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~約束の冷蔵庫~【事例1-2 -入居前編】

※こちらは後編になります。前編はこちらから


時間?

フィリピンではエンジニアでもメーカーでも約束の時間に来ることはほぼありません。

逆に時間ピッタリに来たら驚いてしまうぐらい珍しいことです。

この事を頭に入れ、家の修繕がある時は家にいる必要があります。

ここでの問題は2点

1. Aさんは仕事を休まねばならない
2. 撤去と搬入が別日に行われている

1の問題は誰にとっても悩みの種。


時間通りに来ないので家にいる必要がある。
→会社を休む

でも会社休めますか??
特に日系企業の場合、日本本社はフィリピンの状況が分からず
「時間指定して来てもらえば、休む必要はないでしょ」と
日本の習慣をベースに話をされますので、欠勤の話をしにくい環境です。


不動産会社としての対応1

僕の場合、お客さんから業者の連絡先をもらい
担当スタッフに部屋の鍵を預けてもらいます。
スタッフが業者と時間のやり取りをし、時間を決めます。
そして部屋に入る際にはスタッフが業者をモニターします。
全て完了した後、テナントへ鍵をお返します。



なーんだ、そんなことかと思われた方いるのではないでしょうか?



このサービス、不動産会社にとってはかなり難易度が高いので
やりたくても出来ない会社がほとんどです。

理由は

スタッフがいない
スタッフを信用できない
社用車がない

スタッフがいない

一般的な不動産会社の人数は3〜5名程度。
そしてお客さん1名につき1人の担当者。

2人以上のお客さんから同時に連絡が来ても
体は一つ。対応が遅れてしまいます。
また約束日当日、担当者が休んだ場合、代わりの人がいません。
(フィリピンでは自分の担当以外は無関心)


スタッフを信用できない

テナントの鍵を預かりお部屋に入る。すなわち中で何をしても誰も
わからない状況です。


はっきりいうと貴重品を盗むことも可能です。
またスタッフでなくても業者が盗るかもしれない。

誰が盗っても責任を負うのは鍵をお預かった不動産会社
そんなリスクを会社は負いたくありません。



社用車がない

ほとんどの不動産会社は社用車がありません。つまり内覧も修理も
タクシーで移動します。


この移動費、バカになりません。

修理に行ってもお客さんからサービス費用としてお金をいただかないのが
通常の不動産会社。(チャージする会社もあるかもしれません)


会社は移動費だけ掛かって、儲けが出ないことに通常お金を出しません。


こんな理由があるので、不動産会社は電話での連絡調整はしますが
スタッフが鍵を預かり現場に立ち会うことはほとんどありません。

僕が勤めている会社はこの問題を全てクリアしているので、
対応ができるという訳です。

実際このサービスはとても好評です。
業者やメンテナンスは英語が出来ない人もいるので、
英語とタガログ語ができるスタッフには助けられています。


自分の都合が最優先

「冷蔵庫を古いものから新しいものへ交換します」

こう言われた時、一般の日本人はこう考えます。

「もちろん搬出と搬入は当然同じ日でしょ」


これ、普通のことですよね?

だって冷蔵庫無かったら買ったもの全部ダメになるし。


でも海外ではちゃんと確認をしなければなりません。
違う日になっていたことに後で気づき文句を言っても
”確認しなかった方が悪い!!” で話が終わります。


事例のAさんはちゃんとブローカーに伝えていました。 
さすがです!!

しかし実際は搬出と搬入が別日になっているという
悲しい現実。

一体どうすれば良かったのでしょうか?



ここでは担当ブローカーが「不動産会社勤め」か
「個人ブローカー」で責任の立場が変わりますので
2通りの解説をします。


不動産会社としての対応2

搬出と搬入。フィリピンでは通常別の人が担当します。

搬出
通常搬出するのは業者ではなく、オーナー自身になります。
正確に言えばオーナーサイドの人間です。

搬入
通常購入した家電量販店の人が運びます。


搬出と搬入で担当が異なると日程調整をするのがとても大変です。
もし調整が出来なければ、事前にお客さんに事情を説明し
搬出と搬入が別日であることを伝えます。

そうすれば買い物の量を減らすなどお客さん側である程度調整が出来ます。
また、事前に日程が分かっていれば会社も連絡を入れられます。
(冷蔵庫の件で2日も休みをもらうのは至難だとは思いますが…)

僕の場合、同日の調整が難しければお客さんから鍵を預かり、
スタッフに搬出入の対応をお願いします。
そうすればお客さんも欠勤しないので、万々歳です。


個人ブローカーの場合

ここでは僕がAさんの立場になってどうするかをお伝えします。

事前にブローカーへ搬出&搬入は同日とお願いしました。
しかしあくまでこれはお願いです。

できるかどうかはまだわかりません。

そこで裏を取る必要があります。

「○日、冷蔵庫持ち出すでしょ?新しい冷蔵庫は何時くらいに届くかな?」

ここまでしっかりと確認をしておかなければなりません。
別日になっても困るのは自分。欠勤して会社に怒られるのも自分。
他人のためではなく、自分の身を守るためにしっかり確認します。

そして当日予定が突然変わることも頭の隅に入れておくと
イライラすることが減ります。


正直、ここまでするのかと思う方が大半だと思います。
でもやる必要があります。
詰めをしっかりしないと後で痛い目を遭うのは自分ですから…


ちなみにですが僕が個人で大型家具家電を買う際には
チップという名のワイロを店員さんへ渡して当日配送をお願いします。

これが一番ストレスなく自宅へ届きますので、ご参考までに

それでは。


#事例 #フィリピン不動産 #賃貸 #問題 #解決  

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