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映画「マッド・ゴッド」を見た後、吐きました

衝撃の問題作、映画「マッド・ゴッド」を観ました。
いきなりバベルの塔。

バベルの塔は人間が神に近づこうとして建てられ、神の怒りに触れて壊されました。

そして今、人間は遺伝子操作をして人の心を操り、世界を騙し混乱に陥れています。

このディストピアはやがて神の怒りに触れてリセットされることを描いていると僕は思いながら観ていました。
おそらくそういったメッセージがこの映画には込められています。
決してオカルトではありません。

セリフは全編を通じて一切ありません。
彷徨う人々、赤ちゃんの声、鎖の音、ヨーデル、聖歌。

主人公ラストマンは地下へ、地下へ
その後防毒マスク姿が今の日本と重なります。

多くのトランクには何が入っているのか、
何を意味するのか、それは見る人に委ねられています。

時計が止まり、血が噴き出る腹をえぐり出すと
お金や宝石が出てきます。
本や財布や、そして脳みそを吸い出して
記憶を遡ります。

ここへきて、ようやく最初の場面と
つながります。

地図が渡されて戦争や殺し合いや
最後、原爆が何発も落とされます。
叫び声、ラジオの音、今や時間は意味を持ちません。

烏口のペストの時の格好をしたマザー。
エイリアンの入ったビン。
そしてできたのが我々の宇宙。
コアセルベートから細胞へ、そして人類へ。
戦争と破壊を繰り返し、2001年宇宙の旅を意識した
モノリスが、宇宙に放たれます。

アニメではなく
全て粘土などで作ったものを少しづつ動かしていく
実写の迫力。
制作期間30年。

心臓の弱い方は見ない方がいいです。
エログロの世界観が描かれます。
少なくともデートで見る映画ではありません。
コアな映画ファンが見る映画です。

地獄の旅から帰ってきた時、
つまり映画を見終わった時、
自分の中の恐れや暗黒や暗い感情を
全て吐き出した時のような浄化された
不思議な気持ちになりました。

三日間くらいは夢に出てきそうです。
予告編メイキング→


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