見出し画像

スペシャリティコーヒーにこだわる!葛飾区 カナンファクトリー

叶夢(かなん)ファクトリーは、フューチャーダイアリー株式会社が運営している就労継続支援B型事業所です。商品は、こだわりのスペシャリティーコーヒー。ハンドピッキングで厳選した豆を、丁寧な手作業で焙煎しています。その背景を、代表取締役の堀合さんにお聞きしました。

子供たちが笑って過ごし、安心して働ける未来を作りたい

PIPPO:設立の経緯を教えてください。

堀合さん:以前はサラリーマンをしていたのですが、子供が保育園の時に障がいがわかり、小学生の頃に、もっと子供と過ごす時間を持ちたいと思って、自分で会社を起こしました。最初は、玉ねぎを袋詰めする機械を売る仕事をしていました。
しかし、自分が子育てをし、また、障がいのあるお子さんをもつ親御さんたちとも関わっていく中で、子供たちの将来に不安を感じるようになりました。社会には、障がいのある人たちを受け入れる先は少ないんです。

自分に何かできることはないか……と考えていたところ、友人から就労継続支援B型事業所のことを聞き、これだ! と思いました。
そして作ったのが、フューチャーダイアリー株式会社です。
フューチャーダイアリーとは、「未来日記」のことです。子供たちが笑って過ごし、安心して働ける未来を作りたい。そんな思いで名付けました。

障がい者に対して、差別ではなく、理解や協力を自然に行える社会にしたい。障がいを持つ子の親が孤立して悩み苦しむことがないよう、情報交換をし合ったり、支え合える社会にしたい。
その一歩として、地元の葛飾に、当事者と家族を支える仲間の居場所を作りたいと思ったんです。

夢に向かって、ひた向きに進む“ピュアワーカー”

PIPPO:社名には未来への思いが込められているんですね。叶夢(かなん)も素敵な名前です。

堀合さん:叶わない夢はない、叶えたい夢がある……夢は叶う! そんな意味を込めています。
私たちは、“障がい者”ではなく、働く意欲のある人たちは“誠実な作業者=ピュアワーカー”として考えています。夢に向かって、ひた向きに進んで行こうとしている人たち、ということです。
彼ら・彼女らのそんな姿を見てほしいと思っています。そして、丁寧に作られたコーヒーを通じて、社会を変えていきたいと思っています。

最上級の、トップスペシャリティにこだわっている

PIPPO:叶夢のコーヒーはPIPPOでも人気ですね。コーヒーへのこだわりについて教えてください。

堀合さん:スペシャリティコーヒーの生豆から、ハンドピッキング(手作業)で、虫食いのある豆や、カビの生えた豆を取り除いています。スペシャリティコーヒーというのは、豆の大きさや状態、味などで評価されるんですが、全体の10〜5%しかないんです。その中からさらに欠点豆を取り除くことで、最上級の、トップスペシャリティにこだわっているんです。
こうして選び抜かれた豆は、安心・安全で、雑味のないコーヒーになります。冷めてもおいしいし、そのまま食べてもおいしんですよ。

画像1

人の手だからこそ生み出せ る商品に、誇りを持つ

PIPPO:最初にコーヒーを作ろうと決めた理由はなんだったのでしょうか?

堀合さん:そもそもコーヒーが好きなんです。でも、それだけではありません。
叶夢は、どんな障がいの人も受け入れて、柔軟な働き方をしてもらえるような事業所にしたかったんです。そのためにはコーヒーが最適でした。
事業を継続していくためには、利益があげられること、つまり工賃を払えることが前提です。コーヒーは生豆から仕入れて、販売まで行えば高い利益率が得られるんですよ。

就労支援事業は、事業者側の事情を言えば、できれば毎日来られる人や、長時間働ける人に来て欲しいところです。でも叶夢は、どんな人でも来られる場所にしたかった。週に1回でも、どんな障がいがあっても来てもらいたい。だから、利益率の高いコーヒーを選んだんです。

あと、コーヒーを作る仕事には、働く人たちにもいろいろなメリットがあります。
ハンドピッキングの作業を通して、集中力や判断力、確認をとるときのコミュニケーション能力など、多くの能力を高め流ことができます。
作業量はノルマではなく、自分で目標を設定してもらっているのですが、目標をクリアすることで達成感が得られます。また、仕事を通してコーヒーに関する新しい知識を得ることも、充実感につながります。
あと、コーヒーの香りや、コーヒー豆を挽くときの音、手の感覚には、リラックス効果もありますね。

そして、自分たちが作ったコーヒーを飲んで「おいしい」と感じたり、家族や友人に飲んでもらって「ありがとう」と言われることで、喜びを得ることもできます。
人の手だからこそ生み出せる商品に、誇りを持つことができるんです。

画像2

オンリーワンとしてアピールしていきたい

PIPPO:今後の目標を教えてください。

堀合さん:どんどん営業して、叶夢のコーヒーを広めていくことです。
障がいを持つ人がスペシャリティコーヒーを扱っているところはほかにないので、オンリーワンとしてアピールしていきたいです。
手作業なので、お店に合わせたブレンドで、小ロットの商品を作っていくことも可能です。叶夢のコーヒーを取り扱ってくれそうな喫茶店やカフェを探して、どんどん飛び込みで営業していきます!

PIPPO:ありがとうございました!

PIPPOに興味を持ってくださりありがとうございます。PIPPOの運営費に使わせていただきます。