隠れた琴線
高校生の頃、大事な友人との会話のなかで涙が漏れ、止まらなくなったことがあった。
それ以来、なんだか僕は涙もろい。
アニメやドラマなんか見たらもうだめだ。全然ストーリーを知らないドラマでも、それがグッくるシーンだと涙ぐんでしまう時もある。
昔はそんなことなかった。おざなりに言えば「人の痛みが分かるようになった」なんてことなんだろうけど、そんな単純なことだろうか。
熱いシーンやキャラが好き。絶望的な何かに立ち向かったり、とことんまで何かを好きで、それを貫いたりするような。
それを見ているとどうにも心が震えて、感情が音をたてて溢れてくる。
僕にとって、特別な二人のキャラクター。菜月昴と、茂野吾朗。
彼らへの愛を語りたい気持ちもあるけど、今日はやめとく。
皆はどんなことで涙を流すんだろう。
心の琴線には、人それぞれタイプがあると思う。
何回も泣いてきたから、僕は自分のタイプを分かっている。罪悪感型だ。
なんにもしてこなかった自分。誰かが何かをやり通す姿に、幼い心が「ごめんなさい」と泣いて震える。まるで許しをこうように。
べつに、だれに怒られるわけでもないのに。そんな風に泣いてしまうたびに、自分はなんて脆いんだろうかと思う。
飲酒と自慰を繰り返すうちに、年だけ重ねていく。ただ心の十字架が重くなっていくだけ。
そう。自然と懺悔してしまうだけだ。
「人の痛みが分かる」なんて、綺麗なものじゃない。
何回もそんな風に泣いてるから、蛇口が緩んじゃってるんだろうな。少しバカになっちゃってて、もうしっかり締まらないんだと思う。
いつも自分のことばかり考えている。誰かを想って泣ける日は来るんだろうか。
僕にそんな琴線が、隠れているだろうか。
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