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タイ・バンコクでの妊娠・出産体験記【前編】~バムルンラード病院の妊婦検診や出産準備~

2024年6月3日午前5時ごろ、タイ・バンコクにて第一子となる男の子を出産しました。

本記事では、私たちがお世話になったバムルンラード病院の概要や、妊婦健診等に関する情報をまとめています。

あくまで筆者の経験に基づく話ですが、タイで出産を控えている方や、タイの出産事情に興味がある方にとって、なにか参考になるものがあれば幸いです。


バムルンラード・インターナショナル病院の概要

バムルンラードインターナショナル病院

バムルンラードインターナショナル病院」(Bumrungrad International Hospital)は、バンコク都心のナナエリアに位置しています。

創業は1980年。東南アジア最大規模の私立病院のひとつで、年間190ヵ国以上の国から110万人以上の患者を受け入れています

1989年にはタイ証券取引所に上場。アメリカのNewsweek 誌が発表する「世界の優良病院ランキング」では、タイの病院で唯一、世界のトップ250に3年連続でランクイン。

タイ国内の評価では、「World's Best Hospitals 2023 - Thailand」にて1位をキープしている信頼度抜群の病院です。

1200人を超える医師および900人以上の看護師が、55の細分化した専門科において患者様の治療を行っています。(中略)病院の施設には24時間対応の救急センター、19の手術室、4種類の集中治療室(一般ICU、小児科ICU、冠疾患ICU、レベル3新生児集中治療室)、リハビリセンターなども含まれています。

引用元:「患者様サービス概要」より

院内はまるで高級ホテルのよう。スターバックスやマクドナルド、フードコートなどのレストランや、売店などの施設も充実しています。

当院は18以上の言語サポートがあり、日本語対応の電話窓口は24時間稼働。診療の際は日本語通訳をつけることができ、日本語カウンター(毎日7時~18時)で相談もできて安心です。

日本語サービスカウンター

日本人が利用しやすいバンコクの病院には、サミティベート病院やバンコク病院などもあります。

私たち夫婦がバムルンラード病院を選んだ主な理由は、以下の通りです。

・自宅から近い
・施設がきれいで快適
・信頼度が抜群
・通い慣れていた


主治医選びは大切

私たちは、タイの不妊治療クリニック「SAFE」に通院し、不妊治療で子どもを授かりました。

SAFEで紹介状を書いてもらうにあたり、バムルンラード病院での出産を希望している旨を伝えると、「産科ドクターの希望はありますか?」と聞かれました。

バムルンラード病院の産婦人科医について調べたところ、「エコー検査ができる先生を推奨」という情報をいくつも発見。

どうやら当院には、エコー検査ができるドクターと、できないドクターがいるようです。

そこで、周産期エコーの専門医で、日本人のあいだで評判のラシック先生(Dr. Rasik)を指名しました。

ラシック先生は、ふんわり優しい雰囲気を醸し出すおじちゃんドクター。妊婦検診では、いつも「なにか質問はありますか?」と尋ねてくれ、どんな質問にも丁寧に答えてくださいました。

後編の記事でお伝えしますが、お産本番では、ラシック先生の穏やかな笑顔に何度も救われました。この先生が主治医で本当によかった……!

エコー検査のたびにDVDをいただいた

ちなみに私の友人は、当初エコー検査ができない先生が主治医で、その先生とラシック先生とふたりの診療にあたることになり、ドクターフィーも待ち時間も2倍かかってしまったのこと。途中から、担当をラシック先生に変えてもらっていました。

上記をふまえると、エコー検査ができる先生をあらかじめ指名したほうがよいかもしれません。

妊婦検診の流れ

2023年12月16日、バムルンラード病院の産婦人科(Women’s Center)にて、初回の妊娠16週検診がありました。

出産予定日は、2024年5月29日とのこと。妊婦検診の流れは以下のとおりです。

2023年12月16日: 妊娠16週検診(エコーあり)
2024年1月13日: 妊娠20週検診
2月10日: 妊娠24週検診(エコーあり)
3月9日: 妊娠28週検診。「妊娠糖尿病」の検査クリア。
3月24日: 妊娠30週検診(エコーあり)
4月15日: 妊娠33週検診
5月5日: 妊娠36週検診
5月12日: 妊娠37週検診
5月19日: 妊娠38週検診(エコーあり)
5月26日: 妊娠39週検診
5月30日: 妊娠40週検診

夫が休日の土日に妊婦検診の予約をして、できるだけ夫婦で通えるように調整いただきました。

ラシック先生もナースさんもとても優しくて、診療は毎回とっても和やかな雰囲気。日本語通訳はみなさん日本語が堪能で、安心して身を委ねることができました。

1月17日には、タイ国日本人会が主催する「プレママクラス」に私のみ参加。バンコクでの妊娠・出産に関する知見を得られ、子育て支援窓口の情報も共有いただきました。

タイ国日本人会主催「プレママクラス」にて

また2月24日には、バムルンラード病院が主催する「出産準備前 後期クラス」に夫婦で参加。

メディカルコーディネーターの志村円さんより、当院での分娩について講義を受け、そのあと病棟見学をしました。

陣痛室・分娩室・回復室が一体となった個室「LDR」(Labor Delivery Recovery)や、産後に過ごすシングルルームを実際に見ることでイメージを膨らませることができ、ありがたい機会でした。

産後に過ごすシングルルームの浴室


出産パッケージは3種類

2024年6月現在、バムルンラード病院の出産パッケージは以下の3種類です。

・普通分娩139,000バーツ(入院2泊3日)
・無痛分娩159,000バーツ(入院2泊3日)
・帝王切開159,000バーツ(入院3泊4日)

各パッケージの料金

生まれた日から数え、経腟分娩は「2泊3日」、帝王切開は「3泊4日」で退院となります。日本に比べるとかなり短いですよね。

全てのパッケージに共通に含まれるものは、以下のとおり。

・陣痛、分娩室代
・担当医診療費用(産科・小児科)
・母親の入院代(スタンダード個室、食事代、看護科など)
・新生児ナーサリー代および看護科
・分娩に必要な薬品、医療用品
・分娩に必要な医療機器(分娩監視装置など)
・新生児血液型検査(ABO型、Rh型、直接クームス検査)
・タイ式の先天異常検査
・新生児の聴覚検査
・新生児への予防接種(BCGおよびB型肝炎1回目)
・授乳・沐浴指導、ミルクの作り方など
・退院後、バンコク市内の送迎

下記のものはパッケージに含まれていません。

・日本式の先天性代謝異常検査(8000バーツ/4-6日目)
・おっぱいマッサージで乳管の開通チェックなど(2600バーツ)
・延泊(母児1泊あたり18500バーツほど)
・パスポート写真500バーツ
・母親の医療費(追加の痛み止めなど)
・赤ちゃんの医療費

私たちは、少しでも痛みを和らげたかったので無痛分娩を選択しました。

当院には、優秀な麻酔科医師が24時間体制で待機しており、どのタイミングでも無痛分娩を希望することができます。

ちなみにタイでは「帝王切開」が主流なのだそう。バムルンラード病院における2021年のデータによると、分娩数1641件のうち帝王切開率は73%。
けっこうな割合ですよね。

タイで帝王切開が多い理由のひとつとして、「誕生日の日柄の良し悪し」があるそうです。占いをもとに出産日を決め、帝王切開で産むことが多いそう。

その他、「出産時の痛みを回避したい」という理由も少なからず影響しているようです。

一般的に日本では、好んで帝王切開を選ぶ人は少ないでしょう。しかし、タイでは赤ちゃん10人のうち7~8人が帝王切開で生まれており、その半数は医学的な理由ではなく、主に宗教的な理由で帝王切開が選ばれているのです。

引用元:何曜日に生まれたか覚えてる? タイで「帝王切開出産」が当たり前なワケ


わたしもタイ人の友人から、「帝王切開だとスケジュールが立てやすいし、陣痛の痛みも避けられて楽チンじゃん」と言われ、「なるほど、そういう考え方もあるか……」と興味深く聞きました。

日本と異なるタイの出産事情や風習、とてもおもしろいですよね。

バースプランを提出

妊娠38週の定期検診にて、「バースプラン」を提出しました。チェック項目は下記のとおりです。

・デラックスルーム希望(有料)
・陣痛促進剤使用
・剃毛
・浣腸
・自然分娩時の痛み止め
・生まれてすぐに母乳をあげたい
・生まれてすぐに赤ちゃんを抱っこしたい
・夫の立ち合い分娩
・臍の緒がほしい
・日本式先天性代謝異常検査(有料)

我が家は夫の立ち合い出産予定で、次の希望も追加させてもらいました。

・進行状況を詳しく教えてほしい(子宮口の開き具合、頭が下がってきている、など)
・産後すぐに家族写真を撮りたい
・産声を録音したい
・胎盤が見たい

また、バースプランの用紙には「希望小児科医名」の欄があり、リサーチをして評判の良いドクターの名前を記載しておきました。

以上、バムルンラード病院における妊婦検診や、出産準備プロセスについて、おおまかにまとめてみました。

次回の記事では「出産レポ」を書きたいと思います。それでは、サワディーカー!


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