見出し画像

国家総合職の「国際関係」を独学3ヶ月で乗り切る話

前回の投稿では、国家総合職の政治国際区分に独学で挑み合格するまでの大まかな流れを書きました。

今回の投稿はまず政治国際の超重要科目、国際関係の一次試験に向けた対策について書いていきます。

全体に共通すること

国家総合職の専門科目は範囲が相当広く、特に国際関係や政治学は覚える学者の名前や学説が非常に多いです。一回で覚えようとするのは無理ですが、一方で時間もないので無闇に何回もスー過去を回すこともできません。

そのため効率よく知識を入れるために、まずはスー過去の各章のはじめにある概説のページに目を通しましょう。覚えるというよりは「出てくる単語が何かを知る」くらいの気持ちで大丈夫なので、1ページ5~10分を超えないペースでさっと読んでください

かける時間のイメージ

スー過去の概説読み:数日
スー過去1周目:1週間
10年前〜7年前の過去問:1週間
スー過去2週目:1週間
残り過去問・復習:1週間に1〜2年分程度を継続

スー過去の使い方

国際関係は比較的ボリュームが少ないので、問題を絞ったりせず全問解きました。国際関係だけを勉強すれば1週間で全て解き終わります

国際関係には地域機構、国際機構などの完全に覚える系の分野もありますが、紛争や各国の政治などどちらかといえば名前は知ってるものの中身を理解するものもあります。また、理論は文章を読んで誰の考えかわかる程度にまで理解を深める必要があるので厄介です。

最初の完全暗記系はスー過去で十分ですが、紛争系、理論系はこれだけでは足りませんので、本などを通して満遍なく知識を入れる必要があります。出題されたものはあくまで目安として、教科書に買いている内容はある程度頭に入れ、その中でよく目にするものは詳しく調べる、という意識を持つといいと思います。

問題を解いて、解説を読み、気になったことを調べる、という当たり前のことを繰り返せばいいので、深いことを考えず普通に勉強しましょう。

教科書の使い方

僕が国際関係を勉強するために使った教科書のうち、役に立ったのは次の3冊です。

メイン:中西寛ほか(2013)『国際政治学』有斐閣

サブ:野林健ほか(2007)『国際政治経済学・入門第3版』有斐閣アルマ

用語集:田中明彦ほか(2010)『新・国際政治経済の基礎知識[新版]』有斐閣ブックス

この他にも受験時代使っていた世界史の資料集や、適宜持っている本を参照しました。

メインの教科書は第4章国際秩序、第6章国際政治経済くらいは通読した方がいいかもしれません。知らない言葉や詳しくない出来事が問われたら、まず最初にこの本の索引を使って調べました

サブの本は冷戦とブレトンウッズ体制あたりのことを知るために読みました。もともと持っていた本で、メインの本に載っていない時についでに調べるために使いました。冷戦下の経済の話はほとんど知らなかったので、簡単に知る上で役に立ちました。

用語集は買うのが遅くなり、一次試験のためにはあまり使っていませんでしたが、早く持っていればとても役に立ったと思います。重要な出来事について見開き1ページで大体説明してくれるので、すぐに理解を深められます。理論については横のつながりがあまり見えないので、この本とメインの本の両方を使うことをお勧めします。

一応、公務員試験の勉強を始める前に読んで良かった本も紹介します。

長有紀枝(2012)『入門人間の安全保障』中公新書(*新版が出てるみたいです。)
多胡淳(2020)『戦争とは何か』中公新書
EHカー著、清水幾太郎訳(1962)『歴史とは何か』岩波新書

問題を解いて、復習の際に調べた知識は必要があればノートにまとめておきましょう。僕は書いて覚える派なので、それなりに細かいことも書き出しました。iPadを使っていましたので、ネットで調べたことはスクショして貼り付けたり、地図もマップをスクショしたりと、一応無闇に書かない努力もしました。

画像1
画像2

*間違った情報が載っていたらすみません

また、試験の直前になったら、よく出てくる学者の名前と学説の内容をエクセルにまとめました。

画像4

PDF化してiPadに入れておけば電車でもすぐに開けるのでお勧めです。

ネットを使おう

一番役にあったのが、youtubeの「miniいけ先生の倫政チャンネル」です。「高校レベルのことが役に立つのか!!」と思う方もいるかもしれませんが、はっきり言って神授業でした、、1.5倍で何回も同じ動画を見たり、ググる前にこのチャンネルで調べるなど、効率よく知識を入れるうえで最も役に立ちました。

特に紛争や国際条約など、高校の地理などで勉強した内容は一気に勉強できます。このチャンネルは政治学と行政学でもめちゃくちゃ重宝したので、本気でお勧めします!!

他にも、『リベラルアーツガイド』というサイトもよく見ました。僕自信ウェブサイトを運営する仕事をしていたことがありますが、こんなに専門的な内容をウェブ記事にするのはコスパが悪く、普通の人はやりません。それをここまで高いクオリティでわかりやすくまとめているんですから、運営の方を心から尊敬します。。

英文の理論系問題について

国際関係と政治学は英文での理論問題が出題され、これは結構難しいです。一方で出題される人に偏りがあり、10年分をある程度理解すれば対応可能になります。

その際、僕は英文に目標となる言葉や印象的なフレーズに目標をつけ、自分なりにどう考えるべきか検討しました。

画像3

次に同じ人が出題されたら、前の文章とどこが違い、どこが同じなのかを検討します。そうすることで学説に対する理解が若干深まり、判別する上での感度が高まります。

ちょっと大雑把ですが、長くなりましたので今回はこの辺で。次は政治学について書きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?