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仙台で実施した「スプリントレビュー体験」ワークショップのふりかえり

先日の記事 で予告させていただいていたスクラムフェス仙台でのワークショップを実施してくることができました。
ふりかえり(リフレクション)を記録させていただこうと思います。

https://confengine.com/conferences/scrum-fest-sendai-2024/proposal/20236


設計

いつも一緒に仕事している組織の方々と行うのではなく、スクラムフェスに集まった参加者の方々にその場でチームを組んでいただくことになるので、その点を考慮したワークを模索していくかたちとなりました(結果的にこの試みは簡単ではなかったと言うこともできます)。

  • 別々の職場から集まった初対面のメンバーでも進められるワーク内容にする必要がある

  • 逆に、スクラムイベントを能動的にリードしてもらえる人は多いだろうという期待は持てる

また、正解がないものを探っていくのがワークショップの基本スタンスであるとはいえ、今回はスクラムイベントに関するテーマということで、スクラムガイドのど真ん中へのアプローチに挑戦する感覚もあり、緊張感を覚えながら臨みました。

事前準備をしていた作業用 miro の様子

直前準備

次のようなものを準備物を作りました。

  • 配付資料(インクリメントのテーマや作成ルール等を記載)

  • プロダクトインクリメント用のフリップチャート

  • 説明用スライド

三つめの説明用スライドは、直前に「やっぱりやることと時間はスクリーンに表示したほうがいいよね」とか「まとめも書いておいたほうがいいかも」などと話しながら、大半を当日のランチタイムに作ってました。
ほとんど進行の流れしか書いていませんが、共有させていただきます👇。
https://docswell.com/s/8737983596/5EXX17-2024-08-24-sprintreviewworkshop

また、スクラムフェスや RSGT でのワークショップは、サインアップボードを事務局が用意してくださるので、参加エントリーしいただいた人数を直前にみて、グループ分けの数を確認したりしました。
この時点で会場のテーブルと椅子のレイアウトも決まりました。

実施

最初にワークショップ全体の概要説明と主催者の自己紹介をさせていただいた後、次のような流れで進めました。

  1. 【全員で】グループ分け

  2. 【グループワーク】自己紹介タイム

  3. 【全員で】メインワークの説明(プロダクトゴール、完成の定義、1回のスプリントで期待するプロダクトインクリメントなどの共有)

  4. 【グループワーク】スプリントプランニング

  5. 【グループワーク】スプリント

  6. 【全員で】スプリントレビューの進め方の説明と組み分けの発表

  7. 【2グループ合同で】スプリントレビュー(前半、後半でレビューイとレビュアーを交替する)

  8. 【グループワーク】ふりかえり(スプリントレビューの体験を中心に意見交換や質問出し)

  9. 【全員で】まとめとQ&A

2チームで相互にスプリントレビューを行いました

フィードバック収集

クロージングでお願いして退場時に Happiness Door に付箋を貼っていただきました。また、その夜、仙台に残ってギャザリングを続けていた参加者の方に感想をお伺いしたりもしました(今回やや積極的に Discord の雑談チャンネルで二次会とかでハシゴされているところに「参加者の人いませんか?」と呼びかけて、押しかけインタビューさせていただいたりもしましたw)。

後で Happiness Door の写真を見返したところ、内容について書いていただけているものも多く、さすがスクラムフェスの参加者のみなさん!!お互いの学びに貢献する意識の高さや、ふりかえりを大切にされているマインドを感じました。とても有り難かったです!

Happiness Door に寄せていただいたフィードバック

戴いたフィードバック - よかった点

  • この体験と気づきを現場にも反映したいと思えた。

  • スプリントレビューを「もっとやりたい」と思えた。

  • スプリントレビューの説明を読み直そうと思った。

  • ステークホルダーとしてレビューに入る体験が楽しかった。

  • ステークホルダーとの協力関係について議論できたのがよかった。

  • 問いを投げかけられて、自分たちで考える負荷感があったのはよかった。

戴いたフィードバック - 課題点

  • 初対面のプロトコルが合っていない状態でのチームワークのため、様子見みたいになって参加度がバラついてしまうところがあった。

  • ワークの難易度が高かった。

  • スプリントの時間が短かった。

    • この時間でやるならもう少しプロダクトインクリメントのスコープを絞ったり、ハードルを下げる誘導(発言)があったりするとよかった。

    • やることを絞ることでプランニング時間も短縮できたかもしれない。

また、当日、グループ間で話したことの共有時間を取れなかったので(自分も後でしか聞けなかったので)、 参加者のみなさんへの共有も兼ねて、以下に書き留めます。

各グループで話されたこと

  • どうやってステークホルダーとの協力関係を築いていけばよいか

  • ステークホルダーを「レビュアー」じゃなく「仲間」にするにはどうすればよいか

  • スプリントレビューのワーキングセッション化するのにどう働きかければよいか

以上、全てを拾えてはいませんが、どうかご容赦ください。
(他にもこんなのもあったよという参加者の方、是非ご連絡ください!)

この記事を書いた後で、おーのAさんがめちゃレポートしてくださってるのに気づきました。👇
https://note.com/akira_real/n/n385011da278b
ありがとうございます!

ふりかえり

フィードバックを踏まえて、かつ自分の手応えも併せて、ふりかえりを記録しておきたいと思います。

先ず、戴いた課題点はどれも「たしかに」と思えるものばかりで、そもそも90分で行うのに too much なテーマだったかもしれないという考えと、ご指摘いただいた点を見直せば改善できるかもしれないという考えとが共存しています。当日終わった後も軽く話したのですが、あらためて共催者2人で意見交換しておきたいと思います。

そして、「よかった点」と括らせてもらったご意見からは、狙っていた状態に至ってもらえた参加者がいたことも確認できました。
特にレビュアー役を体験する時間は、いつも開発チームにいる人にとって、言ってみれば「お客様の立場」に思いを巡らせる機会を作ってみました。うまくステークホルダーになれた方が多かったらよかったと思います。

巷で聞くスクラムイベントの型をなぞって Do Agile するのではなく、一つ一つのスクラムイベントの意義に向き合って Be Agile するということに気づきや関心を強めていただけてたら、やって良かったと思います!
それこそ Ryuzeeさんの Deep Dive シリーズをワークショップで体験できるような、そんな体験を生み出すことを今後も考えていければと思いました。
って、めっちゃ大それたことを言ってる気がしてきましたが・・。

そして、自問自答を繰り返す

先日の記事で「ワークショップで深く伝えることへの挑戦」というタイトルで書いちゃってますが、実現できているだろうか?と自問自答しています。
いわゆる通常のセッションに比べて、「深く」考えていただくことができているだろうか???

ワークショップだと届けられる人数が限られてしまうので、「深さ」と書いたあたりの到達点を担保できないと ROI が合わないということになります。
このあたりを追求していかなければと肝に銘じていますので、今後とも忌憚ないご意見をお願いします!

次も、もうすぐ

次は 9/28(土)に XP祭り です。また新しいテーマで企画していますので、「一緒にTRY してみよう」と思っていただける方がいらっしゃったら、是非ご参加いただけると嬉しいです!

https://confengine.com/conferences/xp2024/proposal/20397

それではまた。