孫子の兵法がわかる本:守屋洋 を読みました

グローバルな時代に必携です

現代では「戦い」なんてほとんど起きないんじゃ…?
いえいえ、剣や槍、銃、兵器を使うだけが戦いではないのです

『孫氏』の概要

『孫子』は兵法書で、戦いの原理、原則、戦略、戦術について説いた書物です
約2500年前にまとめられた古典ですが、現代に通用する普遍的な考え方が多くあります

『孫子』は十三篇で構成されています。
「始計」「作戦」「謀攻」「軍形」「兵勢」「虚実」「軍争」「九変」「行軍」「地形」「九地」「火攻」「用間」です

『孫子』の兵法は2つのシンプルな考え方が軸になっています
・戦わずに勝つこと
・勝算がない戦いをしないこと

『孫子』の十三篇について

前述の2つの考え方をもとに各篇を見ていきましょう

1.始計篇

・戦いは国家の重大ごとなので、ぐれぐれも慎重に対処しなければならない⇒戦力の優劣、戦いによる利害得失は十分に検討する必要がある

・勝算を読むカギは「道・天・地・将・法」である
 道:自国だけでなく相手国の国民さえも支持するような目標設定
 天:天の時、ここぞというタイミング
 地:地の利、土地・ポジションの有利な条件
 将:敵、味方どちらが有能な将軍(リーダー)がいるか?
 法:組織の統制がとれているか?

・兵は詭道なり
⇒敵を欺くこと、意表をつくことが大切

2.作戦篇

・戦いには莫大なコストがかかるので、長期戦は避ける
⇒勝敗ではなく、戦いによる利益・損失を秤にかけて考える

・勝敗のカギを分ける要素の1つは、食料や物資を補給する能力
⇒補給できなければすぐに態勢が崩れてしまう

3.謀攻篇

・戦いは「手段」であり、政治的意図とという「目的」を達することが先決

・理想の勝ち方は、相手を痛めつけずに降服させること
⇒痛めつけ、叩きつぶそうとすれば激しい抵抗にあい、これは賢明でない

・味方の兵力を考え、状況に応じた柔軟な戦い方をする

・有能な人材を使いこなすリーダーになる
⇒いわゆるポートフォリオ・マネージャー

4.軍形篇

・自軍の態勢を固め、敵がくずれるのを待つ
⇒がっしりと守りを固めて、攻めに回ればすかさず攻めたてる

・あらかじめ万全の態勢をととのえてから戦う者が勝利を収める
⇒段取り八分です、準備段階から戦いは始まっています

5.兵勢篇

・奇正を組み合わせる
⇒「正」は正攻法、「奇」は奇襲作戦、どちらか一方ではなく、
お互いを理解し、柔軟に組み合わせることが大切

・相手を自分のペースに乗せる
⇒こちらの意図する方に相手を誘導する、自分のペースでなくなれば、
態勢を立て直すのは困難

6.虚実篇

・まず主導権を握り有利に事をはこぶ
⇒人がやらないことをしたり、相手の弱点を見つけ、そこをついたり、
敵の戦力を分散させたりして、自分に有利な状況を作り出す

・水の流れのように
⇒大河のように柔軟で、時には集中して打ちくずすような戦い方

7.軍争篇

・「迂直の計」:わざと遠回りをして敵を安心させ、実際は敵よりも早く
行動し、有利な状況にする
⇒5.兵勢篇にもある「自分のペースに相手をのせる」

・相手を追い込んでも自分の逃げ道を用意する
⇒「窮鼠猫を嚙む」の言葉の通り、追い込まれた相手が死ぬ気でくれば
形勢が逆転する可能性もある

8.九変篇

・理論と経験のバランス
⇒どちらか片方だけでは物事はうまくいかない

・「智者」、すなわち利と害の両面から物事を考える

・リーダーのありかた
⇒リーダーは決して必死にならず、部下を必死にさせることが
リーダーの務めである

9.行軍篇

・敵情の把握につとめる
⇒押そうとするならまず引く、引こうとするならまず押す、というような
駆け引きが重要

・「ピンチを脱した」と思った時が一番危ない
⇒一瞬の油断が命取りになる

・「厳」と「仁」を使い分ける
⇒信賞必罰の厳しい態度と、部下への思いやりをもつことが大切

10.地形篇

・自分の立場を検討する
⇒例えば、リーダーは重要な使命を全うする責任感をもちつつ、
功績に奢らず謙虚でいることが大切

・情勢(自分・相手の力、地形、タイミングなど)を十分に把握すると、
迷いがない行動ができる

11.九地篇

・窮地でこそ活路が開く
⇒どんなにピンチでも敵の弱点をつくことで形勢を変えることができる
時には死地に投じて「死ぬ気」にさせる

・始メハ処女ノゴトク、後ハ脱兎ノゴトシ
⇒わざと敵のねらいにはまったふりをして機をとらえて一気に攻めたてる

12.火攻篇

・目標を達するために戦略方針をたてる
⇒方向のちがう努力は必ず無駄になってしまう

・リーダーは一時の感情にまかせて突っ走ることは、厳に慎む
⇒リーダーは常に冷静で、情況を判断する

13.用間篇

・情報を制する者が勝つ
⇒情報過多の現代で正しく、必要な情報を取捨選択することが大切
また、最先端の情報を得るためにコスト、人材を投入することも大切

まとめ

この記事を読んでいただければ、ぜひ『孫子』を読みましょう

シンプルが故に実行が難しいですが…
「理論」をつかめば、後は実行して「経験」するだけです!

次はどんな本を読もうかな…

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