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”ヤバい”建築には ”ヤバい”システムが! フランク・ゲーリーはDXのお手本

こんにちは。PIVOTの営業企画担当、半田です。前回の記事では要件定義を建築に例えてみましたが、今回は建築にまつわるシステムで、DX推進や新規事業開発の際にお手本にしたい…!と感じたシステムをご紹介します!

皆さん、フランク・ゲーリーという建築家はご存知ですか? 
名前は知らなくてもスペイン・ビルバオにあるグッゲンハイム美術館の銀色のパネルが重なりあうようなこの建物を見たことがある方は多いのではないでしょうか。

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そうです。これをデザインしたのがフランク・ゲーリーさんです。
彼の複雑な建築を効率よく実現させるために「Gehry Technologies」というチームを組織し開発したシステムが様々な観点でスゴイ!
建築界のDXの先駆けと言えるそのシステムをご紹介します。

ここがスゴイよ!Gehry Technologies:その1
2次元の図面を3次元に変換する!

現在では建築現場でBIM(Building Information Modeling)というシステムを使用することは一般的ですが、ゲーリー氏はビルバオグッゲンハイムの建設着手時(1991年)からこのシステムを使用しています。
もともと航空機の設計に使われていたCADシステムを改変して、複雑な局面を用いた設計に対応できるCATIAというソフトウエアを開発。3Dで立体的な図面をつくることによって、設計のフィジビリティを検証するだけでなく、2次元の図面では確認が困難な設備配管等の配置を検証することも可能にしました。
また、3Dデータを世界各地にいるエンジニアや施工者と共有することで、プロジェクトをより円滑に進行することができたそうです。
ゲーリー氏がCATIAについて語っている映像があるので興味がある方は是非ご覧ください。(英語で字幕ナシですが…)
https://youtu.be/UEn53Wr6380

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ここがスゴイよ!Gehry Technologies:その2
部材コスト、物流ルート、現地の気候等を計算したシミュレーションができる!

このシステムでは、部材の価格、人件費、輸送費、現地の環境や気候…等、膨大な情報をもとに設計や施工のシミュレーションをすることができます。これによって、必要な部材の数を割り出す、より安価な部材を使った場合のコストを計算する、最も効率のよい物流ルートを選択する…といったことが可能になるのです!
実際に、建築の外壁に1万枚のパネルを使ったプロジェクトでは、シミュレーションにより建築費を予算内におさえ、ひとつひとつのパネルにIDをふって発注することで、工場での生産から施工現場に至るまで、起こり得るリスクを最小限におさえることができたそうです。

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ここがスゴイよ!Gehry Technologies:その3
他の設計事務所でも多用されている!

このシステムは、ゲーリー氏の事務所だけでなく、他の建築事務所でも使用されています。デザイン性が高い複雑な建築でも、制度が高い工期やコストを提示できることで、施主も不安なく発注することができるようになる... 結果、デザイン性の高い建築が世の中に増えていくことに繋がります。
もともとは自身の作品を実現する為に開発したシステムですが、自身の利益だけでなく、建築界全体の発展を見据えている点が素晴らしい…!

実際の画面やモデリングの画像が掲載されている記事を見つけたので更に知りたい方は是非こちらの記事をご覧ください。(こちらも英語のみです...すみません…)
https://www.designboom.com/architecture/gehry-technologies-gteam-interface-revolutionizes-mobile-project-sharing-for-architects/

まとめ

革新的なDXも身近な課題解決から生まれる。そしてそれ自体が業界全体の成長を後押ししていく…というデジタルやITの無限の可能性を感じさせる事例でした。
皆さんも日々の業務で「こうなったら便利なのに...」というところに、新規事業のヒントが隠れているかもしれません…!


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