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星に願いを

最近、子供たちと一緒にプラネタリウムを制作するプロジェクトをやっている。

制作のために、これまで見向きもしなかった天文学や人類学の図書コーナーをあさって資料探し。
地域の星の方言名や、星座にまつわる民話や神話を調べてみると、これは面白い。オリオン座の三ツ星をみたらし団子とみて「ミタラシボシ」と呼んだり、ふたご座の2つの星を魚のカレイの目とみて「カレーンメ」と呼んだり。
そんな風に、生活に使われているものや、身の回りにあるものと星を重ねて見ているのだ。雲を見て「あっ、あの雲お魚みたい!」って言うようなものなのか。

そこで気づく。現代人と星との距離。
かつては無数の星が夜空に広がり、その星々をつないで楽しみ、物語を残していった。そしてそれが今、民話や神話として残っている。ずっと都会で暮らしてきた私にはない感覚。白く光る都会の夜空に、どうやったら物語を描けるのだろうか。昔の人はたとえ何百光年も離れた星でも、身近に感じていたのかもしれない。心と星の距離は近かったのかもしれない。

星に願いたくても、願う星が見えなくなってしまった。

もし都会の夜空に満天の星が見えたら、どんなお願いをするだろうか?


北尾浩一(2018)「日本の星名事典」原書房




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