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12/17 傘は差さない

朝、外に出ると雨が降っている。のに、見渡す限り誰も傘を差していない。こういうところにカナダを感じる。郷に入れば郷に従う、なのか、朱に交われば赤くなる、なのか。わからないけれど、私も差さない。日本に帰国したらまた差すだろう。そんなもんだ。路面電車が目の前を通り過ぎたので、走る。走って追いかける。前を走る彼が2秒に1度後ろを振り返って、わたしを確認する。彼の優しさのかたちが見える。置いてけぼりにしない。一緒に走る。すぐに次の停留所で追いついて、乗れてしまう。路面電車は遅いのだ。走るのと対して変わらない。でもわたしたちは走り続けることはできないから。路面電車に乗っていれば進んでいくから。今日もいちにち。

ぴろ

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