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エスコンフィールド北海道スタジアムツアーから組織の参考になる話

この記事は スタンバイ Advent Calendar 2023 の22日目の記事です。

今年印象に残った「いい意味で期待を裏切ってくれた(上回ってくれた)」体験を、覚えているうちに書き残しておきたいと思います。
私たちの会社のアドベントカレンダーに(強引に?)関連づけるとしたら、「チームで仕事をする」ことにつながる話っちゃぁ話かなと思います。

なお、以下で褒め過ぎちゃうと思いますが、私は日本ハムや日本エスコンの利害関係者ではありません。現状特にファイターズファンでもありません。それこそファンだったら、さらに数倍増しで感動したのではと思いますが。
※ 写真は、引用元を記載しているもの以外、自分が撮ったものです。


訪問した経緯

9月頭くらいにスクラムフェスニセコへの参加を決めた後、数年前の支援先で仲良くしていただいた方々が札幌で働いているので会う相談をして、後泊して帰る日程にしました。
泊まった翌日どっか寄って帰るとこあるかな?と考えたときに、日本ハムの新スタジアム「エスコンフィールド HOKKAIDO」を思い出してWebサイトに行ったところ『スタジアムツアー』があり、その日が開催日だったんです。
Jリーグクラブのサポーターということもあって、スタジアムに対する関心が強めな私は、喜び勇んでチケットを予約しました。

当日現地に入って先ず驚いたのは、秋季キャンプの練習試合っぽいのをやってたことと、それを見に大勢のファンが詰めかけていたことです。
スタンドは無料開放のようで「大盤振る舞いやな」と思ったんですが、フードコートとかグッズショップとかは人が溢れるくらいで絶賛営業中でした。シーズンオフも遊びに来てもらってお金も使ってもらうというのが成立しているようでした。

秋季キャンプの練習試合がスタジアムで行われていた。

観客と選手・監督が意識し合う場づくり

そして、予約した時間に集合場所に行くとスタジアムツアーは4-5グループが同時進行するようで、けっこうな人でごった返していました。これが1時間おきに繰り返されると考えると、相当な集客です。
ツアー開始。ブルペン・ダッグアウトに入らせてもらえます。どちらも観客席から見られる&観客席が見える構造になっていました。

ブルペンと観客席が間近なつくり

選手たちが常に観客を意識するということと、観客が選手たちと近い緊張感や臨場感をもって観戦できることとの両立を図っているようです。
他者理解も自己理解も進むんだろうなと思いました。

ダッグアウトと観客席もかなりの隣接度合い

お客さん=ユーザーさんの目線を感じて、少しでもその視点で考えられることから、仮説が生まれたり・磨かれたり、仕事の原動力になったりするようなことは、スポーツに限らずどんな仕事でもあるよなぁ・・と考えました。

「ここに通いたくなる」選手エリア

ツアーには種類があり、どうせ行くならと奮発して「プレミアムツアー」のほうを選んでたのですが、それがよかったという核心に入ります。

江別のレンガが使われたホームチームエリアのエントランス
(選手・監督らの出入口)

『まるでファイターズの選手になった気分を味わえるプレミアムな体験』というキャッチが添えられている「通常非公開のホームチームエリア」では、ロッカールーム、トレーニングルーム、選手ミーティングルーム “KURIYAMA ROOM”などを見学させてもらえます。

ロッカールーム・ミーティングルーム・トレーニングルームとそれらを結ぶ通路は撮影禁止&会話禁止エリアなのですが、全体的に暗めにライティングされたシックな造りになっていて・・・とくにロッカールームは豪華でした(参考写真)。ここで練習試合後の選手たちが普通に話してたりしました。

UHB 北海道文化放送 のニュース記事サイトより引用した ロッカールームの写真

エントランスから一貫して豪奢な造りにしていることについては、
「ファイターズの一軍に上がってここに出入りしたいと思ってもらうため」
というコンセプトをキッパリ説明されました。
新卒入団だったとしても、他球団からの移籍だったとしても、このエリアを見に来たら心奪われる気がします。

最近のスタジアムには「ゆっくり食事しながら観戦できるVIPラウンジ」や、感覚過敏な方への「センサリールーム」など、幅広い来場者向けに考え抜かれた設備が整っていると聞きます。エスコンフィールドでもサウナに入りながらの観戦や、ビアガーデンからの観戦もできたり、VIPラウンジからガラス越しにインタビュールームを眺められたりもするみたいですが・・・
そのうえ、更に『選手がモチベーションを高められるようにチームエリアを設計している』と胸を張って言われてしまうと・・・
こりゃ熱量高まるなと思いました。

Jリーグでもパナスタ(パナソニックスタジアム吹田)のロッカールーム画像が発信されてたのを見たことがありますが、こういうのってプロを目指す若い選手たちも惹き付けるだろうし、またぐるっと一回りしてサポーターを熱くさせるという循環を生み出すのかも・・・なんて思いを馳せました。

ここまで書いてて、なんか自分だけ盛り上がってるんじゃないか疑惑が頭をよぎりましたが、最後までやり切ります。

まとめ

ツアーを終えて、ボールパークに多様な期待を抱いてやってくる観客の目線だけでなく、選手目線でも、監督目線でも、もちろん経営目線でも…重層的に考えて「場づくり」が行われているんだろうなと感じました。

当初の「屋根が水平に開閉する新しい趣向を凝らしたスタジアムが見れる」くらいの期待をはるかに上回る学びを与えてくれた、大人の修学旅行のような体験でした。


余録:「ここに通いたくなる」チームか?

このまま「ファイターズはいいよね」という話で終わるのも今一つなので、思いきって「私たちの会社=スタンバイはどうか」を自問?してみます。

落ち着いた照明やレンガのようにぱっと見て分かるファシリティではないのですが、言えることはありました。
私たちには「メンバーが自分ごととして生み出すものが最高の価値を生む」と信じている CTO、COO、PdM、PO、TL、EM らと共にはたらくメンバーがいます。そして周りにいるセールス系の方もみな同じマインドです。
【追記:まさにそのあたりを12/25に COO の山本さんが書いてくれました
これって「アジャイルソフトウェア開発宣言の背後にある12の原則」の次の二文と同じことを言っているように思います。

Build projects around motivated individuals.
Give them the environment and support they need, and trust them to get the job done.
意欲に満ちた人々を集めてプロジェクト(チーム)を構成します。
環境と支援を提供し、仕事を終えるまで彼らを信頼します。

The best architectures, requirements, and designs emerge from self-organizing teams.
最良のアーキテクチャ・要求・設計は、自己管理型のチームから生み出されます。

Principles behind the Agile Manifesto(アジャイル宣言の背後にある原則 より抜粋

だからこそ、SM(ScrumMaster)の自分もここにいて、毎日通っています。通っているといってもリモートワーク中心でバーチャル出勤が大半ですが。

太鼓持ち芸人的な締め括りになりましたが、真実なので大丈夫ですよね。
さて、いよいよ今年も大詰めになってきました。
よい2024年を迎えたいですね!