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ただのアラサーが聴いてほしい曲について語る②絶対彼女/大森靖子

こんにちは。ひばりちゃんと申します。
ただの音楽が好きな、聞く専門のアラサーです。

ただ自分語りがしたいため、好きな曲について語るシリーズをやりたいと思います。
本当に、本当にただの自己満足です。

②絶対彼女/大森靖子

皆様ご存知大森靖子さん。
愛を込めて、「靖子ちゃん」と呼ばせていただきます。

2006年から現在まで、立ち止まることなく音楽シーンを駆け抜け続けている
ご本人の言葉をお借りするならば「超歌手」です。
そして、女性の微妙な心の動きを表現するのが本当に天才的。

「おんなのこ」という呪いと向き合って生きること

今回の絶対彼女は、靖子ちゃんの中でも初期にリリースされた曲なのですが今でも人気曲に入る素晴らしい曲です。

というか、このアルバムがとにかく最初から最後まですごい。
靖子ちゃんがこのアルバムを作成された時のテーマが「全ての女の子を肯定したい」というものであると知った時、本当に感銘を受けました。
最初から最後までこのアルバムは女の子を肯定してくれる。
応援でも、押しつけでも、評価するでもないんです。ただ、あなたは女の子でいていいんだよって言ってくれているような。

その中でもこの「絶対彼女」、私は女の子が女の子でいることへの呪いへのレクイエムだと感じました。
自分の叶えたい女の子と、現実の自分という女の子のギャップだったり、女の子でいることへの楽しさももちろん、女の子を辞められないことへの呪いのような苦しさ、痛みがぎゅっと詰まっています。

この歌詞にでてくる女の子、本当に女の子なんですよね。
ディズニーランドに住みたい、みたいな素敵な夢を言ってみたその口で現実的なことをぴしゃりと言ってみたりするし
他の女の子の幸せに少し絶望してみたりするし
もう何よりは2番とラストのサビの間奏の部分のセリフです。

あのセリフ量で「女の子」を表せるのは世界で靖子ちゃんだけだと思っています。
「君もかわいく生きててね」という、靖子ちゃんがこのアルバムのキーワードとも言っている一言が、女の子である希望や絶望や喜びや悲しみ、すべてを肯定してくれているんだと感じます。

ディスったやつの家に薔薇の、花束を、毎日送るの


このフレーズは私の裏・座右の銘です。

ムカつくこといっぱいあるじゃないですか。彼氏にちょっと馬鹿にされてそれが気に障ったり、親とかから女の子でいることを否定されたり、友達になんだかマウントとられたりとか。
そういうやつに絶対毎日送ってやるからなって思うんです。
女の子だから、ちゃんとかわいく復讐したい。
靖子ちゃんの歌う女の子って、アイドルの歌みたいな女の子と違ってちゃんとずるくて汚いんです。
でも、そこをひっくるめて「女の子」だから。
きっと肯定ってそういうことだと思います。

この歌詞の全部が本当に、そういうことなんだよなあってなるからすごいです。
サビのフレーズに至るまでが最初から最後まで最高。
多分この歌詞、世代やその人のこれまでの価値観とかでどこの部分が刺さるのか変わるし、女の子である人にはどこか絶対刺さる部分があると思うんですよねえ。
この言葉にできない、人には言えない小さなほころびを靖子ちゃんが見つけてくれる感覚、他の人にはできないです。

女の子の「カラ元気」をキラキラしたサウンドが表す

私は純度の高い音楽や、純度の高い人間が好きなんだなあ
そして純度の高い人ほど生きづらさを感じやすいんだろうなと思っています。
靖子ちゃんの音楽もまた、とても純度が高く、その純正さから生まれる膿のようなものを包んでマイルドにしているのがJ-POPらしいキラキラサウンドなのかなと思ってます。

特にこの曲、私は通じて「女の子のカラ元気」を感じているんです。
心配してほしいけどされたたらうざいなー
だから元気に振る舞うけど本当は私悪いことばかり考えてて心の中はどろどろ崩壊寸前だよー
ちゃんと見ておかないと危ないんだからね!
みたいなニュアンスの爆発力を込めているキラキラサウンド。

どこまでもキュートでポップで切なくて、女の子を守る殻のよう。

君も、かわいく、生きててね。

この曲だけでなく全体のアルバム通して聴いてみてほしい作品。
私はよく生理前のホルモンバランスが乱れまくっている時にこのアルバムを聴いては浸っています。
女の子に生まれた自分を愛しながら、呪いながら、苦しみながら、それでもかわいく、生きていこう。

では、またそのうち。

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