみたいなポートフォリオ理論を教えるぐらいだったら、四季報写経した方が金融教育にいいんじゃないかななんて思いましたね。

吉田:何となく四季報のありがたみが昔より薄れたなとも感じていて、四半期決算が始まったのが2006年で、そこからあんまり読まなくなったかな。会社から年4回、資料をいっぱい出してくれるようになったので。それ以前は季節ごとに情報って、四季報だけだったんですよね。

renny:それは確かに大転換でしょうし、日経会社情報は廃刊になりましたよね。日経と四季報の違いは、四季報は担当の記者さんが会社予想とは別に、業績予想をつけてるんですよね。その数字の要素はさることながら、自分の投資先ですごく関心持ってる会社だったら、IRのニュースを見てると思うんですけど、そうでもない会社なんてほとんど見てないんで。

吉田:パラパラと読むには面白い読み物ですよね。

renny:それを無理やりでも記憶にとどめようというのが、四季報写経なんだろうなというふうに思ってます。1日1社ぐらいのペースでやってるんで、終わるまでに10年は簡単にかかってしまう。でもそういうようなのをやってると、どっかでふとした閃きに出会えたらいいなと思いながら続けていきます。

2037年のしし座流星群

renny:続いて最近、吉田さんがお読みになった本で印象的なものはどんなものがありましたか?

吉田:一番印象的だったのは、月刊星ナビっていう天体観測の月刊誌でした。(2024年7月号)

renny:そんな雑誌初めて名前聞きましたよ。

吉田:先月、オーロラが日本でも見えたので、その関連で面白い特集があるんじゃないかなと思って探していたら、この雑誌の「星空人生100年計画」って特集に目が止まって。100歳まで生きるとしたら、どんな珍しい天体現象出会えるのか年表になっていて、逃しちゃったらもう一生見れないぐらいのものが結構多いんですよね。

renny:以前このポッドキャストで、どこかに星を見に行かれるというお話されてませんでしたっけ?

吉田:去年12月にふたご座流星群を見に行こうと出かけて、その日は雨だったという。。。

renny:天体イベントがいつ頃を予定されてるか、その雑誌で紹介されてるってことなんですね。

吉田:はい。今後のカレンダーが載っていて、たとえばハレー彗星とか、私たちが子供の頃に話題になったじゃないですか。あれって70年に1回ぐらいの周期でしか地球の近くに来ないんで、次に見られるとしたら2061年。私、80歳以上のなんだ!と。あと2001年11月のしし座流星群では1時間に3,000個近いの流星が見えたらしいんですよ。

renny:それは日本でも見れたんですか。

吉田:日本で見れたそうなんですよね。それを全然知らないで逃しちゃったら、次は2037年まで見れないとか。

renny:でも何とかいけそうですね。ぜひともそこまで何とか頑張りたいって思うイベントってありましたか?

吉田:その流れ星がたくさんっていうのは見てみたいなと思っていて、なんで興味を持つようになったかというと、一昨年の正月にだったかな、しぶんぎ座流星群っていうのがあって、そんなもん東京で見えないよと思ってたんですけど、妻がどうしても行きたいって言うから、明け方に起きて近くの公園に行ったら見えたんですよ。

renny:そうなんですか。

吉田:もう寒すぎてあんまり外にいられなかったけれども、それでも見えたぐらいなんで、流れ星って普通に見れるものなんだなと思って。

renny:そうですね。天体観測って夜とか明け方だと思うんで、やっぱり気候が良いときがいいですよね。寒かったり、扱ったりすると辛いなと思ってしまう人は向いてないんでしょうね。

吉田:天体現象ってどのタイミングで生まれたかによって、出会えるものが変わってきたりして。投資ではタイミングなんか考えちゃいけないとかってよく言うんですけど、人生自体がタイミング次第のところがあるから、やっぱりタイミングって大事だよなっていうのをつくづく思いました。

renny:さっきの流れ星がいっぱい来るのは2037年でしたっけ?

吉田:2037年の11月20日だそうです。

1人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学

renny:その他に今月お読みになった印象的だった本として、cisさんの本をあげられていましたね。

吉田:「1人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」っていう有名なトレーダーさんが書かれた本です。何かのインターネットの記事を読んで、たまたま知ったんですけど、この方が私と同い年でしかも投資を始めた時期も全く一緒で、最初の資金は300万って書いてあったかな。私は100万だから条件はほぼ同じだけど、その後の差の付き方がすごくて、読んでみたくなったんです。

renny:その投資哲学って何が語られてたんですか?

吉田:投資哲学っていうほど目を引くような記述はなかったですが、高校生ぐらいからの人生を振り返ったような記述があって、もうその頃から違うなっていう感じの人なんですね。パチンコでも成功してとか、何かゲーム感覚で株でも稼いでいった感じで、今の資産は何百億って額みたいです。だから、自分も初めの頃はサッカークラブを買収するのが目標だったりしたので、頑張ればこのぐらいになれたのかな?とか思って読んでみたら、もうこれは絶対無理っていう諦めがつく内容でした。

renny:ちょっとあれですね、まるで違う世界の話みたいな感じですね。

吉田:でも面白かったですよ。結婚相手の探し方も独特で、掲示板に「1億何千万持ってます。彼女募集。」っていうふうに書いて100人以上の女性と食事をして、最後に自分の奥さんになる方を見つける話とかもあって、行動力もすごいなって思いました。

renny:なるほどね。行動のパターンとかスタイルっていうか、なんかそういうのが人とは違うんでしょうね。

吉田:そうですね。やっぱりその人に合った投資法っていうのは絶対あるんだなっていうのがよくわかりましたね。

renny:ちょっと今のお話を聞いてると、たぶん真似のしようがないというか、あんまり再現性というか。。。

吉田:絶対ないですね。最近メディアによく出てる個人投資家と言えばテスタさん。あの方の真似も絶対できない感じがあります。でも今、ああいう方たちが、目立つ場所で話をしてくれるおかげなのか、最近、個人投資家に対するイメージって昔ほど悪いものじゃなくなってきてるなっていうような印象はあります。

後編に続く


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