見出し画像

元ゲームプランナーがピクシブのプロダクトマネージャーになって得た経験


自己紹介

はじめまして、こんにちは。ピクシブ株式会社でプロダクトマネージャーをしておりますgingaと申します。
新卒でゲーム開発会社に企画職として入社し、その後創業直後の会社での経験等を経て、9年間従事してきたゲーム業界を離れて今年の春ピクシブへと転職しました。

ピクシブでは機能開発や企画の立案や実装までの進行管理、データ分析、お知らせや各種案内の文章作成や校正といった業務に携わっています。

ターゲット

  • プロダクトマネージャーに興味のある人

  • ピクシブという会社に興味のある人

  • pixivというサービスに興味のある人

会社・プロダクトの説明

ピクシブではイラスト・マンガ・小説の投稿や閲覧が楽しめる国内最大級の作品コミュニケーションサービスpixivを始めとする、作品やモノを創る、見る、応援するといったことを楽しむための多くのサービスを開発・運用しています。
その中でも私が担当しているpixiv小説では物語に限らず詩やエッセイ、台本や感想といった幅広いジャンルの文章を投稿できるサービスとして今年の7月に13周年を迎えました。投稿された作品の累計文字数が1000億を越えるなど、非常に多くの作品が集まる場として親しまれています。

職種説明

一般的にPdM職とは、チームと会社が正しいプロダクトをユーザーに届けるために、さまざまなスキル、ツール、チームを駆使し、プロダクト開発を推進します。ここで言う「プロダクト」とは、ピクシブにおいては主にユーザーに提供するウェブサービスのことを指します。

to Cサービスはpixiv、ピクシブ百科事典、pixivコミック、BOOTH、pixivFACTORY、pixivFANBOX、pixiv Sketch、VRoid など、to Bサービスは広告事業・金融事業などを展開しております。

プロダクトを取り巻く領域として「開発者」「ユーザー」「ビジネス」の3つが存在し、それらの領域の橋渡しを行うことで、プロダクト開発は前進します。

多くのPdMはプロダクト開発チームに所属し、ユーザー領域やビジネス領域との橋渡しを行います。時にそれぞれの立場から矛盾するインプットが集まることもありますが、それらにおいてもPdMが調整を行います。

例えば、ユーザーが満足する体験を設計しようとする一方で、ユーザーの注意を広告に寄せることも求められる、といったジレンマに対してPdMはよりよい解決策を検討し、プロダクト開発を前進させる役割を担います。

また、最初からエンジニアやビジネス領域などすべての領域に精通している必要はなく、各領域を必要なメンバーに担当してもらうこともPdMの職務の一部ですし、PdMとして自分で実際にプロジェクトを進行していく中で、各領域への理解を深めていくことができます。

入社したきっかけ

30代も半ばに差し掛かり、私は一つの壁にぶつかっていました。
新卒の頃とは立場が大きく変化し、プロジェクトやプロダクト全体を見るようになった今の業務内容であればゲーム業界に拘る必要が無いのではないだろうか、と。

また、新卒からずっと同じ業界に留まり続けることで知識・経験・視野が広がらずに固定化されてしまい、今後の道が狭まる懸念も抱いていた頃です。
「プロダクトマネージャーを募集しているけど、うちに来ない?」と声を掛けられ、ピクシブで働くという選択肢が突然目の前に現れました。

10年ほど前には個人が主催している即売会にスタッフとして何度も参加しており、pixivに作品を投稿した経験もありました。
創作という共通の趣味を持った参加者が楽しく過ごせる場所を提供できたのは達成感がありましたし、自身の生み出した作品が誰かの手に渡り楽しんでもらえる喜びも知っています。
そんな「創作って楽しい」を後押ししたり応援することは自分に向いているのではないか、と。

ピクシブは私が9年間携わってきた業界とエンタメとしての方向性が近いと感じており、趣味での経験も活かせ、やりたいことと合致していると考えた私は「行きます。いや、行かせてください」と二つ返事で入社を決めました。

入社後の立ち上がりについて

まずは実際に提供しているサービスを触りながら改善できそうな箇所をメモに残したり、毎週行われる定例での数値発表を担当するなど、現状を把握することを優先していました。
「この機能、改善の余地ありますよね?」や「データ的にここの数値を伸ばしていきましょう」といったコミュニケーションを取っていましたね。

小説チームでは大小問わず「やりたいこと」をリスト化しており、進めたいと考えているプロジェクトが沢山あります。
チーム専任のプロダクトマネージャーがプロジェクトを進めるだけではなく、他チームと兼任のプロダクトマネージャーが動くこともありますし、エンジニアが主導で進行する場合もなど、様々な働き方が可能な環境となっています。

そして、私はその中から優先度の高さ・難度の高さ・掛かるコスト・自身の希望、などを考慮した上で1つではなく複数の案件を引き取り、プロジェクトを同時並行という形で進めていきました。

検索機能における改修では小説だけでなくイラストやマンガにも影響がありましたし、ヘルプの拡充やサービスにおける文章の調整など、作品に直接関係する箇所に留まらずサービス全体を通して業務を行えたので、入社数ヶ月でとても良い経験を積めたと思います。

得たもの1:論理的に考える力

ピクシブではプロジェクトを進めていく上で、インセプションデッキというフォーマットを運用しています。
提供したい機能や体験について、誰に、何を、どうやって、といったことが順序立てて考えられるようになっており、フォーマットに沿って書いていくことで思考を整理しながら言語化できるようになっています。
こうしたい、ああしたい、と考えている内容を丁寧に分解することで、本当に自分が提案したいことは何であるかを自分自身と向き合って考える力が身につきました。
また、書いたインセプションデッキには単に良し悪しの評価がされるのではなく、細かくどの部分が何故良いのか良くないのかといったコメントが付くため、プロジェクトを進めていく上で何を考えれば良いのかが明確になります。

また、ミーティングを行う際も論理的であることに主軸が置かれているため、話が間違った方向へ進みそうな場合にはしっかりと軌道修正が行われます。
そうして論理的なコミュニケーションにより言語化された思考を積み重ねてプロジェクトを進めていくため、完遂したプロジェクトの良かった点や悪かった点が明確になりやすく、振り返る力も身につきました。

得たもの2:一人ではなくチームで作ること

先述したインセプションデッキではプロジェクト進行の許可を出す人に限らず、誰でも気軽にコメントを残しあえる環境になっています。
また、インセプションデッキにする程の物ではない独り言をslack上で書いてみると、過去の事例や経験・知見を元にアドバイスを貰えたり、一緒に思考を巡らせてつまづいている箇所から前進する手伝いをして貰えることも。

最初はプロダクトマネージャーの”マネージャー”という単語に気負っていた部分があったのですが、プロダクトは自分一人で作るわけではなくチームメンバーの力を借りながら前へ進んでいくという認識で現在は業務を遂行しています。

得たもの3:”意味”を意識する習慣

前職まで勤めていたゲーム業界では、ゲームという作品自体をユーザーへ直接お届けすることが可能でした。
それは純粋に楽しさや面白さであったり、目標と達成報酬の設計によるプレイの促進であったり、機能の追加や改善で遊びやすくする等、アップデートによって何が起きるか予想のしやすい環境でした。
しかし、いま私が所属しているpixiv小説チームは作品を直接届けるのではなく、ユーザーが作品を創りそれを別のユーザーへ届ける場所を提供しているため、アップデートによる影響を読むことが難しいと感じています。

そこで、「誰に意味を与えるのか」「どういう意味を与えるのか」の言語化を意識することで、いま進めているプロジェクトを「何故やっているのか」「どういう結果が待っていると予想されるのか」を認識できるようになりました。
影響が読みづらい分、前職での業務より手探りで進めている部分もありますが、道を踏み外さず一歩ずつ進められるようになっていると思います。

苦労、失敗、ギャップ

pixivは10年以上続いているサービスなので、数年前に実装された機能が現在では時代にそぐわないものになっていたり、内部的な実装の観点からネックになっている機能も存在します。
その上で、今なすべきことを達成する為にはどうすれば良いのかを考えるのは難度が高く大変ですが、その分達成感もある非常にやりがいのある仕事だと感じています。

業務を続けるためのモチベーション、マインド

創作は今後も長く多くの方が楽しんでいくと考えています。
また、私自身も創作を楽しんでいきたいと思っており、そんな創作活動をもっと楽しいものにするべく日々頑張ってまいります。

環境は日々変化していくので絶対的なゴール地点は無いと考えていますが、だからこそ今できることを一つずつやっていくぞ! という心構えでこれからも頑張って業務に取り組んでいければと思います。

PdMを目指したい人へのアドバイス

プロダクトマネージャーに求められているのは特別な突出したスキルではなく、理解力や考察力、表現力にコミュニケーション能力と多岐に渡ります。
日頃なんとなく見ているものや使っているサービスをじっくり観察したり、ジャンルを問わず誰かと議論を行うなど、日頃から”考える”ということを意識するだけでも能力は身につくと思います。
また、その職を知るためにはその職に携わる人と対話をするのが一番の近道だと考えているので、身近にプロダクトマネージャーの方がいらっしゃればその方とお話をしてみるのが良いと思います。

もし、ピクシブのプロダクトマネージャーに興味があれば直接話す機会を設けることも可能なので、こちらよりご連絡ください!


この記事が参加している募集

仕事について話そう