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⑫「どん底ホームレス社長が見た闇と光」

第5章 正直な生き方

今、死んだら後悔するよ

頂点からホームレスまで一気に落ちると、生きている意味が分からなくなってしまいます。そんな時、自分に問い掛けてみました。今までの人生に意味があったのか?と。出た答えは、自分の宿命を転換しなければ、この苦しみは付いて回るということです。自分の幸不幸を決めるのは、環境でも周りの人間でもありません。自分の心です。自分の心を変えたおかげで、どんな悪い環境であったとしても、飛躍のバネと捉えていくことができたのです。

今、苦しみの真っ只中にいる人もいるでしょう。命を絶ちたいと考えている人もいるでしょう。どうして自分だけこんなにも不運に見舞われるのだろうと悩んでいる人もいるでしょう。人生100年といわれている今、良い時も悪い時もあって当然です。しかし、一時の不幸で自殺するのは勿体無いですよ。世の中、まんざらでもないですから。あなたよりも苦しんでいる人や悩んでいる人は世の中には沢山います。自分の心を転換していけば、トンネルの先に明るい光が見えてきます。

目標を立てれば生きる意欲が湧いてきます。つらい、苦しいとばかり嘆いていては、底なし沼です。今は苦しいかもしれませんが、一瞬一瞬を完全燃焼していけば、未来は見えてきます。ホームレスであった私は、このように心を転換して這い上がってきました。あの時、自殺しないで良かったと今では心の中から思えるようになれたのです。


家賃3カ月滞納

ホームレス生活をしながらコツコツ貯めたお金で少しは貯金もでき、この生活から卒業しようと決心したのは、ホームレス生活を始めて半年後のことでした。不動屋さんに行き、物件を見て回りましたが、できるだけ敷金等、初期費用が掛からないことが私の条件です。その中で一番気に入った物件は、大阪府八尾市にある6畳一間の物件。大家さんに私の今の状況を説明すると、水道代の全額、プロバイダー代の半額を大家さんが持ってくれると言ってくれたのです。共益費等全て込みで53,000円です。今の私にとって贅沢過ぎるかもしれませんが、即決でそこに決めました。

6畳一間は狭いですが今までのホームレス生活に比べると天国です。屋根があって雨風を凌げますし、柔らかい布団で寝ることができるのですから。それに夜も照明で明るいですから何より安心感があります。家財は中古品で揃えましたが、そんなウキウキといた気持ちはいつまでも続きません。電気・ガス代を支払ったら家賃が支払えなくなってしまったのです。いい条件で入居させて頂いた大家さんに何て説明しようかと悩みました。しかし、こういう時は正直に訳を話すことに限ります。

私は、大家さんに事情を説明に行きました。またホームレスに戻りたくないという気持ちでいっぱいでしたが、大家さんは優しく「気にしなくていいですよ。お金ができた時でいいですから」と言ってくれたのです。本当に救われました。しかし、その後、また支払えなくなりました。まだまだ収入が安定していませんし、ホームレスで貯めた貯金も入居の初期費用で無くなっていました。

私は、再び事情を説明しに大家さんの家に向かいました。今度こそ、何か言われると覚悟はしていましたが、大家さんは「大丈夫?無理しなくていいですからね」と言ってくれたのです。私は優しい言葉に、「もう甘えていてはダメだ!!」と気持ちを切り替え、家賃の支払いを優先することにしたのです。電気・ガス代は後回しです。大家さんの優しい心に甘えたくなかったからです。

今まで以上に切り詰める生活を始めました。まずは食費と携帯電話代を見直すようにしました。特に食費は一日500円と決めました。安くて栄養価のある食品を調べて、安いスーパーマーケットで買い、できるだけ自炊をするようにすると、かなりの食費が浮いてきます。毎日同じもので飽きる時もありましたが、ホームレス生活に比べると月とスッポンです。

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