~約束の冷蔵庫~【事例1-1 -入居前編】
フィリピンの賃貸物件の問題で非常に興味深い記事を見つけたので、
今回は事例形式で不動産会社が実際にどのように対応していくかを
お伝えします。
元記事はこちら↓↓
https://thearound30.com/trouble-manila-cond/
初めに問題状況をご説明し、
最後に不動産会社勤務の僕の見解や対応を載せていく形式で
進めていきます。
普段見ることがないオーナーとのやり取りなども見える内容にしていきますので、宜しくお願いします!
登場人物ーAさん(日本人)
個人ブローカーを利用していればチャレンジャー
不動産会社を利用していれば被害者
物件仲介をしてるブローカー(個人または不動産会社勤務)
Hidalgo placeのユニットオーナー(おそらくフィリピン人)
注意点
元記事を読むとAさんとオーナーさんは直接連絡を取っています。ブローカーがいるのにオーナーとダイレクトでやることは通常ありません。
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Aさんはブローカー経由でお部屋を借りました。
お部屋を借りる際にはLOI(Letter Of Intent)というリクエスト書面をブローカーが作成し、オーナーから合意のサインをもらいます。※1
(※1詳細は以前の記事「オーナーへのリクエスト」をご覧ください。)
そこでAさんは以下の件をブローカー経由でオーナーへリクエストを出しました。
1. 新品の冷蔵庫
2. 新品のラグマット
3. 小さいテレビを大きなベッドへ交換
4. ベットルームの空調点検
今回のお話は冷蔵庫に関する問題です。
1.新品の冷蔵庫
LOIがオーナーサイドで通っているにも関わらず、オーナーからの回答は
冷蔵庫は壊れておらず、買い替えをする必要がないとのこと。
この時Aさんはオーナーに対しこう思っています。
「は・・・?ちょっと見に来て確認してよ」
しかしその後不調が続き、食材が全てダメになってしまう。
エンジニアに点検依頼し、壊れている確認を取る。
Aさんがオーナーへ連絡し交換してくれることになりました。
新しい冷蔵庫が届くのは1週間後...
その日に休みをもらって対応をすることに。
午後2時に新しい冷蔵庫が届くと聞いていたので、午前中は用事をいれる。
しかし午前9時ごろにブローカーよりあと1時間後ぐらいに到着をすると言う連絡が来ました。
難しいことを伝えると「今日は忙しいからその時間でなきゃまた後日ね」
と言われ急いで自宅へ戻る。
しかし実際は古い冷蔵庫の撤去のみ。
新しい冷蔵庫は4日後に届きました。
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初っ端からだいぶヘビーはお話ですよね。
つっこみどころが沢山ありますが、一つひとつ整理して
解決していきましょう。
大型家電のリクエスト
今回、Aさんがリクエストした新品の冷蔵庫。お住まいのHidalgo placeは
ロックウェルの中でも高級の部類に入るコンドミニアム。
そう考えると冷蔵庫の大きさもそれなりものだったと予想されます。
まずご理解いただきたいことがあります。
冷蔵庫やクーラーなどの大型家電を新品にというリクエストは
よくいただきますが、ほぼ通りません。
フィリピンのオーナーさんは壊れたら直すことが常となっています。
これは文化です。
何故ならこちらで購入するものは日本の物と比べすぐに壊れてしまうためです。
また直すまでのプロセスは下記のようになります。
壊れたらメンテナンスまたはエンジニアがチェック
→それがだめならメーカーチェック、パーツ交換
→メーカーお手上げ
→購入
この流れが一般です。
通常はブローカーがエンジニアチェックの際、同席確認しオーナーへ
報告します。
ですので、オーナーが来なくても問題ありません。
しかしAさんは「は・・・?ちょっと見に来て確認してよ」と
と言っていることから、おそらく...
ブローカーもいない、Aさんのみがエンジニアチェックに
立ち会っています。
これはまずいですね。ブローカーという間に入っている人間がいないと
テナントサイドのみの意見になり、後々不利になります。
本来は
LOIの段階でオーナーはメーカーチェックを入れ、壊れてるのかどうか確認
壊れてなければ新品交換へ同意しません。
不動産会社としての対応
大型家電の交換リクエストは難しいことが分かっていますが、
念のためご希望通りオーナーへリクエストをします。
ただしこれはある程度取引をしたことがあるオーナーさんに対してです。
物件がどうしても見つからず、ネット上のブローカーに連絡を取らざるを
得ない場合、信用が難しいのでまずは修理をリクエストに入れます。
そしてオーナーが了承したリクエストは必ず実行するよう対応します。
具体的には
今後もお客さんを紹介する
1年分の家賃前払いは管理が簡単
日本人は部屋をきれいに使ってくれる
アフターサービスもわが社で対応
オーナーにとってのデメリットは全くありません。←これとても重要です!
特に「今後もお客さんを紹介する」の一言はとてもオーナーに喜ばれます。
何故ならお客さんの数が圧倒的だからです。
【まさに数は力】
沢山ご依頼をいただいているわが社ならではの方法で対応を迫ります。
間違いがないように1点、皆さんへお伝えしておかなければ
ならいないことがあります。
実は僕、了承されたリクエストをオーナーが
揃えなかった経験がありません。
ですので、あくまで僕ならこのように対応するということ、
成功するかどうかはオーナーの性格次第ということも付け加えておきます。
事例形式の始まりとしてはかなり重い内容になってしまいました💦
しかも冷蔵庫だけで2話に分けなければならないほどのボリューム!
後編もすぐにあげますので、お楽しみにしていてください。
※こちらの記事は今後有料にしていく予定ですので、無料で読めた方はラッキーです!
それでは
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