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あなたはどう感じますか?企業ロゴのカタチ・色・フォント

企業ロゴのデザインって、何気なく見ていた時にふと
『今更だけどなんで変わったんだろう?』と思うことありませんか?
先日クロネコヤマトから「荷物お届けのご案内」でアプリを開いてそう思ったデザイナーの丸山です。

実はこのアプリ、半年くらい前にアップデートされ機能的でシンプルなデザインになっていたのです。
以前の『デザインは少し古かったけど季節に合わせて昼夜も変わり、ちょろちょろとクロネコヤマトのトラックが横切っていく画面。
ほっこり和んでいたからちょっと淋しいな…』なんて思っていたらそもそも2021年4月からロゴがリニューアルしていたんです。
形は変わったけれど印象は変わっていなかったので気づいていませんでした…

紹介動画:【ヤマトグループ公式】ネコマークが、変わります。
新マーク導入の特設Webサイト

出典:ヤマトホールディングス株式会社


企業の顔であるロゴマーク。ヤマトグループの動画や特設サイト(上記)を見ると、ロゴに込められた企業の強い意志が伝わります。

軸となる"大切な子猫を運ぶ姿"のモチーフや色味は変わらないけれど、時代に合わせて、企業が目指す未来を象徴したカタチに変えていく。調べてみれば数々の企業ロゴの変遷を見ることができますが、気づかず自然に受け入れていたロゴもたくさんあって興味深いです。

今回はそんな、企業ロゴデザインの世界について、少しご紹介ができればと思います。


その色を見たらクロネコヤマトをイメージできる

コーポレートカラーは、クロネコマークで親しまれてきた黒、黄色をメインカラーとし、その2色を引き立たせる白、グレーのサブカラーを加えた4色とします。
黒、黄色を大切にしながら、都市、地域にノイズを生まず、より自然に溶け込む白、グレーを採用しました。

https://www.yamato-hd.co.jp/news/2020/20210301.html

人は今まで生きてきた経験から、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚を通して自然や日常生活の中で出会う色がどのように感じられるかを記憶しています。そういった色が持つポジティブなイメージをコーポレートカラーに込めることで企業が掲げる理念、ビジョン、指針などのブランディングを伝えているのです。
そういえばバーガーキングのロゴも変わっていたのですが、ブランドカラーは"本格的なバーガーのおいしさが感じられるカラー"とのことです。
親しみやすく見ただけで美味しそうな色ですよね(笑)

プレスリリースNo.72より引用
PDF:https://di7x3yh836phz.cloudfront.net/images/notice/498de855-d48d-44fc-9c5b-36d29340e08e.pdf


ロゴに使うフォントってどんなものなの?

ロゴに使われるフォントについては、小林章さん著作の本「フォントのふしぎ ブランドのロゴはなぜ高そうに見えるのか?」(のサブタイトルにまず興味をそそられました)が、内容もわかりやすく写真も多いのでフォントが身近に感じられます。この本のまえがきで、こう言っていてハッとしました。

知っていただきたいのは、まず、難しいルールなんてなくて、フォントって見た目で選んでだいたいOKということ。世の中の常識的なことがある程度わかっていたら、それで基本はできてるっていうことなんです。

https://bijutsu.press/books/2150/

そしてその理由については、服を選ぶ時に例えて、
「デザイナーじゃなくても経験から様々なシチュエーションに合わせて判断できてますよね。」
というような説明をされていました。(確かに!)
優雅さ・信頼感など、人が感じるフォントイメージとブランドを象徴する言葉との関係性や、同じフォントでも文字1つ1つのスペースを広げることで落ち着きや高級さを感じることができるなどの知識がこの本には記されています。

ロゴを作る時には、デザインする人が企業の意思やブランドのコンセプトを理解し、与えたいイメージに合うフォントを意図的に選んで、工夫を凝らしデザインして提案をしています。


使う人のモチベーションも上げるロゴやマークの力

ロゴには企業やブランドのイメージを背負うという大切な役目もありますが、好きなブランドのロゴが入ったものを持つことでモチベーションがあがることってありますよね。

以前、企業ロゴではないのですが某クライアントの社内システムに使うロゴマークを依頼されたことがありました。一般の人の目に触れることはありませんが、クライアントのそのシステムへの想いは熱く、要件である「コンセプトを象徴した力強いイメージ/青系」にそった2案をご提案いたしました。

1案目は力強く、知的で誠実さを思わせるシャープなデザイン。
2案目は丸みがありどっしり支えてくれそうな太めフォントと名称にちなんだ「ほっこりちょいゆる」なマークとの組み合わせ。使う人のやさしさも込めた案でした。

結果は1案目に決まったのですが、担当の方に2案目の「ちょいゆるマークだけ社内ドキュメントでちょっと登場させるなど、こっそり使ってもいいですか?」と仰っていただき快くお受けしました。
ロゴやマークがブランドを伝えるだけではなく、サービスを使う人や、組織で働く人の”モチベーションを上げる力”を感じた瞬間でした。


さいごに

以上、企業ロゴデザインの世界の一部を切り取ってみたお話でした。
「見た人や扱う人の気持ちを動かす、ロゴやマークを検討したい..!」
と、少しでも興味を持っていただけた際は、ぜひお気軽に弊社までご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました!


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