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理想と言われた仲良し夫婦がコロナ離婚にぶちあたって得た教訓③

*結婚生活*

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結婚は「特別」と「普通」の逆転だ、そう思った。

週末会いたくて会いに行っていた彼と毎日寝食を共にして、
毎日一緒にいた家族と会えるのがたまの週末。

時々張り切ってしていた料理が、
毎日の時間の割合を当たり前に占めていった。

部屋着でお腹を出して、口を開けて床で寝ている彼をみたとき。
酔っぱらって帰ってきてトイレのドアをあけたまま吐く音が聞こえたとき。彼もかっこつけていないとかっこよくないんだな、という事も学んだ笑


それでも、二人の結婚生活はすごく順調で楽しかった。
私が慣れない主婦業にアップアップになって喧嘩になったこともあったけど
他人が突然毎日の生活を共にするようになったわりに、
「ここはやだ!」みたいな大きな生活習慣の差はなかったように思う。

結婚式も特に大きな喧嘩もなく、無事に終えられた。
まだ友達の結婚式にあまり参加していなくてよくわからなかったから、
とか、
こだわりがなかったから、といえばそうなんだけど、
親にちゃんと式を見せることができた、
来てくれた人が喜んでくれた、それで満足していた。


二人とも子どもはまだまだ要らないと思っていた。
年に一度ずつは海外旅行と国内旅行に行っていた。

新婚旅行はヨーロッパ。
ガイドもなしに朝から晩まで歩き回り、
それぞれカメラを持って写真を撮りながら歩き回り
はぐれない程度に合流、
入りたい店があったら声をかけて一緒に入る、
という時間の過ごし方。
明け方は突然カメラをもって「サンライズ撮ってくる!」と飛び出していく彼。
私の本音はもうすこし、
ゆっくり手をつないで歩きたかったな。
寝起きにイチャイチャ、したかったな。


週末は友人たちと朝まで飲んだり、
フェスやイベントにいったり、
二人でテントを張ってキャンプしたりもしたし、
登山もした。

それぞれに趣味や友人との時間を満喫したりと、
「お互い、結婚してもしたいことをする」
そんなスタイルは変わらずに過ごせていたと思う。


私は好きな仕事も続けていた。
ただ、残業を減らしたことで評価されなくなった。
急に昇給しなくなった。

仕事を持ち帰って土日でやる事もあったし、
自分なりに業務量は落とさず頑張っていた。

部下に上司に部長にと、周りが鬱病だらけで
フォローせざるを得ない状況で業務量は増えていたけれど、
上層部からみるパフォーマンスは残業時間ありきだったみたい。

ネガティブな空気に引きずり込まれて
私も体調に変化が現れるようになっていった。

朝起きると吐き気がして、
これから電車に乗る、と思うとお腹がくだるようになった。
電車では常にトイレにかけこめる想定をしていたし
下痢止めのストッパはポケットに常備していたけど
そのうち効果がなくなった。

帰り道、どうしても頭が持ち上がらなくて意味も分からず涙が出て、
地面しか見られずに歩いていたこともある。

彼は当時「うつ病になる人の気が知れない」と堂々と言い放つ
強靭なメンタルの持ち主だったので、
私の弱い気持ちの理解はしてもらえなかったが
逆に当たり前に、力づくでポジティブに引っ張ってもらえるのは
ありがたかった。
気分転換にドライブでも行こうと、美味しいもの食べに行こうと
連れ出してくれたのがうれしかった。

親に甘えられない私があのとき持ちこたえられたのは
彼と一緒に住んでいたおかげだとおもう。
彼と結婚してよかったな、そう思っていた。

*妊娠*

2008-07-16 屋久島 183


長く働ける会社に転職をした。
クリエイティブな仕事がしたい、その思いもあったけれど
ちゃんと産休がとれて、子どもがいても長く働ける会社を見つけた。

介護に疲れた母に、生きがいをあげたいとも思った。

「二人の子どもを作ろう」
彼も同じ気持ちでいてくれて、妊活を始めた。

なかなかできない、そんな風に当時は思っていたし、
ごく初期での化学流産も経験したが、
一般的には早く妊娠にたどり着けたように思う。

最初の数か月に流血が何度かあってすごく心配をした。
流産してしまう夢を毎日みた。
吐くほどのつわりはなかったが、
夕方以降になると気持ち悪くなり
残業しながらえづいていて向かいの席の同僚に心配されていた。

安定期に入ってすぐ沖縄旅行に行って、
調子に乗って受けたマッサージ(妊婦でもOK)のあとは
お腹が石のように張って痛くてもうだめかと思った。

8か月ギリギリまで出勤をして、
産休にはいる最終日。
会社を出た瞬間、大きく万歳をして小さくジャンプした。
あの時ほど解放感を感じた瞬間はいまだない。

そう、あれほど自由だった日はあれからない。
あの日万歳をしてあげた腕は、まだ翼だった。

*教訓*

・好き好きフィルター強力な時期でも、生活してるとかっこよく見えない時がある。
・絶対的な味方がいてくれる安心感が、メンタルには何よりの薬。
・産休は最後のバカンス

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