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ニュージーランドIT就活結果報告:就職決まりました

ニュージーランドのITディプロマを卒業し、現地IT企業での就職を目指し就活をした結果、とうとう就職が決まりました!日本でのIT経験が有り、現地で働けるビザもある状況での就活ですが、海外IT就職を目指している方には参考になることがあると思います。

ワークビザの取得に関しては、持病があったためかなり手間がかかりました。詳しくは過去の記事を参照ください。最終費用やおすすめクリニック以外は無料で公開しています。

就活前の状況

8月上旬に、ニュージーランドで2年間のオープンワークビザを取得し、就活を開始しました。実はその前からちょこちょこと仕事に応募はしていたのですが、ビザがまだ学生ビザだったことや、CVやカバーレターの質が悪かったこともあり、あまりいい反応は得られませんでした。

応募したIT企業は数えていませんが、20件以上。
面接は2件、オファーは0件。​

応募しても自動フォーマットのお祈りメールや返事が来ないことなども多く、これは話に聞いてる通り、最初の仕事のオファーをもらうのがニュージーランドでは難しいのかもしれない、と思っていました。

ニュージーランドはコネでの就職が多いとも言われていて、求人広告から仕事を探すのは大変、と言われています。

ちなみに、ITのディプロマが終わったのが5月、修了証を受け取り、健康診断を受けてビザの申請をしたのが6月上旬でしたが、健康診断追加書類が必要になり、医師との面談の予約が取れた7月下旬まではワークビザが取得できないことはわかっていたので、7月中は就活のための英語コースに通っていました。

このコースはEnglishLanguagePartnersという、政府から助成を受けた団体が提供するコースで、永住権保持者は無料・ワークビザ保持者は$120で48時間の英語による就活訓練を受けることができます。必要な英語レベルはIntermediate以上だったと思います。

受講当時、私はワークビザをまだ手に入れてませんでしたが、ビザ申請の領収書を提出することでコースに入れてもらうことができました。

4週間午前中4時間のコースで、ITに特化したものではないですが、通ってよかったなと思っています。このコースの紹介は別記事でと考えています。

就活開始

8月上旬に2年間、どの現地企業の元でも働けるビザ(Post-study work visa)が発給されたので、本格的に就活を開始しました。

就活をする上で、どの会社にいつ応募し、どの段階まで進んだのかをしっかりと記録をつけるようにしていました。

CVやカバーレターの精度をあげ、面接の練習も常にしていました。CVやカバーレターが微妙だとその先に進まないので、特にカバーレターには毎度時間をかけていました。

ITのポジションなので、スキルチェックもたくさんあるかと思ったら、面接で技術的な細かいことを聞かれるパターン、スキルチェック(テスト)+面接のパターン、とあるようですね。もしかしたら応募する仕事のレベルによるのかもしれません。

今回コロナウィルスの影響により、外国人労働者の雇用機会が減ることを懸念していたのですが、影響はゼロではなかったと思いますが、そこまで影響は感じませんでした。

私が応募していたポジションは

Software Developer
Software Engineer
Web Developer
Java Developer


などで、レベルはIntermediateレベルを中心に探していました。

日本での経歴はトータルで7年半くらいなのですが、5年半、1年、1年の経験のうち、それぞれ間にギャップがあるので、7年くらい経験があるとシニアレベルを目指す人もいるみたいですが私は自分のレベルはIntermediateと見ています。

結果

表にまとめてみました。

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実は毎日カバーレター書いたり、企業調査していたのでたくさん応募している気になっていましたが、実際にIT企業へは10社しか応募していないことに自分でびっくりしました。
リクルートエージェンシー合わせても14社。

リクルートエージェンシーは、募集要件をきちんと満たしていないと企業側へCVが伝わることがないので、結果として経験が豊富なシニア向けの募集が多いように感じました。また、リクルートエージェンシー経由の応募は1件も選考へ進みませんでした。

一方で企業への直接の応募については、10件中5件、面接へ進んでいるのでなかなかいい反応だと感じました。仕事の募集広告の全ての要件を満たしていなくても、カバーレターなどで企業の採用担当の目に止まれば、チャンスがあります。

コネに関しては、ニュージーランド内のFacebookやLinkedIn、友人の友人など、誰かDeveloper募集してたら教えてください、と言う感じでアンテナを広げていましたが、特に反応はありませんでした。

なので、わたしの感覚としては、ニュージーランドで、コネなしでも、インターネット上の求人広告からでも仕事は探せると思います。企業から反応がないと感じるのであれば、CVやカバーレターを見直すべきかな、と思います。

周りの人の経験談などから、ITの仕事が半年くらい見つからない可能性も見ていたので、繋ぎの仕事としてITではないパートタイムの仕事(カフェとオフィスアドミニストレーター)も最初の頃は受けてみました。どちらも面接を受け、カフェの方はフルタイムのポジションのオファー(正式ではない)があったのですが、ITの仕事が決まった場合に「辞めます」となると申し訳ないので、正式オファーの前に辞退し、それ以降はITのみに焦点を絞って就活を続けました。

ちなみに、1社の仕事の正式オファーをもらった時点で受けることにし、就活は終わりになりましたが、1件まだ面接の結果をもらってない会社があります。

※追記 9/9 最後の、面接の結果をもらっていなかった1社も、返事をいただき、テクニカルインタビューに進んでほしいとのことでしたが、すでに上記オファーを受けましたのでお断りさせていただきました。

面接の種類

1. 電話面接

電話ミーティングの後に本面接というのはよくある流れなのか、電話で志望動機やCVに書かれている内容などをしっかり確認された後に面接の日付をアレンジしてもらう流れが2件ありました。本面接に至りませんでしたが、オープンポジションがない会社へのCV送付でも、1件電話面接を受けました。

基本的には、メールで電話をする日時を決めるので準備をする時間はしっかりあります。

2. オンライン面接(Zoom/Microsoft Teams)

Microsoft Teamsが2件、Zoomが1件でした。基本的に相手方は複数であることが多く、インターネット回線によっては音が途切れたり、聞こえにくいこともあるので、質問を聞き返したりすることもありました。

私たち日本人が英語でオンライン面接にのぞむ場合、英語が分からなくて聞き返す場合、ネットワークの問題で聞き返す場合とあると思うのですが、ネットワークで聞き取りづらかった場合は、

Sorry, it was hard to hear you... could you repeat it again please?

みたいに、ちゃんとそれを付け加えるようにしていました。わたしの英語はまだまだ拙いことも多いですが、英語がわからないくてコミュニケーションが取れないという印象を与えないように少し気をつけていました。

こちらの面接官はカジュアルに接してくれる人が多いですが、could や pleaseなど丁寧な言葉を使うようにも心がけました。

オンライン面接の利点は、メモが見放題な点でしょうか。もちろん目線はなるべくカメラに向けた上で、手元の紙に伝えたいキーワードなどは大きめに書いておいて、面接中の回答にうまく織り交ぜながら会話をしました。

この3件のうち、Zoom面接をした会社が後ほど公式オファーをくれました。個人的には、うまく説明できないことなどもありましたが、オファーをくれた時には「君の面接はとても良かったよ」、と言ってもらいました。

3. 対面面接

今回、IT企業の対面の面接は2件で、場所は1件はオフィス、もう1件はカフェでした。オフィス面接は面接官3名、カフェ面接は2名でした。

カフェ面接は、アドミニストレーターのポジションの時にもしたのですが、飲み物は誰が買うべきかなど迷います。なので、ITのカフェ面接の時には早めにいって自分でオーダーして場所も確保していました。

コロナの影響もあり、握手はする場合としない場合がありますが、ニュージーランドでは基本的に握手をします。

対面の面接ではメモに目を通す機会もないので、ノートとペンを出しても開かないまま終わりました。

対面の面接はその場の空気感が読めるので、コミュニケーションは一番スムーズに感じます。

この2件の対面面接の結果はどちらもNGだったのですが、わたしを気に入ってくれた面接官もいたようで、1件のNG連絡はメールでしたが感謝のメールを返したらその後コミュニケーションが続き、自分のコネクション内でDeveloper探している人がいたら共有するよ、と個人的にLinkedInで連絡を取る仲になりました。

もう1件は電話で申し訳なさそうに、彼らが今すぐに欲しいのはSeniorレベルのDeveloperで、でもSeiniorがうまく採用できてチームが安定してきたら君に声をかけたいと思っているんだ、と言ってくれました。建前と思う方もいるかもしれませんが、電話をするためのスケジュールをメールで決めた上で電話をしてきてくれているので、本心から思ってくれているんだろうなと感じました。この面接官は、就活を続ける上で、習得しておくといいスキル(主にプログラム言語やAgile, Scrumなどへの理解について)なども助言してくれました。そして、実はこの電話の時点で1件、ジョブオファーを別の会社からもらっていたので、厚かましいとは思いつつジョブオファーの件、受けるか悩んでるんだということを相談したら、かなり親身に今のわたしの状況・オファーの内容・給与面・ニュージーランドの就職マーケットの1年の動向などを踏まえて彼の意見を教えてくれました。そして、彼が、「Yes, you should take this offer!」と言ってくれたことも後押しとなり、このいただいていたジョブオファーを受けることにしました。ニュージーランドの就活事情に詳しい第三者からの意見はとても貴重でした。

スキルチェック

実はこれはもっと経験したい部分でした。

わたしの受けた採用のうち、面接でかなり細かい技術面を聞かれたのが2件(どちらも対面)、課題を提出するタイプのスキルチェックは1件でした。

スキルチェックはディプロマ時代に応募をした会社でもJavaのテストを受けたことがありますが、もっともっと受けて練習したいと思っていたんです。

Seniorレベルになるともっとあるのかもしれないですね。もしくはわたしの選んだ会社がたまたまだったのか…

Referee / 推薦人

日本人にとっては馴染みのない、推薦人の制度。

2名の自分の推薦人の連絡先を、企業からの要望に応じて提出し、企業は実際にこの推薦人に連絡を取ります。なので、原則として推薦人としてお願いする人たちは英語ができないといけません。

そして、職歴のある方であれば、推薦人のうち最低でも一人は過去の勤務先の上司が好ましいと言われています。わたしはこちらの現地企業でインターンシップをしているので、そこの会社のCEOと、ディプロマ時代の先生にお願いしました。インターンシップの会社はIT企業ではない(ビジネスコンサルの会社)のですが、日本で過去働いていた会社の上司で英語のRefereeをお願いできる人がいなかったこともあり、お願いしたら快く受けてくれました。わたしのコーディングやソフトウェア開発スキルを知ってるディプロマ時代の先生も同様に快諾してくれ、「すごくいいこと書いといたよ」と言ってくれました。現地に知り合いのいない外国人労働者が、学校(専門学校だけでなく、語学学校でも)に行くメリットはこういったRefereeを得られるということもあります。

企業によっては電話だったり、メールだったりといろいろですが、わたしがオファーをもらった企業は、Google Formによる、かなりの数のわたしに関する質問が推薦人の元へ届いたそうです。

このRefereeを聞かれるタイミングはだいたい採用活動の後期もしくは最後なので、これを聞かれたら心が躍りますね。

このRefereeのチェックの後、2日ほどで内定の連絡、正式書類の送付と続き、仕事を得るに至りました。

まとめ

本格就活開始から1ヶ月で就職先を決めてしまったことに関して、「もう少し吟味しても良いのでは?」という声は実はもらっています。

日本で新卒就活をしていた時も、一番最初に採用をくれた会社に決め、とても良い経験と今に繋がるスキルを手にすることができたので、わたしらしい決め方だなと感じています。

今後、どれだけ需要があるか分かりませんが、連載形式で実際の就活の際のTIPSなどを書いていこうかな、と考えています。

・応募企業選びのコツ(ジョブサーチ使用媒体、就活向け会社情報の見方)
・CV・カバーレターの書き方(実際のCV・カバーレター公開なども検討中)
・インタビューのコツ
・その他、就活で気をつけていたこと

とは言っても、そこまでたくさんの企業へ応募・面接を受けたわけではないので、自分の受けた印象と感想になります。

今、海外のIT企業で就活に苦戦している方へ。

ニュージーランドと他の国とではもちろん事情は違うと思いますが、わたしはニュージーランド流の就活とは何か、をしっかりと時間をかけて理解し、それに合わせて就活をした結果、短期間で自分のしたい仕事・Software Developerのポジションを得ることができました。

就活のためのコースと実際の就活にかけた時間がほぼ同じくらいなのはたまたまですが、その国に合わせた就活方法をしっかりと取り入れて分析することをおすすめします。

会社選びに関しては、自分の興味のあるシステム開発・サービス内容かどうかを基準に判断したため、英語力ではまだまだ拙い部分はありながらもCV、カバーレター、面接での説得力があったと思っています。

また、ビザなしでもビザサポートをしてくれる企業を見つけて就職したという人もいますが、そういう人はかなり積極的に企業へ自らアプローチをかけられるタイプの人だと思いますし、かなり難易度が高いと思います。

確実に、一般的なやり方で海外IT企業へ就職するには、戦略的に、企業が自分を採用しやすい環境を作ることが遠回りのようで近道です。わたしの場合は、まずは「働けるビザを取得する」ために「ディプロマで1年勉強する」道を選び、そのディプロマで勉強するための「資金を日本で1年間貯める」という、就活期間を1年と想定しての3年計画でした。

語学学校の学生ビザで、IT就職をチャレンジしたこともあるわたしにとっては、この3年計画は失敗から学んだ成功体験とも言えます。


最後までお読みいただきありがとうございました。


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